【ペルー日記】愛に溢れた友人の結婚

【ペルー日記】愛に溢れた友人の結婚



人生初の中南米一人旅の真っ最中に、新型コロナウイルスが蔓延。
国境は封鎖され、飛行機はキャンセルになり、異国の地でのロックダウン生活。
街中がパニック、一人心細く、早く帰国したいと願う毎日……になるかと思いきや、
彼女は「いっそのこと、ここに住もう!」と決め、ペルーで生活を始めた。

ペルーで暮らして、早3年。
現地からお届けする、予想外で刺激的な日々。


 

ロックダウン前日から滞在していたホテルの、オーナーカップルが結婚するというので、式にご招待いただいた。コロナ禍で一人だった私を気遣って、いろんな場に誘い出してくれたやさしい二人。年齢はおそらく30代半ばで、私にとっては最初に出来たペルー人の友人だ。
とっくに結婚しているものだと思っていたので、正直今から結婚? と驚いた。


△お祝いの定番、豚肉のグリル、グリルパスタ(肉の入っていないラザニアのよう)、タマレス(とうもろこしをすり潰して、皮に巻いて蒸したもの)。タマレスは道端でも買えるおすすめ料理で、1つ40〜50円。

式の3ヶ月前に、家族に結婚を宣言するような小さな会があった。
私は新郎の実家があるビルの1階に住んでいるので、家族のように扱ってもらっており、あらゆるイベントに声をかけていただいている。今回の会にもお呼ばれした。
みんないつもよりおしゃれしていて、誓いのスピーチがあり、お互いの腕を交差してお酒を飲む儀式がありと、とても素敵な時間だった。

さらに式の1週間前には、新郎の独身最後のパーティーが開催された。ちょうどハロウィン後だったので、近所に住む従兄弟らが仮装して大集合。
結婚する長男へ、兄弟3人がそれぞれスピーチをし、ハグをして涙を流していた。兄弟のいない私は眩しいほどの兄弟愛を見て、思わず泣きそうになった。


余興は2チームに分かれて、運動会のようなゲーム大会。咥えたスプーンにピンポン玉をのせて競争したり、カップに溢れるほどの水を注いでこぼさないように運んだり。日本でもおなじみの、フルーツバスケットもあった。
負けた人は罰ゲームとして、ショットのお酒を飲むか、激甘のマシュマロを食べる。お酒が飲みたい私は、ひっそりと「負けるほうがいいな」と思っていた。 

大人になってもこんな遊びをするの? というようなゲームで大騒ぎして笑っている皆を見ていると、心が洗われるようで、夢中で写真を撮った。


△お祝い飯。Aeropuertoは空港という意味だけど、そばメシ。グリルチキンとサラダ。

その後は輪になって、ダンスにカラオケ大会。「ミユキも何か歌って!」と猛プッシュされ、カラオケは苦手なので固まっていたが、場を盛り下げてはいけないと腹をくくった。
前回のパーティーで『君が代』を歌って盛り上がらなかった反省をふまえ(笑)、日本のアニメはペルーでも人気だし、みんなも一緒に歌ってくれるはずと、ドラゴンボールのテーマ曲を歌うことに。歌い出すと、恥ずかしさで顔から火を吹き出しそうだったけれど、お酒の力を存分に借り、終いにはイケイケな私がいた。

歌い終えてほっとしていたものの、次は『ドラえもんのうた』が勝手にセットされていた。ペルーでの日本のアニメの浸透力はもちろん、何十年も聴いていなかった曲なのに歌詞がスラスラと出てくることに驚いた。
笑いあり涙ありの愛に溢れた結婚式までの日々を見させてもらい、私も温かい気持ちになれた数か月だった。

 

今月のスペイン語

*次回は3月1日(金)更新予定です。

イラスト・写真/ミユキ


Written by ミユキ
ミユキ

旅するグラフィックデザイナー、イラストレーター
広島出身、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒、在学中よりフリーランスとして広告、ロゴ、エディトリアルデザインなどを手掛ける。
ロンドンに2年間の語学留学、オランダ・セントヨースト・マスターグラフィック卒業後、個人事業主ビザを取得しアムステルダムに12年居住。
ヨーロッパ全域を含む訪れた国は50カ国以上、旅先では美術と食を軸に、ダイビングや運転もする。
主な作品:ギリシャ・クレタ島の大壁画、ハイネケン Open Your World、モンスターズインク・コラボイラスト、豊島復興デザイン等、15年前からのリモートワークで、世界のあらゆる場所で制作。
HP:http://miyuki-okada.com
X(旧Twitter):@curucuruinc
Instagram:@curucuruinc

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