大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスも! 野球場の空気感を切り取った写真集


3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、3大会ぶり3度目の優勝を果たしたこともあり、2か月が過ぎた現在でも、その熱狂の余韻が抜け切れていませんよね。

世界文化社から発売された『WBC2023メモリアルフォトブック』がオリコン上半期BOOKランキング2023にてジャンル別「写真集」&「スポーツ関連本」で1位 獲得し、6月2日からは日本代表「侍ジャパン」に密着したドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』が全国各地で公開されるなど、冷めやらぬ盛り上がりを見せています。

準決勝・決勝の舞台となったアメリカの球場の雰囲気を映画館で改めて観るのも良いですが、ここでは、広島県出身のフォトグラファー・竹内裕二氏による初の作品集『ROOT ROOT ROOT』より、自身がこれまでに撮りためてきた野球の本場アメリカの“野球観戦の風景”を少しだけご紹介します。

 

野球の“プレー”ではなく“観戦”を楽しむ「野球場マニア」必見の写真集

メジャーリーグと聞いて、思い浮かぶ球団はいくつあるでしょうか。
WBC日本代表・大谷翔平選手、アメリカ代表・マイク=トラウト選手が所属する、ロサンゼルス・エンゼルス。お化けフォークでお馴染みの千賀滉大選手が所属するニューヨーク・メッツ。
日本人選手のメジャーへの道を開いたパイオニア野茂英雄さんがかつて所属したロサンゼルス・ドジャースや、「ゴジラ松井」と呼ばれる松井秀喜さんのニューヨーク・ヤンキースなど、日本でも耳にする機会が増え、球団の原風景を見たいと思った方も多いのではないでしょうか。


▲Anaheim, CA 2018 ⒸYuji Takeuchi

竹内氏がこうした作品を撮り始めるきっかけとなったのは2006年、仕事でたまたま訪れたサンフランシスコで、初めてメジャー・リーグの試合を観戦した日。もともと根っからの野球好きだった竹内氏ですが、このとき、かつて父に連れていってもらった広島市民球場の記憶が蘇ったといいます。

球場に向かうワクワク感、球場の大きさ、芝生の美しさ、ホットドッグのおいしさ……。場所も文化も、何もかもが異なるアメリカなのに、市民球場の熱気や、カープうどんの味を想起させたそう。自身の「原風景(=ROOT)」と野球の「原風景」が重なった瞬間でした。


▲Bronx, NY 2014 ⒸYuji Takeuchi

それ以来、竹内氏は、アメリカを訪れる機会がある度に球場へ足を運び、思い思いに野球を楽しむ人々を、少年時代の記憶をたどるように撮り続けました。

日本に住む人のなかで、アメリカで野球観戦をした経験のある人は圧倒的に少数派。にもかかわらず、本作に収録されている作品ひとつひとつから懐かしさを感じるのは、撮影者の想いがファインダー越しに伝わってくるからでしょう。


▲Los Angels, CA 2018 ⒸYuji Takeuchi

竹内氏は、本作について「写真を通して原風景を行ったり来たりできるのが、写真の面白さであり楽しみなのだと思う。この写真たちが、手に取っていただいた方々の原風景を掘り起こすきっかけになることを願っている」と語っています。

さあ『ROOT ROOT ROOT』をめくり、野球の本場アメリカの空気を感じてみてはいかがでしょうか。

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ROOT ROOT ROOT
著:竹内裕二

竹内裕二(たけうち ゆうじ)

広島県出身。2000年 ホンマタカシ氏に師事。2016年 株式会社 BALL PARK設立。雑誌、広告等を中心に数々の女優、俳優、モデルを撮影。
HP:http://ball-park.co.jp/
instagram:@ballpark.inc

※本記事は、WANI BOOKS NewsCrunch <https://wanibooks-newscrunch.com/>「これは天国の写真集だ」映画監督・西川美和氏も絶賛! 野球場マニア必見の作品集(2022.6.17)を、加筆編集したものです。