「Q.いつかキングコブラを飼育してほしい」→「A.コブラとコアラは一文字違いですが、えらい違いです。私はやっぱりコアラがいいです」。
「Q.ネコとパパはどっちがえらいの？」→「A.（それを私に言わせるなんてあまりにも酷です）ネコです」――（笑）。

飼育員さんと訪れるお客さんの、ちょっぴりユニークなやりとりがSNSでバズったのは、兵庫県南あわじ市「淡路ファームパーク・イングランドの丘」に設けられた“生き物に関する質問回答コーナー”。あらゆる生き物の質問に“きちんと”答えた『飼育員さんのすごいこたえ』は、1年前に書籍化されるやいなやTVでも取り上げられ、大反響を呼びました。

ここでは「淡路ファームパーク・イングランドの丘」飼育員・後藤さんに、本の反響や新たな珍回答（！？）、イチオシの動物などについて、前回の特別インタビューに続き、ふたたびお話を伺います♪

 

「夫とラクダの区別がつきません」……その答えは？

――書籍『飼育員さんのすごいこたえ』が発売されて１年ほど経ちました。反響などいかがでしたか？

後藤：おかげさまでテレビ等メディアでもご紹介いただける機会もたくさんいただいて、園に掲示している質問回答コーナー（書籍のもとになった展示）を見てくださるお客様も増えた気がします。
園の売店でも『飼育員さんのすごいこたえ』を販売させていただいているのですが、たくさんのお客様に手に取っていただいております。プライベートでも大型の書店に行った際はつい本棚を確認してしまいますね。

――書籍発売以降に集まった、新しい“すごい”質問＆回答を教えてください。

なんで、こあらはしっぽがないの？

これって大人はけっこう見落としがちな疑問なんです。しっぽってなんのためにあるんだろう？しっぽがある他の動物はどのように使っているんだろう？　と新たな疑問が生まれては知るのが楽しくなってくる。動物園はいつまでもそういう場であり続けたいです。

かぶとむしはなんてなきますか？

カブトムシをよく観察していないとぜったい気づかないことだし、ずっと疑問を抱いていたことに心が動かされました。

夫とラクダの区別がつきません。

これに関してはネタなんですが、補足としてちゃんとラクダの生態を書き加えることで、読んでくださった方に何か知識として残れば嬉しいなと思って書きました。

 

世界ギネスにも輝いた、コアラのみどりは25歳！

――いま、飼育員さんイチ推しの動物をお教えいただけますか？

後藤： コアラのみどり（メス）が昨年24歳になった際に「史上最高齢の飼育されたコアラ」と「存命中の最高齢の飼育されたコアラ」の２つで世界ギネス記録®に認定されました。さらに今年2月には無事25歳の誕生日を迎えることができ、自身が持つ2つの世界記録を更新することができました。
昨年から人工保育で育てているヒツジのひまりもSNSで大人気です。東北の方から淡路島まで会いに来てくださったファンの方もいらっしゃいます。

――今後、淡路ファームパークにて予定されているイベント（夏休みなど）があれば、教えてください！

後藤：ここ2年程はソーシャルディスタンスを意識したイベントになりがちで、だからこそ注目された質問回答コーナーでもあるのですが、そろそろお客様からの生き物に関する疑問や質問に直接対面で回答できるようなイベントがしたいとも考えています。

――SNSでの素敵な写真をみて、「来園したい！」と思っている方が多いと思います。今後来園される方には、園のどんなところを見てほしいですか？

後藤：動物園としての規模は小さいですが、そのぶん、動物たち1頭1頭としっかり向き合うことを大事にして発信しています。なので「ヒツジってよく見るとみんな顔が違うんだね。知らなかった」「このコアラは目の下にほくろのような模様があるね」など、気づきや感想をいただけると嬉しいですね。ぜひご来園いただいた際には1頭1頭の個性を見て楽しんでいただきたいです。

 

動物の生態に関する確かな知識と、プロ顔負けのイラストで多くのファンの心をわしづかみにした『飼育員さんのすごいこたえ』。発売から1年が経った今、飼育員さんの人気と「すごいこたえ」は、さらにバージョンアップしているようです！　
この夏、『飼育員さんのすごいこたえ』を片手に、「淡路ファームパーク・イングランドの丘」を訪れてみませんか――？

写真／淡路ファームパーク イングランドの丘
文／国実マヤコ

＼好評発売中！／
『飼育員さんのすごいこたえ』
著：淡路ファームパーク イングランドの丘