頭のなか、“不安”でいっぱいになっていない? さっそく今晩から取り入れたい、あなたの心を守る「禅」の処方箋


ただでさえ不安な世の中にもかかわらず、外出自粛によって、せっかくの楽しみすら奪われる日々……。テレビをつければ暗いニュースばかりで、あまりの閉塞感に、気がつけばため息ばかり出ている人も多いのでは?

なかには不安が募って眠れなくなったりと、心の不調を抱えている人もいるかもしれません。
おそらく、いま、不安をまったく感じないという人はいないはず。とはいえ、安直にアルコールに頼ったり、次々に更新される情報をスマホで追い続けることは得策ではありません。

そんな「不安」を抱えるあなたにおすすめしたいのが、「禅」という処方箋です。いま、“世界同時瞑想”が行われるなど、マインドフルネスな「禅」が見直されつつあることを、ご存知でしょうか?

禅というと、厳しい修行やストイックな生き方を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実は、そんなことはありません。『一日一禅!今日からはじめる ゆる〜い禅』(小社刊)は、今日からでも始められる、生活のあらゆる場面で活かすことができる「ゆる〜い禅」の入門書です。

ここでは、その「ゆる〜い禅」を取り入れた、心を落ち着ける夜の過ごし方についてご紹介していきましょう!

9時以降は「情報デトックス」!

先述したとおり、不安が募るあまりに、寝る直前まで永遠にスマホで新しい情報を追い続けることが習慣になっている人もいることでしょう。しかし、本来、夜は休息という意味合いもあり、静かに心地よく過ごすべき時間。

そんな静かな夜を妨げる“元凶”こそが、情報なのです。絶えず不安な情報が入ってくると、刺激を受けて心は平静ではいられなくなります。寝る直前まで「今日の感染者数は……」などといったネガティヴな情報を頭に入れているようでは、自ら心の不調を呼び込んでいるようなもの!

そこで必要なのが、情報のデトックスです。一日中スマホを見るな、とは言いません。まずは時間を設定して、スマホ、パソコン、テレビなどを「オフ」にするようにしてください。たとえば、9時になったら、すべて「オフ」。もし、心があまりにつらい、疲れている感覚があるようなら、一日中「オフ」にしてしまうのもおすすめ。

最初は違和感があるかもしれませんが、次第にその心地よさに気づいていくことでしょう。それは、心の大そうじ、心の洗濯のひととき、といってもいいかもしれません。

寝る前に「小さな幸せ」を感じてみる!

情報の「オフ」をしたら、次に、就寝前の「30分」にフォーカスしてみましょう。なぜなら、安らかな眠りに入っていけるかどうかは、この就寝前「30分」にかかっているからです!

まずは、自分が「一番心地よい」と感じるのはどんなときか、じっくり考えてみてください。好きな香りを嗅いでいるとき、美しい写真集を眺めているとき、好きなアイドルの歌を聴いているとき……。心地よさは、人それぞれでしょう。そして、それらをセレクトしたら、就寝前の「30分」、そのことを集中してやり続けてみてください。

心地よいことをしているのですから、世の中の不安や仕事、煩わしい人間関係などに考えがとらわれることはありません。身体も心もリラックスして、いわゆる「入眠儀式」としてふさわしいものになるはずです。

ただし、いくらロックが好きだからといって、アップテンポの激しい音楽を聴いたり、先が気になるミステリーなどの本は避けてください。興奮して「30分」どころではやめられず、まんじりともせずに朝を迎えることも! それでは逆効果になってしまいますよ。

 

さあ、さっそく今夜から、「情報デトックス」と「小さな幸せ」を毎日のルーティンに加えてみませんか?
「禅」といえば「坐禅」。坐禅も寝る前の「入眠儀式」としておすすめのアクションのひとつ。「禅」の修行道場では、就寝前に必ず坐禅(夜坐)をするほどです。

ここでは、家でイスに座りながら簡単にできる「いす座禅」をご紹介します。

一日一禅!今日からはじめる ゆる〜い禅』では、座禅会などで組む「正式な座禅方法」のやり方も、くわしく紹介しています。ぜひ、日々の習慣に加えてみてくださいね。

先の見えない不安から心を解き放つために。どんなことが起きても、心だけは常に穏やかでいるために……。ぜひ、今晩から「禅」を意識してみませんか?

 

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一日一禅!今日からはじめる ゆる〜い禅
枡野 俊明 (著)

枡野俊明
1953年、神奈川県生まれ。曹洞宗徳雄山建功寺18世住職、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授。大学卒業後、曹洞宗大本山總持寺で修行。「禅の庭」の創作活動をおこない、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣新人賞、ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章などを受賞。2006年、『ニューズウィーク』日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出される。著書は『禅シンプル生活のすすめ』、『心配事の9割は起こらない』(ともに三笠書房)、『怒らニャい禅語』(河出書房新社)、『傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考』(文響社)など多数。