【イベントレポ】『それでも女をやっていく』ひらりさ×蟹ブックス店主・花田菜々子 対談!(前編)
ドラマ化もされたヒット作『だから私はメイクする』などを生み出した、オタク女子ユニット「劇団雌猫」のメンバーとして活動を開始後、「女」にまつわるさまざまな文章を執筆してきた、文筆家・ひらりささん。
そんなひらりささんのWANI BOOKOUTでの人気連載「それでも女をやっていく」が、このたび、待望の書籍化となりました。
書籍『それでも女をやっていく』の刊行を記念し、2月10日、高円寺にある本屋・蟹ブックスにて、ひらりささんと以前から親交のある店主・花田菜々子さんによるトークイベントを開催。ここでは、そのイベントの様子を一部抜粋し、前後編にわけてお届けします。
笑ってもらえるところは、笑ってほしい
花田:ひらりささんは劇団雌猫の頃から存じ上げていますが、ユニットでの活動から今回の『それでも女をやっていく』のように個人でのお仕事になると、一気に濃くなると申しますか(笑)、情熱的な面が際立ちますよね。ですから、ひらりささんご本人がどういう方なのか、ずっと興味を持っていました。
ひらりさ:ありがとうございます。「それでも女をやっていく」は、個人で出していたアンソロジー同人誌『女と女』の一冊目を出版した頃にオファーを受けて、連載をスタートさせました。当初はもう少しエモポップなものをと考えていたのですが、書いているうちに筆圧が強くなってしまいまして……。インタビューのように他人に話を聞かせていただく場合は――もちろん文責はわたしにあるものの――もう少し軽い気持ちで書けていたんです。でも、自分で自分のことを書くとなると、どういうわけか、こういうスタイルになっていましたね。
花田:語弊があるかもしれませんが……「こんなにメンヘラな人だったんだ!」ということ自体が面白かったです。
ひらりさ:(笑)。昨日も本の感想を書いた「メンタル複雑骨折人間、最高」というツイートを見かけたばかりです。あと「172ページで爆笑した」というツイートもあって、「おかしいぞ、めちゃくちゃ真面目に書いたところだったはず」と……。
花田:(本を開いて)ああ、この「わたしはわたしに1000文字超えのLINEを送るような情の深い女を見分け、好んでしまう」という箇所ですね。
ひらりさ:そうです。その方は好意的な意味合いで、「激重女子コミュニケーションは当事者にとっては大変だが、読み手からすれば喜劇にも見えるので面白く読んだ」と評してくださったようで。もちろん、わたしからすれば悲劇なんですけど、この方のように笑ってもらえるところは笑ってもらえると書いたほうとしても心が軽くなる部分はあるなあ、と気付きました。