【デトックスの新常識】「キャベツ×塩こんぶ」で、不調から抜け出す【食薬レシピ】


「食薬」の第一人者で、漢方薬剤師の大久保愛さんは、年間2000人以上の患者から相談を受けるなかで、「“だるい”という慢性的な不調から抜け出すには腎臓や副腎、漢方医学で考える“腎”にこそカギがある。いま、必要なのは腸活より腎活」という考えにたどり着いたと言います。
その“腎活”においてもっとも効果的、かつコスパのよい食材・キャベツとそのレシピについて、大久保さんの新著『だるいの原因は腎だった! だる抜け ズボラ腎活』の一部を抜粋しつつ、そのメカニズムとレシピを紹介します。

※本記事は、大久保愛:著『だるいの原因は腎だった! だる抜け ズボラ腎活』(小社刊)より、一部を抜粋編集したものです。 

 

腎が整う最強レシピ「キャベツ×塩こんぶ」

慢性的な不調から抜け出すには腎臓や副腎、漢方医学で考える“腎”にこそカギがあり、結果的に究極のデトックスとなることが考えられます。一方で、ストイックな行動や急なダイエット、運動を頑張りすぎてしまうなど、負荷が大きい行動を続けると、ストレスホルモン(コルチゾール)が発生、副腎はストレスと闘い続けることになってしまいます。すると、腎ともどもエネルギー切れとなって、食べても寝ても疲れが取れないという状況に。

ただでさえストレスが多い現代では、コルチゾールが不適切に分泌されている人も多いもの。すると、コルチゾールを作り続ける副腎は疲弊してしまい、婦人科系の不調につながったり、やる気が出ない、体がだるい、頭が痛いといった症状につながります。

腎活におけるたった一つの「掟」となるのが、頑張らないこと。無理に頑張ろうとしないことが、ストレスをこれ以上増やさないことになるため、そのまま腎の健康につながるのです。ズボラな人ほど、腎活はうまくいく、と言っても過言ではありません。

そこで、食薬アドバイザーでもあるわたしがご提案するのは、ズバリ、「キャベツ1玉と塩こんぶ」。運動なし、食事制限なし、毎日キャベツを手のひらひと盛り分食べるだけで「だる抜け」できる、ズボラ腎活です。

キャベツは、デトックス力を高めてくれる食材。不溶性植物繊維が豊富で、便のかさを増やしてお通じを整えるほか、胃の粘膜を保護するキャベジン、肝臓にいいスルフォラファンを含みます。薬膳では、どんな食材も体を温めるまたは冷ます作用があると考えますが、キャベツはどちらでもないので体質関係なく食べられるのもいいところ。また、こんぶも食物繊維が豊富。それ以外にもフコキサンチンという、強い抗酸化、抗肥満作用をもつ海藻ならではの色素を含みます。抗酸化物質はつねに食べ方やストレスなどの影響を受けている腎臓をサポート。

さらに、キャベツは体に炎症を起こし、かゆみやアレルギー症状などさまざまな不調をおこすと考えられている、漢方でいう「湿熱」を取り除く力があり、不調の根本からの解消に役立つのも、見逃せないポイント。加えて食事の最初に食べれば糖質による血糖値の上昇も抑えられ、腎臓の鏡と言われる血管の糖化や酸化、副腎の負担も軽減できます。
キャベツと塩こんぶの組み合わせは、胃から腸、腎臓までまるっとケアできる「最強のコンビ食材」といえるでしょう。

 

「キャベツ×塩こんぶ」の簡単つくり方

キャベツと塩こんぶの取り入れかたは、とてもシンプル。レシピも、キャベツをちぎって、袋の中で塩こんぶとあえるだけと、本当に簡単。時間も手間もかからないのでズボラな人にもぴったりですし、おいしくてヘルシーと、いいことづくめなんです。

取り入れ方

・毎日、最低両手の手のひらふた盛り分の塩こんぶキャベツを食べる
・食事のときは塩こんぶキャベツから食べる
・飽きたらキャベツ料理を食べるだけでもOK

レシピ

STEP1:キャベツをちぎる


外側の葉を取り、大きめにちぎります。外側から使っていくと痛みにくくなるというメリットも。ちぎるのが大変だと感じる人は包丁で切ってもOK。

STEP2:塩こんぶとともに袋に入れる


キャベツ1/4個に対し、塩こんぶ大さじ1を加えます。Mサイズの密閉袋にぴったり収まるくらいの分量。朝昼晩(一日)で1袋食べ切るイメージです。

STEP3:しっかりともむ


キャベツに塩こんぶの味がしっかりからむよう、袋の上から全体をよくもみます。キャベツは繊維が多いので、繊維を壊すようなイメージで行うといいでしょう。

 

毎日作るのは面倒という人は、3〜4日分のキャベツをまとめてちぎって、密閉袋に入れて保存しておきましょう。栄養価を落とさないためにも水にはさらさないで。酸化が気になる人は酢やレモン汁をプラスしてください。両手のひらに乗るくらいの分量がMサイズのフリーザーパックにぴったり収まるので、これを目安に、一日1袋を食べ切ることを目標にしてみましょう。

 

食べ飽きても「カンタン味変」で続けられる

ここまで読んで「キャベツと塩こんぶ」は美味しいけれど、なんだか食べ飽きてしまいそうと、不安に思われる方もいらっしゃることでしょう。しかし、習慣とは、かならずしも同じでなくてよいのです。キャベツも、「味変」「料理」などによって、あらゆるバリエーションを楽しむことができるんです。

ここでは、ぜひ試していただきたいカンタンな「味変」をご紹介します。キャベツはどんな調味料とも相性抜群ですから、塩こんぶ意外にも、無限大のバリエーションがあります。できれば、こんぶ10cm、けずり節2つまみ、しょうゆ・みりん各150mlを合わせて一晩置いた「食薬しょうゆ」をつくっておくと、とても便利です。

また、キャベツ1袋分の「基本の調味料」の目安は、以下の通り。

・食薬しょうゆ…小さじ2
・酢…大さじ1
・塩…適量
・好みの油(オリーブオイル、アマニ油など)…大さじ1

梅干し×けずり節

種を取り除いて叩いた梅干しと、けずり節、食薬しょうゆ、好みの油を混ぜ、キャベツをあえる。

酢×好みの油×塩

酢、好みの油、塩とキャベツをあえる。少し置いてキャベツがしんなりしてきたら完成。

トマト×キムチ

みじん切りにしたトマト、キムチ、食薬しょうゆをキャベツとあえる。

他にも、以下のような組み合わせはとても美味しく、おすすめです。

 

キャベツ1玉ラクラク「消化レシピ」

 次に、いつも同じ食べ方では飽きる、「味変」以外の食べ方も取り入れたいという方のために、キャベツ1玉を美味しく食べられて、かつ、メインのおかずになるようなレシピをご紹介。レパートリーが増えれば、毎日美味しくキャベツ生活を続けられるはずです。

腹ペコさんのバンバンジー

材料(2人分)

鶏ささみ…2本
キャベツ(千切り)…たっぷり
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みそ、みりん、酒…各大さじ1
すりごま…大さじ2
ごま…適量(好みで)
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作り方

1. 鶏肉、(A)をポリ袋に入れ、電子レンジ(600w)で裏表1分半ずつ加熱する(火が通っていない場合は30秒ずつ追加)。
2. 袋を電子レンジから取り出し、袋のまま手でささみをほぐして調味料とあえる。
3. 器にキャベツを盛り、ささみをのせ、好みでごまをふる。

 

腎活・デトックスの重要性とその方法についてご紹介させていただきましたが、これらは長年にわたるお悩みを「キャベツの力によって解決した実体験」をもとに考察した内容です。この世界は、呼吸をし、食事をしているだけでも体に毒素が溜まってしまう。それを何も知らないままでは、体に毒素が溜まる一方であり、ミトコンドリアや内分泌系、免疫系、神経系などにも影響を及ぼし、元気でいるための体のしくみが壊されてしまう可能性もあります。

ここでは、もっとも手軽でコスパのよい腎活「キャベツ×塩こんぶ」をご提案させていただきましたが、ぜひ「こんな選択肢もある」と知っていただき、ご自身の治癒力を高めるための“健康習慣”のひとつとして、取り入れていただければ幸いです。

イラスト/こんどうしず
撮影/長谷川梓

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だる抜け ズボラ腎活
著:大久保愛

大久保愛

食薬の第一人者、漢方薬剤師、国際中医美容師、国際中医師、食薬アドバイザー、薬膳料理家。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の山で薬草や山菜を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持ちアトピー性皮膚炎を治す。北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人初の国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て未病を治す専門家として活躍。サプリや化粧品の開発・薬膳レシピ開発・出版・企業コンサルティングなどに携わる。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『CrowdSalon®(クラウドサロン)』を開発し特許取得。『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。
Instagram @aivonne85