【読書の秋】BTS、EXO、TWICE、Stray Kidsも読んだ! ちょっぴり前向きになれる、人気の“韓国エッセイ”おすすめ3選


優しい言葉や文章、ほっこりとかわいらしいイラストで、癒しを求める私たちのツボに刺さりまくりの韓国エッセイ。今や、韓国ドラマやK-POPを選び楽しむようにバリエーションが豊富で、何から読めばいいのか、迷ってしまうほど!

さらに、BTS、EXO、TWICE、Stray Kidsなどの人気K-POPアイドルが愛読書として紹介したり、配信コンテンツで朗読したりと、注目度が高まっています。ファンとしても、推しを“形作るもの“にちょっぴり興味が湧いてくるのではないでしょうか?

そこで、少しずつ寒くなってきた読書の秋~冬におすすめしたい、韓国発エッセイを厳選してご紹介。あなたを癒し、元気づける文章に触れて、じわじわと心を温めていきましょう!

 

BTSのジョングク、EXOのベッキョンも読んだ!
『私は私のままで生きることにした』

1冊目は、『私は私のままで生きることにした』(キム・スヒョン著、吉川南訳)。本書は、若者たちが抱える生きづらさを代弁し、「自分のために、自分らしく生きよう!」というメッセージであなたの悩みを軽く、心を明るくしてくれます。
日韓累計167万部のベストセラーである本書は、BTSのジョングクさんが持っていたことや、EXOのベッキョンさんがファンのために朗読したことでも話題になりました。

退職したら二度と会うこともない上司。
たまたま顔を合わせた、どうでもいい親戚。
笑い声がイラつく、くだらない女性。
裏で悪知恵をたくらむ、狐のような同期の同僚。
あなたの人生にとって何の意味もない、そんな人たちに感情の無駄づかいをするのはもうやめよう。

気を揉んだって、うめいたって、憎んだって、彼らはどうせあなたの人生から去っていく人なのだから。(本書より抜粋)

社会人として働くうちに、おそらく多くの人が“通りすがり”の上司や知り合いに出くわすことでしょう。しかし、彼らは「どうせあなたの人生から去っていく人」。
もし、このような人たちに悩まされているとしたら、彼らが「どうせあなたの人生から去っていく人」だということを、あらためて自分自身に言い聞かせてみましょう。

世界にたった一人しかいない“自分”を大切にして生きていくために。ありのままの自分として生きていくために。
誰かの期待に応えるために生きるのではなく、自分のために、自分らしく生きよう!
そんな著者の言葉が、あなたの肩の力を抜いてくれるでしょう。

私は私のままで生きることにした
著:キム・スヒョン/訳: 吉川南

 

「人生の文章」が心に響く
『私が望むことを私もわからないとき』

2冊目は、『私が望むことを私もわからないとき』(チョン・スンファン著、小笠原藤子訳)。著者のチョン・スンファン氏が紹介する「人生の文章」が多くの人々の心に響き、韓国で20万部を突破するベストセラーになったエッセイです。TWICE、WannaOne、Stray Kidsなど、人気アイドルの愛読書としても注目されました。あなたが疲れてしまったとき、「人生の文章」がそっと寄り添い、癒してくれるはず。

チョン・スンファン氏が本書で紹介している、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて 一』の有名な文章。

 私はマドレーヌの一きれをやわらかく溶かしておいた紅茶一さじを、機械的に唇に持っていった。しかし、お菓子のかけらのまじった一口の紅茶が口の裏にふれた瞬間、私の体の中に起こっている特別なことに気づいて、びくっとした。原因のわからない快感が私をとらえ、孤立させた。その快感はたちまち私に人生の転換を無縁のものとし、人生の災難を無害と思わせ、人生の短さを錯覚だと感じさせたのだった。あたかも恋の働きと同じように、そして何か貴重な本質で私を満たしながら、というよりも、その本質は私の中にあるのではなくて、私そのものであった。私は自分をつまらないもの、偶発的なもの、死すべきものと感じることをすでにやめていた。(本書より抜粋)

ある人にとっては、マドレーヌの一かけらは甘く、一口、口に含めば、なくなってしまう些細なものに過ぎない。しかし、ある人にとっては、その一かけらでずっと豊かな気持ちになれ、時空間を超えられるかもしれない。
プルーストは、些細と思える物一つにも、人生最大の喜びが詰まっているかもしれず、どんな困難にも打ち勝つ強い力があるといいます。

さて、あなたにとっての、マドレーヌ一かけらは何でしょう?
「人生の文章」を読むことが、あなたの幸せを、大切なものを見つけるカギになるかもしれません。

<参考文献>
マルセル・プルースト著/キム・ヒヨン訳『失われた時を求めて1』(ミヌム社/2012年)

私が望むことを私もわからないとき
著:チョン・スンファン/訳:小笠原藤子

 

いつかあなたの推しが読むかも?
韓国で13万部のベストセラー『それでも、素敵な一日』

3冊目は、韓国で13万部のベストセラーとなった『それでも、素敵な一日』(ク作家著、生田美保訳)。「推しの愛読書は制覇しちゃった!」「もっと韓国文学に踏み込みたい!」という方に、韓国文学の入り口としてもおすすめの一冊です。
生まれつき耳が聴こえず、病で視力も失いつつある、韓国在住のイラストレーター・ク作家(ク・キョンソン)さんの描くノンフィクションストーリーは、前を向いて「今」を生きることの大切さを伝えてくれます。

絶望を感じる運命に、ク作家さんは、
「1日、1時間、1分、1秒……時計を見るのが嫌になる日もあります。自分に残された時間がどんどん消えていくような気がして。それでも、今はもう悲しくありません。わたしにはまだ希望がのこっているから」と、
光を失ったときに未練が残らないよう、「今」を生きます。

そして、残された時間で、目が見えるうちにやりたいこと“バケットリスト”30個を書き出し、1つずつ願いを叶えていくことに。セルフウェディングフォトを撮る、家族旅行に行く、心が傷ついている人とフリーハグをする、なつかしい鳳仙花のマニキュアをする、絵本作家としてボローニャ国際児童図書賞に挑戦する……などなど!

光までも消えた世界を生きる準備をしている彼女は、バケットリスト30個のうち、わざと5個を空白にしているといいます。なぜなら、「あとで本当にやりたいことができたら、書き込もうと思って。一日一日がとても大切だから、本当にやりたいことを残しておこうと思う」から、だそう。

もしあなたがやりたいこと、大事にしたいことを見失ってしまったら、希望を失わず、今を生きる彼女の姿に力をもらってみてください。あなたの今日も、「それでも、素敵な一日」と思えるようになるはずです。

それでも、素敵な一日
著:ク作家/訳:生田美保

 

忙しい日々を送っていると、つい心の疲れや違和感、悩みを見落としがちになってしまいますよね。
読書の秋をきっかけに、韓国エッセイでほっと一息してみてはいかがですか?