【INTERVIEW】矢田悠祐/ミュージカル『王家の紋章』への意気込みを訊く!

【INTERVIEW】矢田悠祐/ミュージカル『王家の紋章』への意気込みを訊く!


 

8月5日から上演するミュージカル『王家の紋章』。累計発行部数4000万部を誇る人気少女マンガをミュージカル化した本作に、ヒロインに仕える青年・ルカ役で出演する矢田悠祐。歌うことが好きで、今年アーティストデビューも果たした矢田は、初の帝国劇場の舞台にどのように臨むのか? 稽古の真っ只中、矢田に今の心境と作品の魅力について話を伺った。

撮影/浦田大作 文/渡邊美樹

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 ――5月から上演された『THE CIRCUS!』にご出演されてから、今回の『王家の紋章』というのは、凄く違う作品に出演されるなという印象がありました。

 「そうですね、『THE CIRCUS!』は凄くアメリカンコミック的な作品でしたので(笑)」

 ――アクロバティックな動きがあったりして、同じミュージカルではありますが、全く違う作品に出演されるということで、気持ちの切り替えとかはいかがでしたか?

 「気持ちの切り替えは、常に作品が変わる度にあるので、いつも通りという感じです。ただ今回は、初めて帝国劇場の舞台に立つということで、心構えがいつもとは違いますね。帝劇作品に携わるということで、かなり意識しました。初めは、どういった感じで進んで行くのか? って思いましたし。ちょっと身構えてましたけど、でも稽古が始まったらだいぶ落ち着いてきました」

 ――稽古が始まって、今どれくらいですか?

 「僕が参加して、だいたい2週間くらいですね」

 ――稽古をやってみていかがですか?

「僕の演じるルカは、原作とは違う部分から登場するので、どう役作りをして行こうかなと考えているところです。原作だとキャロル(宮澤佐江/新妻聖子)に仕える描写が結構あるんですけど、今回どちらかというとキャロルの元に行くように命じた、イズミル王子(平方元基/宮野真守)への忠誠心が主に描かれています」

 ――では、原作も理解しつつも今回の舞台におけるキャラクター像を作り上げていっているんですね。

 「はい。今回、荻田(浩一)さんが、脚本を書いて下さいました。ルカはクールなヒールという感じですね。メンフィスは明るく朗々とした曲が多いんですけど、イズミル王子のヒッタイト国側は割りとダークめな曲が多いですね。そして、この長編の物語を3時間位の舞台作品にするにあたって、脚本はわかりやすくなっていると思います」

 ――壮大な物語ですからね。今は、歌の稽古をやられているのでしょうか?

 「歌の稽古から始まって振り付けをやって、徐々に演技の稽古が始まるようなところです」 

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 ――今回の作品の雰囲気からして、音楽も壮大なものになるのではと思いますが、いかがでしょう? 

 「音楽を担当されているのがシルヴェスター・リーヴァイさんで、様々な舞台の楽曲を手がけられている方なので、どの曲もとにかくカッコいいですね! 共演の方も皆さん多くのミュージカルに出られている素敵な方ばかりなので、ずっと聞き入ってしまいます。(笑)」

――その共演者のみなさんとは、稽古ではどんなやり取りがあるのでしょうか? 主演の浦井さんはいかがですか?

「すっごい明るい方です。とても接しやすい方で、明るくて優しいお兄ちゃんという感じの方です!」

――中心の方が、そういう明るい方だとほんわかしそうですね。

「はい、稽古場が凄く明るいです」

――今回、Wでキャストで出演される方もいらっしゃいますが、そういう場合は相手の方のお芝居によって、矢田さんの演技も変わったりするのでしょうか?

「僕、Wキャストの方がいる舞台が初めてで、凄く面白いですね。稽古も交互に進んでいくんですけど、その人によって違ったりするので」

――言葉の発し方とか、間のとり方とか、それを受けてご自身の演技も変わりそうですよね。

「そうですね。特に僕は、仕えている王子がふたりいるので…(笑)」

――そうですよね、一番絡むのがイズミル役のおふたりですもんね。今稽古中ですが、楽しみな所とか、手応えみたいなものはありますか?

「とにかく帝国劇場で歌える! というのが楽しみです」

 ――矢田さんは、アーティストデビューもされていますよね。

「全然歌い方が違うんですけどね(笑)」

――矢田さんは、歌うことに対して重きを置いてらっしゃるのでしょうか?

「やっぱり、何が好き? って聞かれたら、歌うことが一番好きって答えるかな…。今回、帝国劇場に来られるお客様に、どういう風に感じてもらえるのか…、不安もありますけど楽しみでもあります」

――矢田さんの活躍を拝見してますと、本当に音楽がお好きなんだなという印象があるのですが、元々、俳優としてデビューされた時から、音楽もやりたいという気持ちはあったのでしょうか?

「元々、歌うことが好きだったので、お芝居をやりながら歌にかかわることが出来たら嬉しいなって思っていました。なので歌う作品に出演させてもらうことは、凄く嬉しいです」

――今回、共演される役者さんは、本当にミュージカル作品で活躍されている方々ばかりですよね。

「そうですね。だから、色々技術を盗もうと思って。こんなに近くで歌が聞けることってなかなかないと思うので」

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 ――今年は、アーティストデビューもされて、今回のような新たな作品にも出演されたりと、新しい経験も多いと思うのですが、今のご自身の実感としては、いかがですか? 

「どうなんでしょうね…、毎作品、必死なので。でも、停滞はしていたくないなとは思うので、徐々に少しずつでも前よりよくなっていければというのはありますけど。やっぱり、帝国劇場に立つことは大きなチャンスだと思っているので、最大限自分の力を出せればなと」

――帝国劇場の舞台に立つということは、ある意味ひとつの指針というか、目標という意味合いもあると思うのですが、今後、こういうことをやりたいとか、こういう作品に出たいなど、常に意識ってされていますか?

「今思っているのは、ミュージカルに出演し続けて行きたいですね。現在上演している『エリザベート』に出演してみたい!という夢もあります!」

――今回の舞台はファンタジー色が強い作品だと思いますが、ご自身とかけ離れているキャラクターを演じられる時は、どういうアプローチで役をつかんでいくのでしょう?

「確かに…(笑)。1回自分の感覚を捨てて、その物語の世界観に馴染むということをしますね。違和感を感じないようにします。この作品だったら、古代って行ったことがないので(笑)。想像します。何より演出の荻田さんは、自分の頭の中に正解像みたいなものがある方なので…」

――では、結構明確に指示をされるんですね。

「そうですね。なので、その話を聞いて、考えて、やってみて…という感じですね。そういう感じで進んでいくんだなって、稽古をやってみて感じました。演出家の方によってやりかたは違うので。凄く面白いなと思いました」

――今回のキャラクターの場合は、具体的にどんなアドバイスを貰いましたか?

「一番言われたのは、『イズミルが大好きなんだよ』って、『イズミルLOVEな人なので』って。だから、基本はイズミルへの忠誠心で動いているっていうことですね。イズミルのためなら、冷酷にもなれるし、絶対の信頼感でその人から指示される事を全てこなすとか…」

――稽古期間中って、人によってはキャラクターによってテンションが変わってしまう人もいると聞きますが、矢田さんはいかがですか?

「僕は、家に帰ったらもう…」

――切り替えるんですね。

「そうですね、そうじゃないと持たないですね僕は。人によって違うと思うんですけど。僕は、家に帰ると役を脱いで自分になりますね」

――切り替えられない人は大変ですよね。

「そのほうがいいって言う人もいると思うんですよ。でも、僕は切り替えたいですね」

――切り替える方法ってあるんですか?

「今 は、家に帰ったら、あんまり役のことは考えないですね。もちろん、やる時もありますけど。別の海外ドラマを見るとか。ひとりで考えていると煮詰まっちゃう ので。家で練習をしたい時は、参考の動画見たりとかはします。でも1回オフにしたほうがいいのかなって思うので」

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――作品が同時並行される時とかありますよね。

「去年は結構ありましたね。今の作品をやりながら次の作品を読んでおかないと、っていうことも。だから、尚更切り替えて行かないとと、思いましたね」

――そういう作品を経験して、自分に適したやり方が見えてきた?

「そうですね。徐々にわかってきたと思います。このまま、ここをこういう風にやっていたらヤバイって(笑)」

 ――そして、プロフィールを拝見して、文化服装学院に通われていたというのが気になりました。

「はい。その時はアパレルの仕事をしたいと思っていたので」

――では、役者になるというのは頭になかった?

「入学した当時は考えてなかったですね。アパレルに進むんだろうなと思ってました」

――では、それからモデルのお仕事をやって、役者のお仕事に…

「高校生の頃から、読者モデルをやっていました」

――読者モデルって、私服ですか?

「僕が出ていた雑誌は私服メインでした」

――変わった経歴を持った方って、なかなかいらっしゃらないですよね。そういう経験を活かして、プロデユースしてみたいとか、そういう気持ちはないんですか?

「今は普段の私服で自分が好きなものを着ているので、今は特に…。でも、出来たら面白そうですよね。自分の表現のひとつとして。『自分の好きな服 の趣味がこれだよ!』っていうのが分かるのがいいなと思ってて、あと、自分が好きなアーティストの服装をinstagramとかで色々見て真似をしたり して楽しんでます」

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 ――矢田さんは、ミュージカル『テニスの王子様』にご出演されたというのは、結構大きい経験だったと思うんですが、その経験が今に活かされるというのはあるのでしょうか?

「だいぶありますね。姿勢とか、振る舞いだとか。当時、凄く難しいなと思ってやっていたんですけど、色々な作品に出る度に『あ、これ、使えるかもしれない』って感じています」

――長い期間ひとつの役をずっと演じるっていうのは、珍しいと思うんですけど。

「『テニミュ』で学んだことは大きいなと思います。テニミュ基準で考えていることもありますし。前回の『THE CIRCUS!』も全然違う役だったので」

――今回はまた、全然違う作品ですね。

今回はかなり壮大な作品ですね、楽しみにしています!

「はい、古代エジプトという誰も知らない世界を具現化するので、その雰囲気を楽しんでいただける作品になっていると思います!リアリティもありますし、SFの要素もありますし、すさまじい世界観を楽しみにしてください! 原作を知らなくても楽しめると思います!」


 ■プロフィール

矢田 悠祐(やた・ゆうすけ)

1990年11月16日生まれ、大阪府出身。2012年に『合唱ブラボー!』で俳優デビュー。同年、ミュージカル『テニスの王子様』7代目青学 不二周助役で人気を博す。主な出演舞台作品に、超歌劇『幕末Rock』『遠ざかるネバーランド』『ドン・ドラキュラ』『幕末太陽傳』、ミュージカル『黒執事』-地に燃えるリコリス2015-、SHOW HOUSE『GEM CLUB(ジェムクラブ)』、ORIGINAL MUSICAL『THE CIRCUS!』など。また5月には、アニメ『SUPER LOVERS』オープニングテーマ曲『おかえり。』(日本コロムビア)をリリース。今後『恋するブロードウェイ♪ 〜It’s festival!〜』(10月14日~16日 恵比寿ザ・ガーデンホール)が控えている。 


 ■作品紹介

ミュージカル『王家の紋章』

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原作:細川智栄子あんど芙~みん
『王家の紋章』(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
脚本・作詞・演出:荻田浩一
作曲・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
出演:浦井健治 宮澤佐江/新妻聖子 宮野真守/平方元基 伊礼彼方 愛加あゆ 出雲綾 矢田悠祐 木暮真一郎 濱田めぐみ 山口祐一郎 他
プレビュー公演 8月3日(水)・4日(木)
8月5日(金)~27日(土)帝国劇場

ミュージカル『王家の紋章』公式サイト