“頑張りすぎ”は時代遅れ! 心と身体をゆるめる「睡眠」のコツ


刻々と変化するニュース、先行きの見えない不安、それでも慌ただしく過ぎていく毎日――。いやがおうでも対応せざるをえない状況の変化に、いつの間にか心身のバランスと余裕を失い、無理して“頑張って”いる人も多いのでは……?  

でも、せっかくの「おうち時間」! 今こそ、思い切りゆるむことで、自分を取り戻すことが必要なのでは? そう提案するのは、モデルや女優も愛用する人気オーガニックブランド「nanadecor(ナナデェコール)」創始者・ディレクターの神田恵実さん。ストレスがかかった心や、不安、ストレスのリセットに一番有効なのが、毎晩の自分の睡眠を見直すこと。「睡眠は一番の特効薬」と語る神田さんの「心と身体をゆるめる」とはどういうことでしょう?

▲イラスト:横峰沙弥香

キーワードは「自分を大切にすること」

フレキシブルな対応が求められる今、あなたの心と身体は必要以上に頑張っています。でも、頑張るということは、いつも自律神経が緊張している状態にある、ということ。さらに、いやがうえにも見聞きするニュースなどの情報の洪水に、自律神経は休まることができず、女性に必要なホルモンの分泌まで奪ってしまうことも……。そんな“頑張りすぎ”の心(自律神経)と身体をゆるめる、一番の特効薬こそが「睡眠」です。

「私たちは、眠る=休むことにより積極的に取り組まないと、芯からのリラックスが得られない、複雑な情報社会の中で生きているのだと思います。まずは、しっかり眠って心と身体を休めることから。すると自分の中に余白が生まれます。自分を大切にすることは、やさしさにつながります」と、神田さん。

そう、自分を大切にし、ゆるめることは、しなやかに生きることが求められる今の時代にこそ欠かせない「美しい生き方」へのアプローチだと言えるでしょう。そろそろ“頑張りすぎ”は卒業。思い切りゆるんで、しなやかで美しい女性を目指してみませんか?

▲肩に力が入っていませんか?(イラスト:横峰沙弥香)

あなたの「睡眠」はどんな状態?

みなさんは、いま、本当に睡眠が足りているでしょうか? 「睡眠不足は自分がどんな状態か知ることから」と話す神田さんに、以下のチェック項目を用意していただきました。まずは、こんな項目から――。

☑️お昼ごはんのあとに眠くなる
☑️週末に寝だめをしている

これらは、まさに睡眠不足の証拠! 睡眠時間が足りていないか、仮に眠っていたとしても“睡眠の質”が悪いかのどちらか、です。量が足りていない場合は、入眠の時間を30分、1時間と少しずつ早める努力をしてみて。週末の寝坊もプラス2時間くらいにとどめるように――。また、睡眠の質を上げるためには「決まった時間に眠り、起きる」、この習慣づくりがポイントとなります。

☑️寝ているのに朝起きられない

この場合は、前夜の夕食をチェックして。遅い時間にヘビーなものを食べると睡眠の妨げになるだけでなく、ホルモンバランスの乱れにつながることも……。もちろん、眠れないからといってスマホやパソコンを寝室に持ち込むのは厳禁! ブルーライトが脳を覚醒させ、睡眠の質が格段に下がってしまいますよ。

▲ベッド=眠りの場所と脳にインプット(イラスト:横峰沙弥香)

「深い眠り」のための“ティップス”集!

深く眠るためには、心身をオンモードからオフモードへ切り替える必要があります。その切り替えスイッチのひとつが入浴、そして眠る時専用のパジャマに着替えること。入浴の際には、好きな香りの入浴剤を使うのもいいですね! とくに、鎮静効果のあるベルガモット、柚子やラベンダーなどのアロマオイルもおすすめです。香りは鼻の粘膜からダイレクトに脳に届くので、即効性があるんです。

また、安定した深い眠りを習慣にするには、自分ならではの「入眠アイテム」を持つこと。たとえば神田さんの場合、「着心地のよいナイトウェアと締め付けのないソックス。そしてアイマスク」なのだそう。肌触りのよいナイトウェアやアイマスクを身につけることを毎晩の習慣にしていくと、肌にそれが触れるだけで、一瞬で身体が睡眠モードへとスイッチが変わります。敏感な肌の機能を利用して、すぐに寝落ちできるのだとか!

また、意外と見落としがちなのが、ズバリ、寝具! 私たちのまわりには、テレビや無線LAN、携帯電話など、さまざまな電波が飛び交い、私たちの身体や自律神経に悪影響を及ぼしているんです。「睡眠は疲れとともに、電磁波や静電気などをリリースする時間でもある」と、神田さん。そのための寝具選びとして気をつけたいのは、静電気が発生しやすい化繊を控えること。毛布は、できるだけ天然素材のものを。神田さんはオーガニックコットンの毛布を通年使い、シーツや枕カバーもすべてオーガニックコットン。また、それらをこまめに取り替えることを心がけているそうです。「以前にくらべて驚くほど眠りが深くなり、ぐっすり眠ったな、という満足感が出てくる」と、神田さんは話します。

▲入眠アイテムがからだを睡眠モードに変えるスイッチに!(イラスト:横峰沙弥香)

みなさん、「睡眠」がいかにQOL(人生の質)を上げるために欠かせない要素か、おわかりいただけたでしょうか? 「おうち時間」の増えた今こそ、見直すチャンス! そして、神田さんはこんなメッセージを送ります。「自分がゆるめば、相手のことも受け止められるようになる」と――。

心と身体のバランスをとるのが難しい今だからこそ、自分をしっかりとゆるめ「睡眠」をしっかりとること。ピリピリとしたムードの世の中でも、余裕と笑顔ですべてのことを受け止められたらステキですね。そんなあなたは、きっと誰よりも「自分らしく」、誰よりも「幸せ」でいられることでしょう!

 


ゆるめる自分 -頑張りすぎているからだとこころを休ませる本-
神田恵実(著)
あなたはちゃんと休めていますか?
不調のもとである毎日の小さな緊張を解いていくための60のヒント。

神田恵実 Emi Kanda
nanadecorディレクター/Juliette主宰
ファッションショーの制作、編集プロダクションを経て大手出版社に勤務。後にJulietteを設立しファッションエディターとして、女性誌をはじめ書籍の編集、国内外のファッションブランドの広告、カタログやウェブ制作などを手掛ける。2005年オーガニックコットンブランド「nanadecor(ナナデェコール)」をスタート。その後、表参道に路面店「salon de nanadecor」をオープン。こころとからだを整える情報の発信のみならず、プロダクト開発、ワークショップ企画、リトリート、女性支援など、衣食住、さまざまな視点から、オーガニックライフをトータルで啓蒙。社外へのオーガニックに関する開発、企画、コンサルティングや店舗のディレクションなどを行う。リマクッキングスクール師範科卒業、睡眠改善コンサルタント、AMPPルボアフィトテラピーアドバイザー。著書に『My Organic Note』(小社刊)。