【秋の食薬】キャベツと塩こんぶで腎を労わる! 簡単デトックスレシピ


日中は暑さを残しつつも、朝晩は涼しいと感じることが増えてきましたね。
急に涼しくなったことで、体が順応できず不調を感じている方も多いのではないでしょうか。

慢性的に続く体のだるさや食欲のなさという不調は、腎が弱っているサインかもしれません。
腎は健康な体作りすべての不調に関わる器官のため、腎が弱っていると不調の連鎖から抜け出せなくなってしまうのです。

そんな、体づくりの土台となる腎の整え方を教えてくれるのは、「食薬」の第一人者で、漢方薬剤師の大久保愛さん。“腎活”においてもっとも効果的、かつコスパのよい食材・キャベツとそのレシピについて、大久保愛さんの著書『だるいの原因は腎だった! だる抜け ズボラ腎活』の一部を抜粋しつつ、そのメカニズムとレシピを紹介します。

※本記事は、大久保愛:著『だるいの原因は腎だった! だる抜け ズボラ腎活』(小社刊)より、一部を抜粋編集したものです。

 

腎活最強食材「キャベツ×塩こんぶ」

腎活の最強食材としておすすめしたいのが、「キャベツ×塩こんぶ」の最強コンビです。

キャベツは、デトックス力を高めてくれる食材。不溶性植物繊維が豊富で、便のかさを増やしてお通じを整えるほか、胃の粘膜を保護するキャベジン、肝臓にいいスルフォラファンを含みます。

薬膳では、どんな食材も体を温めるまたは冷ます作用があると考えますが、キャベツはどちらでもないので体質関係なく食べられるのもいいところ。また、こんぶも食物繊維が豊富。それ以外にもフコキサンチンという、強い抗酸化、抗肥満作用をもつ海藻ならではの色素を含みます。抗酸化物質はつねに食べ方やストレスなどの影響を受けている腎臓をサポート。

さらに、キャベツは体に炎症を起こし、かゆみやアレルギー症状などさまざまな不調をおこすと考えられている、漢方でいう「湿熱」を取り除く力があり、不調の根本からの解消に役立つのも、見逃せないポイント。加えて食事の最初に食べれば糖質による血糖値の上昇も抑えられ、腎臓の鏡と言われる血管の糖化や酸化、副腎の負担も軽減できます。
キャベツと塩こんぶの組み合わせは、胃から腸、腎臓までまるっとケアできる「最強のコンビ食材」といえるでしょう。

 

3ステップでできる! 「キャベツ×塩こんぶ」の作り方

腎活最強食材であるキャベツを毎日手のひらひと盛り食べれば、運動も食事制限も必要なし! ズボラ腎活にぴったりな「キャベツ×塩こんぶ」の作り方をご紹介します。

基本の「キャベツ×塩こんぶ」の作り方はとっても簡単。キャベツをちぎって、袋の中で塩こんぶとあえるだけ!
時間も手間もかからないのでズボラさんにぴったり。おいしくてヘルシー、健康的といいことづくめです。

取り入れ方

・毎日、最低両手の手のひらふた盛り分の塩こんぶキャベツを食べる
・食事のときは塩こんぶキャベツから食べる
・飽きたらキャベツ料理を食べるだけでもOK

レシピ

STEP1:キャベツをちぎる


外側の葉を取り、大きめにちぎります。外側から使っていくと痛みにくくなるというメリットも。ちぎるのが大変だと感じる人は包丁で切ってもOK。

STEP2:塩こんぶとともに袋に入れる


キャベツ1/4個に対し、塩こんぶ大さじ1を加えます。Mサイズの密閉袋にぴったり収まるくらいの分量。朝昼晩(一日)で1袋食べ切るイメージです。

STEP3:しっかりともむ


キャベツに塩こんぶの味がしっかりからむよう、袋の上から全体をよくもみます。キャベツは繊維が多いので、繊維を壊すようなイメージで行うといいでしょう。

 

毎日作るのは面倒という人は、3〜4日分のキャベツをまとめてちぎって、密閉袋に入れて保存しておきましょう。栄養価を落とさないためにも水にはさらさないで。硬い大きめのキャベツも、こんぶとよくなじませ、少し時間を置くことで食べやすくなります。酸化が気になる人は酢やレモン汁をプラスしてください。
キャベツの一日の推奨摂取量がMサイズのフリーザーパックにぴったり収まるので、これを目安に、一日1袋を食べ切ることを目標にしてみましょう。

 

「キャベツ×塩こんぶ」のリメイク術

一度にたくさん塩こんぶキャベツを仕込んで、毎日少しずつ食べていても、ときには外食が続いたりして「食べ切れなかった!」ということも出てくるでしょう。
そんなときに活躍してくれるのが、塩こんぶキャベツのリメイクレシピ。

調理次第で別の料理、そしてまったく違う味に変身します。塩こんぶキャベツ自体にしっかり味がついているので、調味料も最小限でよく、あっという間にひと品完成。
そのまま食べるのとはまた違ったおいしさを楽しむことができますよ。

キャベツとスパイスの漬物

材料(2人分)

塩こんぶキャベツ…150g
大葉(刻む)…10枚
すりごま…大さじ1
みそ…小さじ1
クミン、ブラックペッパー…各適量

作り方

ポリ袋にすべての材料を入れ、手でもんでよくなじませる。

一言メモ

大葉には気のめぐりをよくし、胃腸の働きを助ける働きがあります。ストレスが強いときに食べれば、副腎疲労もやわらぎます。

 

鶏ひき肉のガパオキャベツ

材料(2人分)

鶏ひき肉…150g
オリーブオイル…大さじ1
にんにく(薄切り)…2片
A————————————–
酢、ナンプラー… 各大さじ1と1/2
塩こんぶキャベツ… 300g
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B————————————–
ブラックペッパー、七味唐辛子…各少々(好みで)
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作り方

フライパンにオリーブオイルをひき中弱火で熱し、鶏肉、にんにくを炒める。火が通ったら(A) を加え、全体を混ぜ合わせる。器に盛り、好みで(B)をふる。

一言メモ

鶏肉は疲れやすい、無気力など、「足りない気を補う」食材です。タンパク質も豊富で肝臓の解毒を助ける効果も◎

 

ストレスにならないように、あくまでも“無理せず、ズボラに“がポイントです。
「キャベツ×塩こんぶ」を取り入れて、簡単に腎活を始めてみませんか?

イラスト/こんどうしず
撮影/長谷川梓

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だる抜け ズボラ腎活
著:大久保愛

大久保愛

食薬の第一人者、漢方薬剤師、国際中医美容師、国際中医師、食薬アドバイザー、薬膳料理家。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の山で薬草や山菜を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持ちアトピー性皮膚炎を治す。北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人初の国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て未病を治す専門家として活躍。サプリや化粧品の開発・薬膳レシピ開発・出版・企業コンサルティングなどに携わる。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『CrowdSalon®(クラウドサロン)』を開発し特許取得。『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。
Instagram @aivonne85