【夏の食欲不振】水分の摂りすぎが原因? 消化力を高めるしょうがとスパイスの力とは


連日の猛暑で、食欲がない、疲れやすいといった“不調”を感じていませんか?
もしかするとその不調、“消化力”が低下していることが原因かも。

これまでに5万人以上の“詰まり”を解消してきた、管理栄養士/アーユルヴェーダ・ヨガ講師である岡清華さんによる、“なんとなく不調”に効くデトックスの基本をご紹介する短期連載。
第2回は、デトックスの重要な要素である消化力について教えていただきました。

※本記事は、岡清華:著『無敵のデトックス大全』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

*第1回はこちら

 

食欲がないのは消化力低下のサイン

人生を生きるうえでの強さを得るためには、心身が安定した状態にあることが必要です。それを適えるのが、食べものや感情を消化していく力です。
人間のカラダの中には「消化の火」が宿っています。その火のチカラが消化力です。消化の火が力強く燃えていないと「未消化物」が残り、ココロとカラダに不調をもたらす毒を生み出します。
消化力を高めて、未消化物を残さない食べ方、暮らし方をしていくことがデトックスの軸となるのです。

消化力が強い人の特徴

顔色がよい、肌や髪につやがある、活力がある、幸福感をもてる、感情が安定している、物事に動じない、喜びを素直に感じることができる、よく眠れる、免疫力が高い、規則正しい便通がある、相手の言うことをしっかり理解できる、ストレスに強い、自己肯定感が高い、他人とうまくつき合える。

消化力が弱い人の特徴

ゲップやオナラが出やすい、目の下にクマができやすい、むくみやすい、肌がくすんでいる、アレルギーになりやすい、食欲過多・不振に陥りやすい、体臭と口臭が強い、血行不良、便通に異常がある、風邪をひきやすい、疲れやすい、気分が落ち込みやすい、感情表現が乏しい、ストレスに弱い、自己肯定感が低い、強い恐れ・不安・怒りを感じやすい。

あなたは、どちらの特徴に多く当てはまったでしょうか。
私たちのカラダは消化力の状態を様々なサインにして表してくれています。

その一つが食欲。「3食欠かさず食べる」、特に朝ごはんは絶対に食べるべきといわれることが多いですよね。
しかし、食欲がない時は胃腸の消化力が弱っている合図です。そんなときに無理して食べてしまうと未消化物が発生して毒がたまってしまいます。

特に夏はどうしても食欲が落ちてしまいますが、この原因は“水分の摂りすぎ”にあります。食事中と食後に水分をたくさん摂ると、胃液が薄まり、消化に時間がかかります。消化の時間が長くなると胃が疲弊して、結果的に消化力の低下につながってしまうのです。

 

「しょうが」で毒出し&消化力UP

前項で解説したとおり、食欲がないときには無理に食べない方がいいのですが、食べる量が少なすぎると便が作られにくくなります。
とくに、夕食を食べないと朝の排泄の時間帯に排便で毒を出すことができなくなってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、食前にジンジャーアペタイザーを食べることです。

ジンジャーアペタイザーは薄く千切りにした、しょうが3~4本ほどにレモン汁、岩塩をかけるだけで簡単に作ることができます。しょうがは、消化力を高め、毒を排出する力を強める効能もあるため、ジンジャーアペタイザーを食べれば食欲が戻ってくるはずです。

さらに、固形物ではなくゆるめに炊いたおかゆやスープなど、胃にやさしいものをとるようにしてください。スープには、甘味のある根菜類などを入れるとカラダに滋養を与えられ、黒コショウなどのスパイスを使うと消化促進や温性の効果も与えることができます。味付けには岩塩やマイルドなスパイスを使いましょう。

 

食べる薬、スパイスのチカラ

スパイスは自然の力が凝縮された薬効の高い食べもので、インドでは薬としても使われているほどです。それぞれ異なる効能をもちますが、共通しているのが、消化、吸収、排泄を担う内臓機能の向上効果です。

ただし、適量を体調に合わせて正しく組み合わせてとらないと、消化が悪化する原因になったり、心が乱れやすくなるので注意しましょう。たとえば、唐辛子は、刺激が強く心身の興奮を高めてしまったり、炎症性の肌トラ
ブルを悪化させてしまうこともあります。

適度に摂取すれば消化力促進が見込める黒コショウやしょうがなどのスパイスもとりすぎには注意が必要です。


△『無敵のデトックス大全』より。

自分のカラダが出す合図に耳を傾け、消化力を上げていけば、いつの間にかココロもカラダも整っていくはず。
消化力を高める食材を上手く活用しながら、ココロとカラダをデトックスしませんか?

写真/イマキイレカオリ
イラスト/ホリベクミコ

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無敵のデトックス大全
著:岡 清華

岡 清華(おか さやか) 

管理栄養士、アーユルヴェーダ・ヨガ講師。MOTHER創設者、Mother株式会社 代表取締役。
1993年生まれ、兵庫県出身。武庫川女子大学にて食物栄養学を学び、管理栄養士の資格を取得。西洋医学的な健康理論・栄養学を学んだことにより浮かんだ疑問から、東洋的な観点に興味が湧き、アーユルヴェーダと出会う。大学卒業後、カウアイ島にて本質的なアーユルヴェーダを学び、その中で、全米ヨガアライアンスを取得。その後、ヨガクラス・栄養指導、「腸」に特化したフード開発、レシピ監修、イベント企画・運営などを手がける。2019年MOTHER創設、2020年Mother株式会社設立。アーユルヴェーダの教えをより現代の日本にフィットさせる方法として“Japanese modern Ayurveda”を提唱し、ウェルネス空間のプロデュース、商品開発、イベント、セミナーなど、各事業を展開。さまざまなメディアにてアーユルヴェーダを基にした情報を発信している。これまで累計5万人以上に、ヨガ/瞑想などを指導。2020年より、アーユルヴェーダの指導者を養成するスクールを開校し、大きな反響を呼んでいる。
Instagram @okasaya

プロフィール撮影/山城昌俊