ステイホームの助っ人

ステイホームの助っ人


緊急事態宣言が出てから一カ月、我が家もステイホームの生活が続いている。
世のお母さんたちは朝昼晩と三食のごはん作りが本当に大変だということを実感した。我が家では朝はシリアルやフルーツやジュースくらいだから、昼と晩を用意すればいいのだが、それでもランチを食べたと思ったら、もう晩ごはん?という時間になっている。

買い出しも毎日は行けないので、お取り寄せはこの時期の心強い助っ人だ。特にお昼は麺にすることが多く、家族揃っての好物なので、あればあっただけ助かる。パスタ、うどん、蕎麦…。美味しい麺があれば万々歳だ。気が付いたら、お昼は麺ばかり食べていたので、「勝手に麺ランチチャレンジ」と銘打って、1週間、麺で昼食を作ってみたけれど、バラエティも豊富で飽きないどころか楽々クリアしてしまった。
今回はそんなお気に入りのお取り寄せ麺を紹介したいと思う。

まずトップバッターは湯河原の飯田商店のかけらぁ麺。ご存じの方も多いと思うが、湯河原の住宅街にぽつんとあるこのお店に全国からファンが大勢つめかける。いまや、開店前に配る整理券をもらわないとその日には食べられないほどの大人気店だ。店舗が営業自粛中の今は店頭販売と通販だけで対応している。

ツイッターで発売情報を確かめて、お取り寄せにチャレンジ。お店そのままのラーメンが冷凍されて送られてきた。スープも麺もお店そのままを冷凍しているから、温めるだけでよいのがうれしい。チャーシューやメンマは付いていないので、いそいそと自宅で作って添える。

お店のように仕上げに三つ葉を添えれば完璧だ。つるつると喉ごしのよい麺と上品で深みのある醤油味のスープは本当に絶品! それを自宅で食べられるなんて感激するはず。
ちなみにご主人の飯田将太さんはラーメンのレシピ本を出されているので、購入してそのレシピで作っている。

二軒目は讃岐うどん。うどん県香川の高松には親しい友人も住んでいるので、好きなうどん屋さんはいくつかあるのだが、今回取り寄せですっかり気に入っているのが一福のもの。いつも保存のできる半生タイプのみが通販できるのだが、GWまでの期間限定でお店で食べるのと同じ打ちたての生麺を注文を受け付けていて、運よく購入することができた。

箱を開けると、現れるのはプラスティックのパックに入った打ち粉をたっぷり纏った打ちたてのうどん。太すぎず細すぎず絶妙な太さがちょうどいい。あとは讃岐独特と透き通ったかけだしにちょっと濃い目のつけだし、ぶっかけ用のだし醤油も。じゅわっと甘い汁がしみ出すお揚げと刻んだ青葱まで入っているのでいろいろな食べ方を楽しめる。
大量の湯を沸かして茹でたら、冷水できゅっと締めてうつわに盛り、大根おろしとすだちを絞り、だし醤油をかけてすだちおろしうどんにしたら、こちらはつるつるのもちもち、爽やかで絶品だった。三人で四人前をあっという間に完食してしまった(なんならもっと食べられる)。

だし醤油の代わりにかけだしを冷やしてかけるのもおつゆをごくごく飲めるほど、さっぱりとしておいしい。ゆでたての熱々に卵を割り入れ、バターとだし醤油をかけた釜玉バターもカルボナーラ風でこれもまたたまらない。青葱や明太子を添えるのもおすすめ。これには仕上げの黒胡椒が合うのでどうぞお忘れなく。

三軒目は日本蕎麦。蕎麦好きとしてはこの自粛中なにが辛いと言ったら、美味しい蕎麦が食べられないということ。お蕎麦はお店で食べるのに限るからだ。そんなことを食いしん坊仲間と話していたら、八ヶ岳にある細山荘というお宿が作っている黒ニンニク入りの坦々蕎麦がとても美味しいという。この状況でお宿には宿泊客は少なく、お取り寄せで頑張っているのだそうだ。それではと試しに取り寄せてみた。

お店では十割蕎麦を出しているとのことだがお取り寄せでは家でも扱いやすいように九割蕎麦になっているとのこと。紙に包まれた蕎麦を開くと美しい細切りの麺が現れた。こちらを40秒茹でて冷水で締めて、添えられた坦々汁で食すという寸法だ。つけ汁は挽き肉入りで濃厚、黒ニンニクがほど良く香り、香ばしい。温める時に九条ネギをぶつ切りにして加えてみた。

うつわに取り分けて食べる前に付属のラー油と炒り胡麻をかけて、冷たい蕎麦を浸して口に運ぶ。しっかりとコシのある蕎麦が個性の強い坦々汁に負けていないのに驚く。意外なおいしいさに家族全員、一度でファンになってしまった。これからの季節には爽やかなすだち蕎麦も取り寄せられるというから、こちらも楽しみだ。

最後に、パスタなら三軒茶屋のNATIVOのレモンパスタを。
言わずと知れたこのお店の名物メニュー。バリラのパスタ1キロにオリーブオイルとお店で使っているイタリア産のツナ缶がセットされている。このツナがとんでもない美味しさ。ふんわりやわらかくて味わい深い。

そしてこのセットの最大の魅力が作り方の詳しいレシピが虎の巻ごとく付いていること。自己流で作ってもそれなりにおいしかったのだが、プロのコツを惜しみなく教えてくれている。その通りに作ったらちゃんとお店と同じようにできた。なんでもレシピは大切だと改めて実感した次第。

この自粛生活中、麺類以外にもお取り寄せには大変お世話になった。大分中津にあるチキンハウスの冷蔵で来るジューシーな鶏のから揚げ。築地にある鮮魚店の三宅水産からは、刺身の盛り合わせに旬の魚の切身、活車海老、はまぐりや明太子、しらすなどその日のおすすめがセットになった「魚eats」と名付けられたデリバリー。西麻布のベトナム料理キッチンからは手に入り難い新鮮なハーブたっぷりのトムヤムクン鍋やハノイの鶏鍋など。マンネリになりがちな食卓を豊かなものにしてもらった。それもこれも配達してくれる宅急便の方々のおかげ。昼夜を問わず頑張ってくれている流通関係の方々には心から感謝の気持ちでいっぱいだ。

レストランも自粛を強いられ、テイクアウトで頑張っているお店も多いと聞く。大好きなお店のために出来る範囲で食べて応援している。ネガティブになりがちなこんな時でも、美味しいものを食べると自然に笑顔になる。お店に力を借りながらこのステイホームの日々を乗り切る所存。早くコロナが収束して穏やかな日常に戻るのを願ってやまない。

 

『arikoの食卓』

 『arikoの食卓 -もっと食べたい-』

『arikoの黒革の便利帖』
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『arikoの食卓 ~小腹がすいたら~』

Written by ariko
ariko

CLASSY.、VERY、HERSなどの表紙やファッションページを担当する編集ライター。日々の食卓をポストしているInstagramが、センスあふれる美味しそうな写真と食いしん坊の心を掴む料理で話題に。現在、フォロワー数は131,000人を突破。Instagram@ariko418

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