「思い描いていた自分になれていない」 理想と現実のギャップに悩む“人生迷子”への処方箋


「正しい道を選びたいのに、考える時間もない」
特に20代後半~30代に訪れやすい「クォーターライフクライシス」では、他人と比べて焦ったり、理想と現実のギャップに落ち込んだり、自分の進むべき道がわからなくなってしまうことがあります。

精神科医Tomy先生は、そんなふうに人生に迷い、立ち止まった人たちのことを「人生迷子」と呼びます。「わたしの人生、このままで大丈夫?」と「正しさ」を探し続けるのではなく、大切なのは「自分が納得できているかどうか」。その視点を持つことが、次の一歩につながっていきます。

ここでは、精神科医Tomy先生の新刊『人生迷子 立ち止まったときの処方箋』より一部抜粋して、「人生の停滞期」から抜け出すためのヒントをお伝えいたします。

 

「理想と現実のギャップが見えてきた。思い描いていた自分にはなっていないし、これからにも期待ができない。」

「この年齢なら、もっと違う人生を歩んでいると思っていました」
そう感じる人は、とても多いです。かくいう私も、子どもの頃に想像していた自分とはかけ離れた「大人」になりました。
しかし、「違う」からといって、苦しいと思う必要はありません。理想と現実のギャップが見えてくるのは、自然な成長の過程です。

一見、「理想」という言葉は前向きに聞こえますが、理想は期待とほぼ同じです。
期待とは、「こうあるべき」「こうなってほしい」という考えを、相手や状況に当てはめること。
そして自分への期待は、自分に対してそれを押しつけることになります。

期待を持つと、人は無意識に「ちゃんとその通りになっているか」を見張る立場になります。

すると評価は、自然と減点方式になってしまうのです。
「ここが足りない」
「これはできていない」
「思った通りじゃない」
結果、「自分はダメだ」という感覚だけが強く残ります。これが良くないのです。

理想がある以上、現実とのギャップが生まれるのは当然です。
しかし、理想通りにいかないからといって、人生が失敗しているわけではありません。問題なのは、そのギャップを見たときに、自分を責める方向に考えが向いてしまうことです。

そこで、発想を少し変えてみましょう。
私がよくおすすめするのは、理想という言葉を「目標」に置き換えることです。
これは単なる言葉遊びではありません。
理想や期待は、「今の自分がどれだけ足りないか」を常に突きつけてきます。

一方目標は、「今の自分を出発点にして、どちらへ向かうか」を示すもの。回り道をしても、少し立ち止まっても、方向性を見失わないための道しるべです。すると減点方式ではなく、加点方式で自分を見られるようになるのです。

つまり、理想は「他人軸」、目標は「自分軸」です。

理想像は、「どう見られるか」という像。つまり、そもそも他人軸なのです。
たとえば「ちゃんとした大人に見られたい」「仕事で評価されたい」など。
知らず知らずのうちに、他人の視線を基準にしています。だから常に顔色を窺うような気持ちになり、不安になるのです。
でも目標は違います。「自分は何をしたいのか」「どんな方向に進みたいのか」を考えるわけですから、これは完全に自分軸の話です。

理想像と目標は、似ているようでまったく違うんです。未来の見え方が変わるのは、この軸が切り替わるからです。
ここで、私自身が長く続けている方法を一つ紹介します。私は定期的に、「未来予想図」を書いています。
・今、やりたいこと
・今、やりたくないこと
・気になっていること
それを箇条書きにして、「これはどうなったらいいかな」「これは今は置いておこうかな」と、現実に落とし込んでいくだけです。毎日やる必要はありません。私の場合は、2〜3か月に一度くらい、気が向いたときに書いています。
すると不思議なことに、前に書いた未来予想図と今の自分の気持ちが、ちゃんと違っている。
「あ、ここはもう興味がなくなったな」
「これは、別の形のほうが合っていそうだな」
そんなふうに、目標が自然にアップデートされていくのです。つまり、生きていく中で、ギャップが自然と調整されていきます。

私自身、この「未来予想図」を10年ほど続けていたら、どうしてもやりたかったことは、ほぼ成し遂げました。今はゼロベースです。「何か面白いことが来たら、楽しもう」そんなスタンスで生きています。

未来図に書くことで、あなたの目標が意識化されるので、意外と達成されていくものなんです。すると「未来」がより明るく感じられますよ。

 

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人生迷子 立ち止まったときの処方箋
著:精神科医Tomy

精神科医Tomy

1978年生まれ。東海中学・東海高校を経て、名古屋大学医学部卒業。医師免許取得後、名古屋大学精神科医局に入局する。3 9万フォロワー突破のX(旧・Twitter)が人気で、テレビ・ラジオなどマスコミ出演多数。著書『精神科医Tomy が教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)に始まる「1 秒シリーズ」は、累計36万部を超えるベストセラーに。『精神科医Tomy の気にしない力』(だいわ文庫)、『精神科医Tomy が教える30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)、『うつ未満 。 「大丈夫」と言えない日の相談室』(秀和システム新社)ほか著書多数。 

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オフィシャルサイト https://pdoctortomy.com/