君の野菜を干したい。
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これは、いろんなものを手放し、身も心も身軽になったミニマリストが、「やりたいこと」に挑戦していくお話。
死が怖いのは、「やりたいことは、すべてやった」と言えないからではないのか?
いざ、心の思うままに。
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女神の前髪を掴め!!
アフロでおなじみ、元新聞記者の稲垣えみ子さん。稲垣さんは、震災以降に電化製品を次々に手放し、今では冷蔵庫も洗濯機も掃除機もない生活! 電気代は月150円代だとか!!
末は憧れのオフグリッド!!
「電気? 俺の人生には必要ないものだったね」
なんていつか言いたい。
稲垣さんの新刊「寂しい生活」を読み影響を受けまくり、そこで紹介されていた「干し野菜」を作るために、干しざるを買いにホームセンターへと走る!
第一印象は
「デカイし、作り悪いし、なんか嫌だな」
と思ったものの、頭を振りかぶっていざ購入。
あとで稲垣さんに聞いたら、
「なくても作れますよ~」
とのこと。いらないチラシとかをくちゃくちゃにして置くでいいんだってさ。
なるほど早計であったか。いきなりモノに頼ってしまうとは、ミニマリストの不覚、ここ極まれリ。
しかし、まず行動をとった自分を褒めよう。
「幸運の女神には前髪しかない」んやで!!(←最近覚えた言葉)。
ワカメちゃんかよ、運命の女神。
稲垣さん曰く、干し野菜は「太陽が半分調理してくれるようなもの」という。
なんて素敵なの。栄養価もアップするらしいし。
ちなみに太陽から地球に到達するエネルギーは、人類が消費するエネルギー量の1万倍なんですって、偉大すぎるよ太陽。
さっそく、野菜をいそいそと切って並べる!
干しざるの形状からなんか「常に軒先に王蟲がいる感じ」がする。
えのき課長
でも生活しながら、ついちらちら干しざるを見ちゃう、気になっちゃう。
食べものが身近で熟成されていく感じというのは、特別なワクワク感があるものです。
まだ夏の暑い日。じりじりと太陽が野菜を照らし、数時間でで干し野菜らしい感じに。
特にえのき!! アンタは、影響受~け~す~ぎ~(←オネエのノリで)
念のためにもう1日干してみる。
オクラはもう、ラピュタを守るロボット兵みたいになっとるがな。
えのきに至っては、
「勤続40年、お疲れさまでした」という
花束を受け取りそうな燃え尽きた様子。
なんとなく、干し野菜
そしてやりたかった「インスタント味噌汁」
干し野菜からはダシがでるので、お湯と味噌をちょいちょいと入れるだけで完成するという。
いい感じ。具も簡単に多くできるし。
いざ試食。うん? 茄子がパサつき過ぎてるかな。乾燥しやすいものだと、もっとちゃんと熱を通したほうがいいのかも。
しかし便利な干し野菜。
カップラーメンに入れると、一気に豪華に、野菜が取れる!
カップラーメンの「罪悪感」を干し野菜の「ていねいな生活感」が埋めるというアンビバレントな感じに!!
「うちの冷蔵庫にはなんにもない。」と思ったときもパッとまぜて焼きそばができたり。
干し欲の暴走
干し欲は増し、稲垣さんが「いちばんびっくりした」というもやしを干してみると、
before
after
そのまま食べると、干し草をもしゃもしゃする牛になった気分になれるよ!
いちばん気に入ったのは、プチトマト。ようするにドライトマトができます。
干している途中でもつぎつぎに被害(自分のつまみぐい)にあうので、完成にこぎつけられたのはこれだけ。
これは……ゥンまああ~い!!
甘味が凝縮されつつも、トマトのよさである酸味がしっかりと残っている。
お酒やめてて本当によかった。
こんなモンスターおつまみを作ってたら、白ワインとの永久運動がはじまるとこだったわ!!
あるとき思いついた。「プチトマトでこんなに美味しいなら、フルーツトマトならどうなってしまうんだ?」と。
もはや気分はマッド・サイエンティストだった。自分の作った高性能ロボットに惚れ込み、意志まで与えてしまう博士。それは崩壊の始まりだったというのに……。
欲望と好奇心に抗えず、禁断の「フルーツトマト」を干す。
アダムとイブが食べたのは、フルーツトマトだったのではないか?
すでに理性が吹き飛んでいる俺の妄想は止まらない。
結果。
確かにうまい!
でもな節子、これただのドライフルーツや。
【干し野菜のコツ】
干しざるがなくても作れる
もやしは藁みたいになるよ
甘さを凝縮するのは、ほどほどに