【Amazon3冠で話題!】「おまたをさわったらいけないの?」小さい子どもの性を否定しないで


女性の“デリケートゾーンケア”の必要性を発信し続け、ELLE誌の「世界を変える女性100人」にも選ばれた、フィトテラピー(植物療法)・フェムケアの第一人者――森田敦子さん。

デリケートゾーンケアの人気ケアブランド「アンティーム・オーガニック」、トータルライフケアブランド「Waphyto」の開発&設立者としても知られる森田さんの著書『潤うからだ』(小社刊)は、女性の「No. 1バイブル」とも謳われ、「女性性」にまつわる意識を変えたベストセラーとなりました。

そんな森田さんが贈る、待望の新刊『私のからだの物語』が発売されました。幼少期から老年期にかけてまで、何歳からでもできる「性の学び直し」と題し、女性一人ひとりが、性を、からだを、「自分ごと」として受け止め、考えるヒントを詰め込みました。
ここでは、書籍『私のからだの物語』の一部を抜粋の上ご紹介します。

 

性のはじまりにタブーを押しつけない

人間には本来、食欲・睡眠欲と並び、性欲という本能が備わっているものです。けれど日本ではその性について女性が積極的になることは、イコール「はしたないこと」という、タブーを刷り込まれてきた風潮があり、いまだ根強く残っていると感じます。長い間、セックスを恥ずかしいこと、よくないことと刷り込まれてきた歴史があり、いまもその恥ずかしいという意識が、こころの奥底に下敷きになっているように思います。また、正しい知識を十分に教わる機会がないままに大人になってしまうことも、大きな問題ではないでしょうか。


(イメージ:写真AC)

月経や排泄、出産に関わり、また性欲に直結し、化学反応を経て快感を得る腟まわりは、女性のからだに標準装備された、肺や腸や心臓と同じ、人類にとって、大事な大事な「臓器」です。

にもかかわらず、性のこと、腟まわりにまつわる出来事はすべてブラックボックスに閉じ込められたまま、「隠しておきたいこと」として、女性としての物語がはじまった……という人は少なくないと思うのです。
女性性を受容できるか、あるいは否定してしまうか。その分かれ道は、「女性性の源」である、女性器(腟まわり)に対して、最初に植えつけられるイメージがどうだったのかで決まる、と私は考えています。

 

ここはあなたが生まれてきた、一番大切なところ

かつて私が植物療法(フィトテラピー)を学んだフランスは、日本に比べると、はるかに性が成熟している国でした。とくに驚いたのは、幼いときから、「からだの感じる部分=センシュアルライン」を教える手遊び歌がある、ということ。
日本にも『一本橋こちょこちょ』という赤ちゃん向けの手遊び歌があって、「たたいてつねって、階段のぼってこちょこちょ」と、脇の下をくすぐりますよね。けれどフランスの「手遊び歌」は、脇の下だけでは終わらないのです。「丘をのぼってこちょこちょ〜」などと歌いながら、首のまわりや胸のまわり、おしりや腟のあたりまで、お母さんはやさしく触れていきます。

(イメージ:写真AC)

「触れられて“くすぐったい”と感じることは、からだの反応として、とても大切なことなのよ」
「その場所は、あなたにとってとても大事で、愛おしいところなの」

と、まだ2〜3歳の幼いころに、遊びながら教えてあげる、性教育のひとつなのです(女の子の場合、性的な気持ちよさを覚える年齢は、大体2〜3歳と言われています)。

「お顔もお尻もお腹も、とってもやわらかいね。なんて可愛いの。あなたが大好きよ」

フランスのお母さんたちは、そんなふうに声をかけながら、やさしく娘のからだに触れながら、くすぐったさにケタケタ笑いだすわが子に祝福をもって、性のはじまりを教えてあげるのです。
大人でも、触れるか、触れないかの感触ですーっと腕をなぞられると、「うわー、ゾクゾクする!」となりませんか? そうした反応があるのは、「あなたはちゃんと、“感じるからだ”をもっているよ」ということなのです。

(イメージ:写真AC)

フランスの性教育は、さらに進んでいます。
「ここ(腟まわり)は触れると気持ちがいいよね」と声かけすると同時に、こんなふうにも伝えるそうです。
「触っていると安心して、眠たくなるよね。そうやって、よく眠っていいのよ。でもね、触るときには、お手々はきれいに洗っておいてね。ここは、あなたが生まれてきた、一番大切なところだから、簡単に人に見せたり、触らせたりしちゃ駄目なのよ。ここは女の子にとって、一番大切に扱ってあげる場所なの」性のはじまりには、タブーを押しつけないこと。それが本当に重要です。

女性であることを最初から受け入れることができた女の子は、自分のからだを大切に、そこから堂々と生きていくことでしょう。フランスでは、いくつになっても恋を楽しむ女性が多いことも、なるほどとうなずけるのではないでしょうか。
それは、肯定された性教育によって、女性性が受容されている、という事実にほかなりません。

 

今、女性にとってもっとも大切なのは、複雑な自分のからだや「性」のことについて知り、自分自身を慈しむこと。
『私のからだの物語』では、小さい子どもをもつお母さんには、性教育のことから。妊娠・出産・子育て時期には、健全な感じるからだをつくる。更年期世代には、辛い時期を乗り越えるために。そして、理想の老年期に向けて介護問題に向き合う。自身の一生を通して訪れる様々な変化や意識の持ち方を丁寧に綴っています。

すべての女性が自尊心をもって自由に生きていくために、「あなたのからだの物語」を紡いでいきましょう。

 

お知らせ 『私のからだの物語』発売記念イベント開催決定!

『私のからだの物語』発売を記念して、広島 蔦屋書店にてトークイベントの開催が決定いたしました。

森田敦子さんと、13年以上に渡り介護現場でのケアをコラボレートしていらっしゃる姜(かん)慧(へ)さん(八千代会副理事長)、浜崎忍さん(八千代会看護統括)がゲストに招かれ、女性の一生を通じて知っておきたいからだのこと、健康に生きるためのケア、膣まわりと介護の関係、将来に向けて今からしておきたいことなどをお話しします。

日時

12月15日(金) 19:00~20:00[開場 18:30]

場所

2号館2F SQUARE GALLARY

参加費

参加券  2,200円(税込)
書籍付き参加券  3,300円(税込) ※書籍は当日会場にてお渡し致します。

予約

WEB受付となります。詳細は下記にてご確認ください。
https://store.tsite.jp/hiroshima/event/beauty-health/37334-1321191121.html

 
\好評発売中!/

私のからだの物語
著:森田敦子

潤うからだ
著:森田敦子

自然ぐすり
著:森田敦子

森田敦子(もりたあつこ)
植物療法士/フェムテスト
株式会社サンルイ・インターナッショナル代表

日本における植物療法と性科学の第一人者。  フィトテラピーが日本に根付く20年以上も前に、パリ13大学医薬学部で植物療法を学ぶ。帰国後は植物バイオ研究に関わり、数々の賞を受賞。また、AMPPフランス植物療法普及医学協会認定校「ルボア フィトテラピースクール」の運営に着手するなど、植物療法の普及に努める傍ら、人生100年時代を見据え、産前産後や介護の現場を通じて女性の健康をトータルにサポートする可能性を追求。 2022年、世界45の国と地域で刊行されている仏雑誌「ELLE」にて【100 Women CHANGE MAKERS】(エルが選ぶ世界のチェンジメーカー100)の1人として選出される。 主な著書に『自然ぐすり』『潤うからだ』(ともに小社刊)、『感じるところ』(幻冬舎刊)など。
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