【フランス暮らし】お金をかけずに過ごす暮らしの工夫
フランスの地方都市ナントで、フランス人パートナーと2人の子と家族4人で暮らしている大畑典子さん。
一級建築士の資格を持ち日本の建築事務所でバリバリと働いていた彼女が渡仏して約8年。
「シンプルな暮らし」を楽しむフランス生活で得たもの、捨てたものを、日々つれづれに綴っていただきます。
不便だからこそお金を使う機会が少ない
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。フランス・ナント在住の大畑典子です。
新年度が始まり早くも2週間が経ちました。新生活の始まりは身の回りのあれこれを整理するきっかけにもなりますが、その中でも生活費を見直す人は多いのではないでしょうか。
日本でも最近よく話題になっている物価高は、フランスも例外ではありません。品物一つひとつの単価は日本よりも割高なものが多いです。例えば、卵は6個入りで2€(約320円)ほどしますし、外食はファストフードでも一人当たり最低12€(約2000円)ほどします。しかし、トータルでみると意外にも日本での生活費とそこまで大差なく過ごせるんです。今日はお金を出来るだけ使わずに過ごす、暮らしの工夫についてお話します。
飲み物は出先で買わない
フランスにはコンビニや自動販売機が街中にほとんどないので、どこかへ出かける時は必ず飲み物を持参します。ペットボトル一つはそこまで大きな金額ではないですが、それが毎日だと結構な出費になります。お気に入りのマイボトルをみつけて持ち歩くだけでひと月に何千円も節約が出来ます。
ちなみにうちで愛用しているのは日本製の水筒。以前はフランスで買ったものを使用していましたが、温かい飲み物を入れても数時間後には冷めてしまいます。デザインは可愛いのですが、やはり機能面においては日本製が優れています!
△我が家でも大活躍の日本製の水筒。
普段の食事は質素に
フランスは美食の国として有名ですが、普段の食事は日本の食卓に比べたらとても質素です。以前の記事でもご紹介しましたが、平日の夕食は基本的には1品で、それでも足りない人は常備してあるパンとチーズでお腹を満たします。共働きがスタンダードのフランスでは、平日は疲れを溜めずに一週間を乗り切ることを一番に考えている家庭が多いです。普段は簡単な夕食をとることで、お金だけでなく時間も節約出来ているのです。
他人と比較するのをやめると美容費が減る
フランスの女性たちはいくつになっても輝いている方が多いですが、そこまで濃いメイクをしている人をみかけません。ファンデーションはあまりせず、アイメイクとリップのポイントメイクのみで、顔全体をしっかりメイクしないのがフランス女性のスタイルのようです。
また服装に関しては、皆それぞれ自分のスタイルを持っていて、流行に囚われていません。ですので、流行のたびに服を買い足す必要がありません。また、他人と自分は違って当たり前という考えなので、見栄のためにブランド物を買うこともありません。
自分のスタイルを貫くことで、美容費、被服費を過度にかけずに過ごすことが出来るのです。
お金を使うことよりも、誰とどう過ごすかが大事
お金を使わずに友人と時間を過ごす
日本だと「友達とお出かけをする=どこかでお金を消費する」という考えを持つ方が多い印象ですが、フランスでは必ずしもそうではありません。
休日は友人と会うために一緒に公園を散歩しながら話をしたり、晴れた日は外でペタンク(1910年に南フランスで生まれた、老若男女が楽しめる球技。ヨーロッパを中心に普及しているスポーツ)やモルック(同じくフランスで盛んに楽しまれているスポーツ。ピンを倒すところはボーリングにも似ている)を一緒にして過ごします。天気が悪ければ、どちらかの家でボードゲームを一緒にすることもあります。お金を使わなくても、楽しくそれなりに充実した時間を過ごせるのです。
△モルックで遊ぶ夕方。
日本では「旅行」も「お金を使うこと」が目的になっていると感じます。例えば、先日日本へ一時帰国した際にびっくりしたのは、観光地でたくさんのお土産屋さんに旅行客が押し寄せているのを見かけたことです。その地域に旅行しに来たのか、お土産を買いに来たのか、とても不思議に思えました。
日本は欲しいものが欲しい時にすぐ買える便利な国ですが、その反面、消費の誘惑も多いのです。フランスは不便な生活がスタンダードだからこそ、何か足りない時でも無いなら無いなりの工夫をして楽しく過ごすように転換します。
とはいえ、節約しすぎても人生楽しくないですよね。やはりバランスが大事!できる範囲で取り組んでみるといいかもしれません。
それではまた次回。アビアント~!
*次回は5月1日(水)更新予定です。