
【ペルー日記】クレジットカードなんて、なんぼあってもいいですからね
人生初の中南米一人旅の真っ最中に、新型コロナウイルスが蔓延。
国境は封鎖され、飛行機はキャンセルになり、異国の地でのロックダウン生活。
街中がパニック、一人心細く、早く帰国したいと願う毎日……になるかと思いきや、
彼女は「いっそのこと、ここに住もう!」と決め、ペルーで生活を始めた。
ペルーで暮らして、早3年。
現地からお届けする、予想外で刺激的な日々。
私は愚か者だ。よく、物を失くす。この南米旅行中だけで帽子とサングラスは4個ずつ失くしたし、戻ってきたけれど携帯とパスポートも落としたことがある。盗られるわけではなく、自爆ばかりだ。
他にも過去に失くしたものといえば、17万円のRadoの時計を二度、alain mikliの眼鏡を二度、アクセサリーはほぼ全部と、思い出すだけでもクラクラする。対策として財布や携帯を紐で鞄につなげるようにしてからは、マシになったと思っていた。
コロナ禍のある日、お店で支払いする時にクレジットカードがないことに気がついた。ATMで現金を引出した後、カードを取り忘れてしまったのだ(素面なのに)。ATMに戻ってみたものの既にカードはなく、近くにいた警察官二人組に「遺失物届けを出したい」と相談したら「明日の勤務後に一緒に説明してあげるよ、その方が簡単だから。whats app(LINEのようなメッセージアプリ)を交換しよう」と言われ、ひとまず交換しておいた。
△このATM(multi Red)は引き出し手数料が無料なのでおすすめ。時々引き出せないことがあるので、余裕をもって計画を。
翌日、約束した交番前で待つも警察官が来ない。電話しても出ない。30分待っても来ないので仕方なく他の警察官に事情を説明すると、小部屋に通された。「担当の警察署はここじゃないから、移動しよう」とパトカーに乗せられ、観光警察署に移動。パスポートを見せて事情を説明すると「ATMの問題は、警察は介入できない。その銀行の本店に行くしかない。それより君、随分と長くペルーにいるね。不法滞在じゃないの? 別の警察署に行って聞いてみて」と。
「国境封鎖期間だから、滞在日数はカウントされないことになっているの」と説明するも、また別の警察署に行けと言われ、たらい回しにされた挙げ句、何も解決せず、不法滞在の疑惑までかけられた(後に滞在許可を取れたので問題なし)。
後日、銀行に行って聞いてみるも、そんなカードは届いてないとのこと。まあ、私のミスだし仕方ないのだけれど、あの警察の雑な対応は何だったんだろう。
その後、約束をすっぽかしていた警察官からフェイスブックで友達申請があり、しょうもないメッセージまで届いた。
この旅行には4枚のクレジットカードを持ってきていたのだが、1枚目はカード会社が私に電話したのに繋がらないという理由で勝手にカードを止められ、2、3枚目は不正利用されて止められていた。4枚目のカードもこうして失くしてしまい、コロナ禍で国際郵便も止まっているため新しいカードを送ってもらう事も出来ない。
これは詰んだ……と思っていたのだが、Western Unionという送金サービスがあることを思い出し、なんとか乗り切れた。
「クレジットカードなんて、なんぼあってもいいですからね」と、ミルクボーイが言ってくれているような気がした。
△Western Unionはオンラインでも送金できて便利。何故か警備員に止められることなく、マーちゃんも入店。
今月のスペイン語
△支払う時にtarjetaといえば、カード払いになる。
*次回は11月2日(木)更新予定です。
イラスト・写真/ミユキ