【後編】大人気!あの「食べログ」No.1レビュアー・うどんが主食さん 初のロングインタビュー!

【後編】大人気!あの「食べログ」No.1レビュアー・うどんが主食さん 初のロングインタビュー!


 

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知られざる想いを知る―。
いまいちばん会いたい人に、
いちばん聞きたいことを聞く、
ヒューマンインタビュー。
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文/葛山あかね

 

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―前編はこちら 

 

いい店か否かは、店主の顔や話しぶりで分かる

グルメサイト「食べログ」において、№1フォロワー数を誇るうどんが主食さん。長きにわたる食べ歩き生活のなかで見出した、いい店に共通するポイントがあるという。

「僕が良い店だな、また来たいなぁと思う店に共通しているのは、店主やシェフの顔に、なんていうか美味しいオーラがあるんですよ。何ともいえない幸せな雰囲気を醸し出しているというのかな。

僕にはお気に入りの店がいくつかあって、たとえば鮨と言えば東京・溜池山王にある『鮨 さいとう』福岡・小倉の『天寿し』。食べる幸せを教えてくれた新橋の『京味』もそうだし、ホルモンの常識が変わった東京・鹿浜『スタミナ苑』、ここの焼肉を食べたらもうほかには行けないほどの旨さの東京・本郷『焼肉ジャンボ』など、ほかにも何軒かありますが、僕が敬愛するこうした店すべてに、それは共通しています。

それに、そういうオーラの店主はしゃべり方が優しかったり、対応が親切で丁寧だったりするんです。主人が優しいと店の雰囲気も自ずと良くなるし、スタッフもきびきびと気持ち良く働くようになる。初めて訪れる店でも、そういう雰囲気を感じる店はやっぱり外れることなく美味しいことが多いですね。

反対に、いくら美味しいと評判の店でも客への対応が悪かったり、横柄だったりすると、僕の場合は一発でだめですね。嫌いになる。だって1日1回の大切な食事の時間なのに、嫌な思いをしながら食べたくないっていうか。嫌な思いをしながら食べても決して美味しくはないでしょう。感じの悪い店に入ると僕はすぐに機嫌が悪くなるから、うちの嫁に『怒らないで』ってよく言われます(笑)

でも、美味しいって味わいはもちろんだけど、どれだけ気持ちよく食事ができるかどうかも絶対に大きなポイントだと思います」

自分好みの店を見つける、食べログの上手な使い方

「ふと新しいお店を見つけたとき入ろうかどうしようか迷うことありません? そんなとき僕はやっぱり食べログを活用しています。

ただ、点数を見て善し悪しを判断するだけではなく、誰がその店を「美味しい」と書いているかに着目するんです。好みの合わない人が「旨い」と書いていたら、やめようかなって思ったり(笑)。自分と味や食の好みが似ているレビュワーさんが「美味しい」と書いていたらいいんじゃない、行ってみようと判断する。そういう使い方をしています。

だからまずは食べログを見て、自分と好みの合うレビュワーさんを見つけておくことがおすすめ。自分が美味しいと思う店を同じく美味しいと書いている人を何人か覚えておけば、お店をリサーチするときにとても役に立つはずです。

掲載されている料理写真もいいヒントになりますよ。美味しい店であればこそ「この感動を届けたい」「多くの人に知ってほしい」と思うから、客だって綺麗に写真を撮るし、レビューもきちんと書くでしょう。誰しも美味しそうな写真が載っていれば行ってみよう、と思いますし。だから、そういうレビュワーさんが多いほどいいお店なんだと思います。

ピントがずれたような、いい加減に撮った写真を載せるようなことは、僕自身も避けるようにしています。写真一つで店が判断される場合が往々にしてあるから。僕は、載せるなら綺麗な写真を載せたいからカメラにもこだわるようにしています。

あと食べログって、写真を載せる順番によってトップ画像が変わるんです。トップにきた画像がその店の代表写真になるわけです。だから、それを考えないで掲載すると、たとえば蕎麦屋なのにお新香がトップ画像になってしまったりする。載せる順番を考えて載せてあげれば、行ってみようかなって思う人が100人のうち1人くらいはいるかもなって思って、そこにも気をつかっています」 

 

もし「この店ハズレだ」「失敗したな」と思ったら……

とはいえ、入る店すべてがアタリなわけではない。ときには店選びに失敗することもあるという。

 

「もし、これはハズレだな……と感じたとき、すぐに帰れるものなら帰りますが、たとえば鮨屋でそれは難しい。その場合、僕がよくやるのは鮨3貫くらいを食べて店主と話をして、30分くらいでおいとまします。

失敗したと思ったら長居はせずに店を出て、そのあとに必ず口直し(笑)。お気に入りの居酒屋なり、ラーメン屋で食べて帰るようにしています。こういうケース、けっこうあるんですよ」

 

食べることは僕の人生です。バカみたいな答えだけど(笑)

毎日のように美味しい物を食べ歩く生活を何年間も続けるうどんが主食さんだが、体調を崩したりはしないのだろうか。

「僕、こう見えても健康なんです。肝臓も腎臓もどこも悪くないし、数値も正常。おそらくこれって年に何回か絶食期間を設けているからだと思います」

 

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実は、取材当日は「絶食7日目」と言ううどんが主食さん。この期間は食事の予定を入れないように気をつけ、口にするのはミネラルウォーターのみだとか。

「絶食をするようになったのは2年前くらいから。友達がやっていて快調そうだったので、僕も一度やってみようかな、と。そうしたらこれが確かに良いんです。絶食をすると疲れていた胃を休めることができるし、腎臓や膵臓といった内臓系もリセットされる。その効果は数値にすべて表れますよ。体重も落ちるから体も軽くなるし、頭もすっきりとしてくるんです。

そろそろ今日あたりから最終段階。オレンジを搾った生のジュースを飲んで、次に季節の野菜を煮込んだスープを食べる。じょじょに、日常生活に戻っていく感じです。

こうした努力をするのも、いつまでも旨いものを食べて生きていきたいから。食べることは僕の人生です。バカ丸出しの言葉だけど(笑)、No.1レビュワーとか言われているけど、僕はただお腹がすいたら美味しいものを食べたいだけ。ただ、それだけなんです」

 

うどんが主食さんオススメ part2

夜に肩肘貼らずに気軽に食事ができる店ベスト3

1位 「トラットリア シチリアーナ ドンチッチョ」(東京・渋谷)

tonchoccho

本格的なシチリア料理。何を食べても美味しくて、雰囲気も最高。
シチリアに旅したような気分になれる店。とにかく今のお気に入り。
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13026215/

 

2位 「鳥長」(東京・練馬)

torinagahp

滋賀県産の淡海地鶏を使い、素材の持ち味を最大限生かした鳥料理が楽しめる。
炭火で焼いた焼き鳥はもちろん、「生つくね」「胸肉のたたき」もおすすめ。
https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132102/13058892/

 

3位 「Ata」(東京・代官山)

atahp

フレンチが苦手なうどんが主食さんが「ここは!」と絶賛のビストロ。
魚介中心で、なかでもプリップリのオマール海老は必食すべし。
https://tabelog.com/tokyo/A1303/A130303/13150975/

 

【PROFILE】
うどんが主食(うどんがしゅしょく)
2008年頃から食べログにてレビューを書き始める。
その的確な文章とクオリティーの高い写真が話題となり、現在、NO.1のフォロワー数を誇る。
年間600軒以上の飲食店を食べ歩き、その評価は各界の著名人からも信頼が厚い。
最近ではTV、ラジオ、WEBなどメディアへも出演し、活動の幅を広げている。