【日本〇〇ブス図鑑】2次元科/なりきりブス

【日本〇〇ブス図鑑】2次元科/なりきりブス


  累計25万部を突破した「オトナ女子シリーズ」のイラストレーター・つぼゆりさんの連載がスタート!
「ブスが美人に勝るもの、それは推しへの愛」をテーマに、自身のオタク道から導き出した、「好きをこじらせてしまう、ブスの熱量」をアツく語ります!

 

「あたし、ホットミルクが好きにゃ!」

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コスプレならまだ良し。
しかし今回のブスは、精神だけキャラになりきるため、一番しんどいこじらせ方をしてしまっているのです。もちろん毎日毎秒キャラになりきっている訳ではないんでしょうが、ふとした瞬間に思いついたようになりきる傾向があります。
つまり、他人に本当に迷惑をかけるタイプのガチオタなのです。

「憧れ」として目の前に置くのではなく
「なりきる」理由  

えげつない闇を抱えているようにみえるブスですが、実は理由はいたってシンプル。
漫画の主人公に憧れて、必殺技を真似する子供の延長戦上に存在するブスなのです。
どちらかというと女性的というより男性的な思考の持ち主。
そんなピュアな精神で無邪気に遊んでいるだけなのですが、見かけが大人で尚且つブスなものだから周囲からしたら狂気。触らぬブスに祟りなし。

注意する人などいなくなった大人の世界では、ブスは自分の無邪気さが周囲と比べいかに異質かに気付きません。
漫画やアニメだと、キャラクター同士触れ合いの多い演出があるため、キャラになりきったブスは必要以上に触れてき……いや、無邪気に抱きついてきます。
周りがみえないブスほどイタいものはありませんよね。ボイズン。

しかし、なぜそんな行動をとるようになってしまうのかの理由は、「憧れ」以外に実はもう1パターン存在するのです。今回のブスはその後者のパターン。
キャラに対する溢れる愛。

「こんなことをしている可愛い推しがみたい」
その愛故に奇行に走ってしまうのです。

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美人ならコスプレイヤーになって自分の妄想を表現できますが、どれだけ推しへの愛が溢れようが所詮ブスはブス。良いカメラで強い光を当てて撮影しても、若干汗ばんだブスにしかなりません。
「こんなことをしている可愛い推しがみたい」の願望の10%も満たされない。
自分の裏アカウントでコスプレ写真をアップしても、いいねの1つもつきません。
それを一応理解しているので、ぐっとこらえて考えた挙句出てきた解決策。
自分では自分の姿が見えない形で、一番手っ取り早く推しへの愛のイメージを表現する方法、その場でなりきること。
自己完結型のようで周囲を巻き込んでいくタイプなのでやっぱり周囲からはドン引かれやすいのですが、ピュアでストレートな愛情表現なことに変わりはありません。
もしこのブスがちゃんと3次元の男性と恋愛をしたなら、相手(の気持ち)になりきることが出来るので、男の気持ちのわかるブスとして、きっと恋愛カーストの上に行くでしょう。

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そして羨ましいのがこのブス、人より想像力や表現力が豊かなのです。
豊かというより、自分の妄想により日々無駄に鍛えられているんですね。
故に、外部から与えられる情報で日常を潤していないぶん、他のオタクと違ってコンテンツの楽しみがいつまでも枯渇しないんです。
1人でも幸せを感じ、孤独でも楽しみを見つけられる――

もしあなたが1人だけブスを無人島に連れていかなければならない状態になった場合、断然このブスをオススメします。
辛く苦しい無人島生活の中で、毎日何かしらの幸せな妄想が聞けることでしょう。
ブスは夜空を見ながら、きっと笑顔であなたに話しかけてくれます。

「きれいな星空にゃ!」

 

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Written by tsuboyuri
tsuboyuri

つぼゆり(大坪ゆり)九州・大分県出身。多摩美術大学 情報デザイン卒業。フリーランスのイラストレーターとしてイラストレポや毎日の1コマ漫画など日々ゆるく生存中。自身も2.5次元、K-POPヲタク。

»http://cargocollective.com/tsuboyuri/12977878

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