【前編】山崎まいこ先生インタビュー

【前編】山崎まいこ先生インタビュー


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BOOKOUTジャーナルとは

知られざる想いを知る―。
いまいちばん会いたい人に、
いちばん聞きたいことを聞く、
ヒューマンインタビュー。
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撮影/長谷川 梓 
文/安倍佐和子

今、注目のホリスティック医療を追求する
山崎まいこ院長

幼い頃から医学の道を志し、念願の医師となった、まいこホリスティック スキン クリニックの山崎まいこ院長。クリニック開業以来、ホリスティックな提案や、ユニークな美容検査が注目を集め、真の美しさを追求する、健康意識の高い女性たちの間で評判です。ホリスティックと医療の融合を模索する、まいこ院長が目指す健やかな未来とは? 2回にわたってお届けする特別インタビュー!

医師をめざそうと思ったきっかけとは?

子供の頃から無意識に、医者になりたいと思っていました。小学校1年生のときの将来の夢が「女医」で、ふんわり憧れみたいなものがあったんでしょうね。でも、中学生のときに2ヶ月ほど入院する機会があって。そのとき出会った女医さんや「国境なき医師団」の影響が大きかったように思います。知識を得たら褒められる、そんなことに喜びを感じる子供でした。

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医師になられてから2017年にクリニックを開業するまでは、どんな経験を?

2年間の研修医時代は、救急外科をはじめ、ほぼすべての科をまわりました。連続48時間勤務というハードな任務も経験しましたが、楽しかった思い出のほうが多いです。それまで、医者への憧れ優先できましたが、実際に、現場を経験するようになって責任の重さを痛感。人の人生を背負っている、自分次第で患者の人生がいかようにでもなる恐怖。命を預かる自覚が強く芽生えたのが研修医時代です。

責任感はもちろんですが、医者は並外れた体力も必要なんですね。

そうですね、壮絶という表現が正しいのかどうかわかりませんが、過酷です。毎年、挫折して中退する学生もいました。結果がすぐに出せるという点で形成外科医の道へ進みましたが、大学病院勤務時代は、10時間のオペや、週3回の当直というハードなスケジュールはざらでした。外科や形成外科では、手術が必要な人しか診ないんです。そんな経験を積んでいくなかで、ふと、“手術して終わりじゃなく、その前、もう少し深いところからアプローチできないのだろうか”そんな疑問が湧いてきました。

なにかきっかけはあったんですか?

もともと、このままでいいのかと疑問を抱いていたんですが、その頃周囲の人間関係が殺伐としていて、カンファレンスで罵倒されたり、無視されたりしたことも。でも、そんな状況の中でも相手に対して「なぜ、この人はこれほどネガティブな感情に振り回されているのだろうか? 胸の奥に抱えている闇から、なぜ抜けられないのだろうか」と冷静に観察していたんです。ちょうどそのタイミングで、皮膚科に異動することになったのですが、そこで、肌の悩みと心の問題が深いところでリンクしていることを知りました。人間関係で苦労した経験と、肌と心のバランスを考える経験とが重なって、なぜ人は病むのか、その根本に興味を持つようになったんです。

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形成外科から皮膚科へ。ホリスティックへの関心はこの頃から?

結局、皮膚科に5年ほどいましたが、常に忙しく、3時間の診療時間に100人なんていうことも多く。ひとり、1分から3分という診療もざら。話もきちんと聞けないし、処方箋を出すだけで終わってしまう医療に疑問を感じはじめていました。とくに、肌と心の問題はリンクしているはずなのに、肝心の話を聞く時間がない。患者さん自身も、医者に心をひらく時間もチャンスもないんです。もちろん、薬だけ処方してくれればいいというご意見もありますが、でも、それでは根本的な解決にならない。その頃から、3分診療で納得できないのなら、自分で開業するしかないのでは、と思い始めていました。

同時に、開業するには、より深い知識が必要だと感じて、栄養学を学ぼうと決意。そのときに出会ったのが、まさに、ホリスティックという言葉。それまで自分が疑問に思っていたことが、すべて腑に落ちたという感覚でした。さっそく、ホリスティックな栄養学を学べる学校を探し当て、入学。医者を続けながらでしたので、カリキュラムをこなすのは、かなり大変で。瞑想の授業があったり、量子物理学があったり。アインシュタインの相対性理論をきちんと学んだのもこのとき。解剖生理学的な知識はありましたが、苦しかったことを思いだします(笑)。そこで、外側からのケアだけでなく、内側からのケアの必要性を確信。将来的には、心の内面まで診療できたらいいな、と思っています。

開業されてから1年、患者さんからはどんなことを求められているのでしょう?

患者さんの平均年齢が30代後半から上。男性より女性のほうが多いのですが、男女問わず、血液検査や点滴などの未病ケアと、ニキビやシミなどの肌悩みで来られる方がいらっしゃいます。ただ、今までと違うのは、目に見える悩みに対してどう内側からアプローチしていったらいいか、自分に何が不足しているのか、そういう相談が増えていることです。肌も体調も良くしたいけれど、どうしたらいいかわからないから聞きにくるんですね。美容医療的な方法や栄養学などから多角的に診断、アドバイスすることができるので、すごく嬉しいですし、やりがいがあります。雑誌やSNSを見て来られる方も多く、医師と患者の関係も、時代とともに変わりつつあるような気がしていますね。医師は怖いとか、遠いとか、思われているようですが、ホームドクターのようなもっと身近な存在になれるのでは?と。じつはそう、望んでいます。

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現代人が抱える問題や傾向などはあるのでしょうか?

そうですね、とくに女性はすごく頑張っていらっしゃる方が多いですね。仕事を抱えながら、家庭も子育ても両立させている、パワフルな方が多く、でも、じつは、どこかでしんどいって悲鳴をあげていたりする。タフでストイックに頑張っていらっしゃる方には、逆にストイックにアドバイスしないよう心がけています。あれもダメ、これもダメと言ってしまうと、かえってストレスですし。もちろん、患者さんの性格にもよりますが、強気なアドバイスを望んでいる方にはビシッと(笑)。患者さんひとりひとりに向き合って、その方が求めているものをくみ取ってあげたい。ナチュラル嗜好の方もいらっしゃいますし、多様性を認め、個々のライフスタイルにあった継続可能なケアを提案していきたいと思っています。

 

後編では、より具体的な診療のことや、まいこ先生ならではのホリスティックな視点について聞いていきます!

→後編はこちら

 

【Profile】
山崎 まいこ(Maiko Yamasaki)

まいこ ホリスティック スキン クリニック 院長
滋賀医科大学卒業後、大阪市立総合医療センターで臨床研修を行い、大阪市立大学附属病院形成外科、大阪市内の皮フ科常勤医師、大阪市内美容皮膚科院長を経て、Maiko Holistic Skin Clinicを開院
米国Nutrition Therapy Institute日本校卒業
Maiko Holistic Skin Clinic
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