美味い肴とお酒をサクッと嗜む大衆酒場 大井町【大衆酒場こいさご】

美味い肴とお酒をサクッと嗜む大衆酒場 大井町【大衆酒場こいさご】


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月一で通っている行きつけのお店、ハレの日のとっておきのお店、
ちょっとニッチで穴場的なお店……。
食いしん坊のファッションライター・arikoさんがつづる
新しい偏愛レストランガイド。

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安くて美味しい肴とお酒が楽しめる居酒屋や立ち飲み、バールなどが集まる大井町は呑ん兵衛にとってのパラダイス。古くからの飲み屋が密集する駅北側の東小路と反対側の静かな住宅街近くにひっそりと佇むのがこの「大衆酒場こいさご」だ。

白地で店名が染め抜かれた藍色の暖簾が正統派の大衆居酒屋らしい佇まいで、すでに酒呑に愛されている名店の風格を備えているが、実はオープンしてからまだ2年ほどだというから驚かされる。
若い店主は趣味の大衆酒場巡りが高じて、夢だった自分の店を開いたという。ちょっと変わった店名は店主のお父上の故郷から取ったとのこと。大衆酒場ラバーの友人に、近所にいいお店があると教えてもらって、夫や息子と訪れて以来、時々足を運ぶお気に入りのお店に。


暖簾をくぐれば、店内は座り心地の良い低めのコの字型のカウンターが20席ほど。大衆酒場らしく口開けは14時から。お休みの日に日が暮れる少し前に入店して席を確保するのがいつものことだ。
店内はスッキリとしていて、お客の年齢層は幅広く、皆思い思い楽しんでいるのがなんともいい雰囲気。常連が幅を効かせることなく、私のような大衆酒場の素人も自然に溶け込めてとても居心地がいい。


カウンターがいっぱいになれば、窓際の立ち飲みエリアで一杯やりつつ、カウンターが空くのを待つのもよし、そのままスタンディングで楽しむのもいい。壁にずらっと並んだ定番のメニューに加えて、ホワイトボードには四季折々の素材を使ったその日のおすすめも。その数はなんと90種類以上! 新鮮なお刺身に、定番の煮込み、ポテトサラダ、明太子やしらすのふわふわオムレツ、ちくわの磯辺揚げやチキン南蛮などの揚げ物も、端から全部頼んでみたくなるほどどれもこれも魅力的なラインナップだ。


揚げ物は金網付きの小さなスレンレスのバットで供されるのもいい感じ。お酒はこれまた定番の赤星に、キンミヤ、日本酒とバラエティ豊か。お酒はそんなに強くないのだが、レモンハイ片手に美味しいつまみでいい気分。
料理はどれも一人か二人でつまむのにちょうどいい小さなポーションでお財布にも優しい価格設定なので色々楽しめるのが嬉しい。と言っても長居は無粋。


この店では締めの一品がない。美味しい肴とお酒をサクッと嗜んで、締めは2軒目で、というのがお後がよろしいようで。

DATE

大衆酒場こいさご

住所 〒140-0011 東京都品川区東大井6−1−7ニックハイム大井町1F
営業時間
平日 14:00~23:00 (L.O. 22:30)
日曜・祝日 14:00~21:30 (L.O. 21:00)
定休日 水曜・土曜
電話番号 090-6942-8182
Instagram @koisago _ooimachi

*次回は4月12日更新予定です。

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Written by ariko

CLASSY.、VERY、HERSなどの表紙やファッションページを担当する編集ライター。日々の食卓をポストしているInstagramが、センスあふれる美味しそうな写真と食いしん坊の心を掴む料理で話題に。著書に『arikoの食卓』シリーズ、『arikoの黒革の便利帖』(共にワニブックス)、『ありこんだて』(光文社)、 『2品で満足 arikoの家和食』(講談社)など多数。
Instagram:@ariko418

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