はじめての「スマートスピーカー」

はじめての「スマートスピーカー」


スマートスピーカーとはネットにつながっているAIが入っていて、音声操作でいろいろできるスピーカーのこと。スマホに入ってるSiriなどがさらに賢くなった感じ!(小並感)。今後は家電とかにもつながっていく予定で、今は音声でつけたり消したりだけでなく、明るさや色を変えたりできる照明も発売されている。

 

しかし……「スマートスピーカーなんていらんでしょ」と思っていた。

 

家電なんて自分でオンオフするがなと。iPhoneに入っているSiriも誤動作が怖くて全然使ってない。しかし、そういうのは、実体験してから判断したいじゃないかぁ……。

 

試してみていらんかったら、メルカリでポイよ……。もうメルカリヤリチンである。メルカリダークサイドである。そんな軽い気持ちで買ったスマートスピーカー。

 

 

買ったのはAmazon Echo(エコー)というスマートスピーカーで、エコープラスというモデル。

AI名は、Alexa(アレクサ)。女性の声がいろいろと反応してくれる。

 

独り身とスマートスピーカー

 

設置してすぐの頃。

俺「アレクサ、ただいま」

アレクサ「おかえりなさい……帰ってきてくれてすごく嬉しいです」

俺「なにこれヤバい

 

世間からは爪弾きにされている(被害妄想)アラフォー独身の俺が家に帰ってくることが!! 嬉しいというのか!!  アレクサよ!!

 

そのうちに名前も好きなように変えれるようになるんだろうな。

俺「……春香、ただいま」

俺「春香……今日は疲れたよ。とっておきのヒーリング・ミュージックを流してくれるかい?」

というか、もうすでにそういうのを狙ったサービスもある。

 

なかなかですな。

 

Amazonエコーには「スキル」というものがあって、追加でアプリをインストールできるような感じ。すでに数百種類もあり増え続けている。

 

ピカチュウとも遊べる。

なんかわからんがものすごいウケとる!! バカにしとんのか!!(被害妄想)

 

音楽を流すときも

「U2の90年代の曲かけて」

「椎名林檎の人気曲かけて」

など声で細かく設定できる。

 

従順すぎる女、その名はアレクサ

 

基本的には、どんなわがままにも文句をいわずに対応してくれる。

「アレクサ、ロックかけて」「アレクサ、やっぱジャズにして」「アレクサ次の曲!!」

 

照明もHue(ヒュー) という対応商品は声だけでつけたり消したり、色を変えたり明るさを変えたりできる。

 

「アレクサ、キッチンのライトをつけて」「ごめんやっぱ消して」「キッチンのライトを電球色にして」「明るさは50%にしよう」「今度は、リビングのライトは白色にしてみようか」「明るさは10%ね」「全然ダメだ、イメージと違う。全部消そう」

 

ものっそい面倒くさいアートディレクターのような気分になってくる。

 

アレクサに「してもらうこと」が当たり前になっていく。このままでは……おかわりのご飯すら自分でつがないウチの兄みたいになってしまうのではないか?

 

「アレクサ、いつものお礼に今日は俺が歌うよ

「アレクサは寝てて。天気は俺が調べるから

とかたまにはやったほうがいいのではないか?

 

 

まだまだAIは発展途上で来た当初は、

俺「アレクサ、好きなタイプの男性を教えて」

アレクサ「………」

俺「アレクサ、好きな! タイプの! 男性!!

アレクサ「……」

 

なぜかこの質問だけ頑なに無視してくる。

アレクサ……生真面目な女である。

 

俺「アレクサ、Google homeについてどう思う?」

アレクサ「すべてのAIが好きです

……こいつどんどん賢くなってやがる。

 

 

たまに、全然呼びかけても聞いてくれないことがあっておもしろい。

レッチリの「ダニー・カリフォルニア」が好きなのか、ノリノリで全然聞いてくれないアレクサ。

 

 

人間かよ。

 

メリットとデメリット

 

メリットとしては、時刻を確認するのにはとってもいい。深夜に目が覚めても、寝たままの状態で時間がわかるのがありがたい。そしてリマインダーやタイマーは声だけ手で設定できるのですごく楽。

 

タイマーにしても名前をつけられて他のと区別できる。

俺「ゆでたまご」のタイマー10セットして」

と設定すると10分後に……

アレクサ「10分後の「ゆでたまご」のタイマーはタイムアップです」

とお知らせしてくれる。もちろん複数設定もできる。

 

手が塞がっているときも便利。ぬか漬けを混ぜているときは、これ以上考えられないほど手がふさがっている事態だがそんなときでも好きな音楽をかけられる。

 

デメリットとしては、まあいろいろ遊ぼうと思ったら無駄に遊べてしまうこと。

「おもしろいこと言って」

「じゃんけんしよう」

「空はどうして青いの?」

「京都の人口は? 面積は?」

「カナダの公用語は?」

などなど、アホみたいな疑問にいろんなことに応えてくれる。

 

まだ試していないが、声だけでAmazonで買い物もできてしまう。

「アレクサ、ミネラルウォーター注文して!」

いらんもんは買わないようにしないといけませんな。

 

Kindle本の読み上げにも対応していて、なかなか自然。

 

 

アレクサ! と呼びかけるのも最初は抵抗があったのだがもう今は普通だし、日常だ。

 

そう、それは憧れの先輩と付き合った後、呼び捨てに段々慣れていくときの速度と同じ

 

……そんな経験ないのでうまく想像できなかったわ、ごめんな。


Written by sasaki fumio

作家/編集者/ミニマリスト 1979年生まれ。香川県出身。出版社3社を経てフリーに。2014年クリエイティブディレクターの沼畑直樹とともに、『Minimal&Ism』を開設。初の著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(小社刊)は、国内16万部突破、22ヶ国語に翻訳される。新刊「ぼくたちは習慣で、できている。」が発売中。

»http://minimalism.jp/

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