【フランス暮らし】公立幼稚園の先生の働き方は日本と大違い
フランスの地方都市ナントで、フランス人パートナーと2人の子と家族4人で暮らしている大畑典子さん。
一級建築士の資格を持ち日本の建築事務所でバリバリと働いていた彼女が渡仏して約8年。
「シンプルな暮らし」を楽しむフランス生活で得たもの、捨てたものを、日々つれづれに綴っていただきます。
おたより帳がないフランスの幼稚園
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。フランスの地方都市、ナント在住の大畑典子です。
フランスの幼稚園は先週から新学期になりました。
学校にもよりますが、幼稚園は7月上旬から9月上旬の約2か月間が夏休み期間となり、バカンスに出かけることが多いです。
日本だと地域にもよりますが、大体7月下旬から8月末までの約1か月だと思いますので、フランスは本当に夏休みが長いですよね。
そして、一番いいなと思ったのが、フランスでは夏休みの宿題がないことです。
△9月になりフランスは新年度が始まりました。
夏休みの宿題って、親も採点するのが大変ですし、先生たちもチェックするために時間を取られると聞いたことがあります。
フランスは、こういう点では緩さがあるなと感じています。
例えば、日本の幼稚園や保育園では「連絡帳・おたより帳」という形で、その日のごはんの進み具合、お昼寝、遊びの様子などを先生が書いてくれますよね。
以前、日本に一時帰国した際に、少しだけ幼稚園に通わせたことがあるのですが、その時もメモを渡してくれて、ここまでしてくれるのかと驚きました。
フランスには、こういったおたより帳はありません。ですので、先生方に伝えることがある場合は口頭でお話をし、子どもをお迎えに行ったときにも様子がどうだったみたいな話は基本的にしないんですよね。2歳までの子どもが通う保育園ではお迎え時に先生が口頭でその日の様子を教えてくれます。
その日、給食で何を食べたのかというのは、市のホームページで確認できるのですが、実際に何をして遊んだのかは、子どもに直接聞いています。
「今日は幼稚園で何やったの?」「何食べたの?」「どれが美味しかった?」といった話を1つ1つ振って聞いてくのが、フランス家庭での夕食時の会話ルーティンです。
我が家では、話してくれる日もあれば、面倒くさくなったのか「わかんない」と言われることも多くて、パートナーが毎日根気強く聞いています。
フランスの先生は労働環境がいい?
フランスの幼稚園に子どもを通わせてみて、保護者の立場から思ったのは、日本と比べて、先生の働き方が労働環境として恵まれている、ということです。
公立の幼稚園では、先生は朝8時半から夕方5時頃まで働き、お昼には1時間半ほど休憩時間があります。
お昼の時間には、市から派遣される学童保育の人が子どもたちの面倒を見てくれるので、先生たちはしっかり休憩を取れるというシステムになっているのです。
日本の教職員の人たちは本当に休む時間がないと聞いたことがありますが、フランスではお昼にはしっかり休めて、夕方4時半になれば子どもたちは帰るか、もしくは学童の迎えがあるので、5時頃には仕事終わりとなります。
また、毎週水曜日は午前までの幼稚園がほとんどです。市によっては、小学校も含めて週4日しかない地域もあるので、フランスの教職員は週4~4.5日勤務が当たり前です。
我が家では水曜日も夫婦ともに仕事をしているので水曜の午後は子どもを学童に通わせています。
△各国の中学校教諭の初任給比較。フランスでの労働時間はそこまで多くないものの、賃金引き上げが課題となっている。
そして、冒頭で話した夏休みをはじめ、長期休暇が多いのもフランスの特徴です。
夏休み2カ月、秋休み2週間、クリスマス休暇2週間、冬休み2週間、春休み2週間、そして5月の祝日が3~4日と、先生たちもお休みになります。
改めて考えてみても、フランスの教職員は働く立場としては条件がいいと感じます。お給料面では、他の業種と比べて高いわけではないですが、休みが多く、公務員で安定しているのは魅力的ですよね。
フランスの平均的なお給料事情については、また別の機会にお話ししたいと思います。
それではまた次回。アビアント~!
*次回は10月2日(水)更新予定です。