『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』

『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』


厳密にいえば、前述した理由から「仕事ができて、小金もある」といい切れる人は著者が思っている以上に少ないはずだと思うのだけれど、とはいえ「恋愛の土俵に上がれていない」女性はたしかに多いので。

著者は、「ファーレンハイト」名義で開設した恋愛ブログ『My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Only』によって一躍人気ブロガーとなった人物。

読んでいると、「基本的にモテるやつなんだろうな」と感じさせる反面、「にしたってチャラすぎねえか?」と感じる部分もあったりします。  結婚についての記述を読んだときには、「まず先に自分が結婚しろや」と感じたりもしてしまったし。

ただし、そうはいっても「この人はこれでいいんだろうな」と思えるのもまた事実。その主張の多くは、チャラいながらも的を射ているものが多く、だから、またに的を外れていたとしても「ま、そういうこともあるよね」と思わせてしまうわけです。

おそらくチャラさは意図的なものだと思うけれど、そういうことも含め、なかなか頭のいい人ではないかと思うわけです。

それに、恋愛のことで本当に深刻に悩んでいる人にとっては、同じ目線で深刻に語られた文章なんてよけいキツいに決まってる。

でも、そこを「上から目線」「断定口調」「チャラスタンス」で攻められたら、逆に気持ちが楽になって、「そうかもねー」と思えるものだって気もするのです。

つまり、ブログが月間20万PVを獲得してしまう理由も、きっとそこにあるのです。

だからこそ、先に触れた「結婚しない女性」たちには、ぜひパラパラとページをめくってみてほしいなと思います。

彼女たちは恋愛に対する恐怖心が少なからずあるのでしょうが、これを読むと「あー、男って、思ってたよりもバカなのねー」ってことがわかるはずだから。で、恐怖心を持つことがバカバカしく感じられるに違いないから。

肩肘張らず、気負わず、小難しく考えず、もっとリラックスして恋愛をしよう。つまり著者がいいたいのは、そんなことなのではないでしょうか。

で、いつもはひとつだけ選んでいる「神フレーズ」を、今回はふたつにしてみました。どちらも、心にとどめておいてほしいことだから。

まず最初が、上記の「思ってたよりもバカ」に触れたコチラです。

ひとことで男の性質を言い表すと、「見栄っ張りの単細胞」である。
(56ページより)

ほんとこれ。間違いない。だから、気負わずにいきましょうってことですよ。そして、その延長線上で誰かと知り合い、そこで「愛」を意識するようになったら、思い出してほしいのが、

自分のことを大事にして、相手の主体性を尊重して、そのうえで自分ごとのように相手の喜怒哀楽を感じさせられるような対象、現象がいわゆる「愛」なんじゃないかと(今の時点では)俺は思っている。
(317ページより)

これも、とても大切なこと。あともうひとつ加えるとしたら、「価値観が合う」ことかな。美しいとか悲しいとか、そういう感覚を共有できること、それもまた大切だと僕は思います。

 

 

『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』

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Written by innami atsushi
innami atsushi

印南 敦史(いんなみ・あつし)/作家・書評家・ライター 1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は、「ライフハッカー[日本版]」「マイナビニュース」 「ニューズウィーク日本版」「Suzie」など多くのメディアで連載。最新刊『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社刊)がベストセラー記録更新中。FMおだわら78.7Mhzで 毎週日曜日20:30~21:00(再放送:金曜22:30~23:00)、ラジオ番組「印南敦史のキキミミ図書館」のパーソナリティも。http://book-radio.net

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