【後編】子ども人気No.1芸人!擬音絵本『ぱちょ〜ん』を出版した小島よしおさんにインタビュー!
2007年「そんなの関係ねぇ!」や「おっぱっぴー」の持ちネタで大人気となった小島よしおさん。
ブーメランパンツ一丁、筋肉質な体で繰り広げる全力のネタは色褪せることなく、現在は当時を知らない子どもたちの心もわしづかみにしています。子ども向けライブにも力を入れており、毎回、元気いっぱいの子どもたちとのコール&レスポンスで大盛り上がり。
そんな小島さんが初めて手がけた絵本『ぱちょ~ん』は、朝起きてから出かけるまでが楽しくなる擬音がいっぱいの一冊。小島さんがこの絵本に込めた想いはどんなものなのか、子どもの心をつかむ秘訣、笑いとともに届けたいメッセージなどを伺いました!(→前編はこちら)
子ども向けライブをたくさん開催されていますが、子どもの心をつかむ秘訣って何ですか?
恥ずかしがらずに全力でっていうのが一番大事です。あとは裸ってことですね。裸も本当にすぐに心をつかめるんで。
確かに、わかりやすくインパクトのあるお姿です(笑)。キッズコーディネーショントレーナーやキッズカーディオ&ウェイトトレーナーの資格を取得されていますが、役立っていることはありますか?
キッズコーディネーショントレーナーは運動能力を伸ばすトレーナーの資格で、キッズカーディオ&ウェイトトレーナーはどちらかというと有酸素運動と筋トレのトレーナーの資格で、実際にネタにも活かされています。たとえば、“スーパーほいほいよしおじゃんけん”っていう、グーを出したら“そんなの関係ねぇ!”、チョキを出したら“ウェーイ”を子どもと一緒にやるというネタがあるのですが、ライブでもすごく盛り上がります。一方的に自分のネタをやるより、体を動かす参加型にすると子どもは楽しんでくれますね。
先日は、仙台で“おっぱっぴーレクリエーション”っていう運動会のようなイベントを開催したんです。運動が苦手な子どもも楽しく体を動かせるようなイベントをこれからもやっていきたいと思っています。
ライブやイベントなどの活動を通して、子どもに伝えたいことって何ですか?
自分のやりたいことをどんどん口に出していこうとか、人のせいにしないようにということは伝えたいです。今年のライブでは、人のせいにしないっていうのをギャグにして、“グレイテストカンチョーマン”というミュージカルをやりました。相手のせいにしている自分の頭にカンチョーをするという内容なのですが、笑いだけじゃなくて、自分のネタを楽しんでくれる子どもたちにメッセージを伝えられるようにというのはいつも考えています。
大人にとっても教えられることがありそうですね。親御さんたちからは何か反応をもらうことはありますか?
ありますね。僕のライブでは野菜を食べようっていうメッセージもよく伝えているんですが、それで“うちの子が野菜を食べるようになりました”って言われます。実際、効果があるんですよ! これは番組のロケだったんですけど、幼稚園でピーマン嫌いの子を30人くらい教室に集めて、そこで僕が“ピーマンのうた”を歌ったら、そのあとピーマンを食べるのかっていう検証をしたんです。ディレクターの予想は、そうは言っても食べないだろうということで、台本上は食べませんでした、っていうオチになっていたんです。でも結果は、ほとんどの子どもがピーマンを食べたんです!
それはすごいですね! 小島さんのメッセージがしっかり届いているんですね。
けっこう食わず嫌いで野菜を食べないパターンも多いんですよね。それなら、僕の歌で食べるきっかけをつくることはできるかなと思います。
今後、子どもたちに向けてどんな活動をしていきたいですか?
今までやってきた活動を大きくしていきたいですね。あとは、こうやって絵本をつくらせてもらったので、絵本の読み聞かせライブみたいなものもやっていきたいと思っています。それから、中高生に向けて講演会もやりたいです。
講演会ではどんなことを伝えたいんですか?
ちょうど中高生って、将来のことに悩みがちな時期だと思うんですけど、そういう子どもたちに対して、夢についての話をしたいんです。夢を持ってもどうせ叶わないみたいな風潮がありますけど、そんなことはないってこと、口に出していくことで夢は叶うんだよってことを伝えたいですね。
それは小島さん自身の経験がもとになったお話ですか?
そうですね。自分はどっちかって言うと、無理だって言われたことを今まで実現してきているんです。大学も早稲田大学なんて無理だって言われていましたし、芸人になるって言ったときも、ピン芸人になるって言ったときも、結婚も無理だって言われて……。それを達成してきているのですが、それは僕に才能があるんじゃなくて、夢を口に出して、本や先輩から教わったことを実践したからできたことなので、誰でもできると思っているんです。そんなことを伝える講演会にしたいです。
年齢を超えて愛される小島さんだからこその活動ですね。親子2世代でファンという方も多いのでは?
そうなんです。お母さんが10年前に見ていたネタを、今子どもが見ているという。ゆくゆくは3世代に見てもらえるようにがんばっていきたいです。今の子たちが大きくなるまであと20年くらいですかね。僕は60歳くらいになっているので、還暦だから赤いパンツをはいて“そんなの関係ねぇ!”ってやっているかもしれないですね(笑)。
文/明道聡子
絶賛発売中!
『ぱちょ~ん』
さく:小島よしお /え:さかしたイラストレーター