重版出来!『家事を手放してシンプルに暮らす』著者・Akiさんに聞く 忙しくてもスッキリ心地よい暮らしの作り方
広さ50㎡の1LDKに家族3人、すっきりと心地よく暮らすコツをつづったブログ「Living Small」が大人気のワーキングマザーAkiさん。出版した初の著書『家事を手放してシンプルに暮らす』は大好評で、即重版が決まるほど!
著書に込めた思いから本には公開していない新たな暮らしのアイデアや最近の買い物まで、お話をじっくり伺いました。
初の著書を出版されましたが、まわりの反響はいかがでしたか?
実は、身のまわりの人からの反響ってほとんどないんです。
というのも、もともと私がブログをやっていること自体、知っているのは家族とごくわずかな友人だけなんです。出版のことを伝えたのも、彼らと社内的な許可を取るために必要だった上司だけ。日々のつまらない悩みなどもブログに書いているので、なんだか気恥ずかしくて(笑)。
でも、ありがたいことにブログの読者の方からたくさんのコメントをいただき、とてもうれしかったです。
同じ悩みを抱えるワーキングマザーの力になれればと、不定期で読者の方との朝食会を開いているのですが、私ひとりがお会いできる人数には限りがあるし、東京近郊の方のみになってしまいます。
でも、本なら全国の方に読んでいただくことができる。四国在住の方が私の本を読んで、地元のライフオーガナイザーが開催する講座に参加してくださったと聞き、やはり“本の力”って大きいんだなと実感しています。
仕事、家事、子育てをしながらの書籍制作となり、大変だったことと思います。
どのように時間をやりくりしていましたか?
大変じゃなかった、と言うと嘘になりますが、なんとかやり遂げることができたのは、ライターさんやスタッフの皆さんのおかげです。本当に感謝しかありません。
原稿は、子どもが寝た後、夜に書くことが多かったです。もともと、仕事は家に持ち帰らない、子どもが寝た後は私の自由時間、と決めているので、それほど無理せずに時間を作ることができました。
日頃から、毎日のスケジュールは100%まで詰め込まず、余裕をもたせるように意識しています。
本書を通して、読者やワーキングマザーの方に特に伝えたかったメッセージ、心掛けたことなどがありましたら教えてください。
「手放す」ことは悪いことじゃないんだ、そんなにがんばらなくてもいいんだとみなさんに感じてもらえたらうれしいです。
私自身、復職直後は完璧を求めすぎて、体調を崩したりイライラしたりすることがたびたびありました。
母親になると「よいお母さんにならなきゃ」と、無理をしてでも自分にできる最大限の努力をしてしまう部分がありますよね。100%できない自分はダメ……と落ち込むこともあると思います。
でも、家族が本当に求めているのは完璧な家事ではなく、毎日ニコニコ優しいお母さんではないでしょうか。「手放す」ことで心に余裕ができ、結果的にお母さんが毎日笑顔で過ごせたら、その方が、自分も家族も幸せなのではないかなと思います。
「家事を手放す」が本書のテーマで、先ほども「手放す」というキーワードがでました。
今のワーキングマザーの方々がまず「手放す」べき家事はなんだと思いますか?
人それぞれ価値観が違うので、一概に言うのは難しいですが、自分がいちばん嫌いな家事、家族や自分にとって負担になることから「手放す」のがよいのではないでしょうか。
私の場合は掃除機をかけることでした。
本にも書いたのですが、結婚してから、どちらが掃除機をかけるかでもめたことがありました。夫は休みの日ぐらい掃除なんかしないでゆっくり過ごそうよというタイプ。でも、几帳面な私はやっぱり毎日掃除機をかけたい。それで私ばかりがかけていると、たまには夫にもやってほしいのに…と勝手に不満を溜めてしまって。好きでやっているはずなのに、どこか「よい奥さんは毎日掃除機をかけるべき」という義務感にとらわれていたのですね。
そんなとき、夫が「じゃあ、どちらもやらなくていいようにしようよ」と掃除ロボットを買ってきました。掃除機をかけるという家事を手放したことで、夫は静かな休日の朝を、私は毎日ピカピカの床を手に入れ、休日は朝から仲良く出かけられるようになったのです。
大事なのは、「よい奥さん」になることではなく、家族が楽しく幸せな気持ちでいられる環境をつくることだったのだと気づきました。自分の中の「理想」と戦うのをやめて、家族の顔を見るようになったら、がんばらなくても家事や子育てがうまく回るようになってきました。