【ヒルナンデス!に出演】予約の取れない鍼灸師が教える、夏のイライラ・首肩こり解消セルフケア


全国各地で猛暑日が続くこの夏、9月に入っても35℃以上の日があると予報も出ており、気温や気圧の乱高下が激しくなっています。

夏は体に熱がこもりやすい季節とされており、特に上半身に熱がたまることで熱中症のリスクが高まるばかりか、自律神経では交感神経が優位に傾くことから、首肩こりや全体的に締め付けられるような頭痛、イライラしやすくなるのが特徴です。

8/20放送の人気情報番組「ヒルナンデス!」にご出演された、埼玉と東京で訪問治療を行う鍼灸・あん摩マッサージ指圧師の森田遼介先生は、書籍やテレビ、SNSを通じて自律神経の整え方や不調との向き合い方を発信されています。

ここでは、森田遼介先生によるロングセラー『自律神経にいいこと大全100』より、番組テーマに関する夏におすすめのセルフケアをお届けします。

※本記事は、森田遼介:著『自律神経にいいこと大全100』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

 

20秒で首肩こり解消! 超簡単セルフケア

私たちの体の首から背中にかけては、自律神経がたくさん走っており、非常に大切なエリアです。首や肩の筋肉が凝ることで緊張・興奮作用の交感神経が優位に働きやすく、また疲れやストレスの蓄積でも交感神経優位になり、この負のサイクルに入ると体への負担が大きくなります。

そして首・肩・背中の筋肉は後頭部から始まるため、全体的に硬くなると頭痛や不眠、眼精疲労にまで発展します。現代人はパソコン業務やスマホをいじる姿勢、肉体労働などでこれらの部位が硬い人が非常に多くいます。日ごろから疲労による悪い貯金を溜めない工夫を身につけることが大切です。

ここで紹介するメニューは、首・肩・背中をほぐすストレッチです。やり方は次の通り。

首・肩・背中のストレッチ

①リラックスした状態から左右の肩甲骨(けんこうこつ)を寄せ、無理のない範囲で頭を天井へ向ける。
②その状態で5秒間キープする。これを2~3セット行う。

デスクワークなどで同じ姿勢が続くときに、20分に一度このストレッチを行うだけでも疲労の蓄積具合が大きく変わってくるはずです。

 

頭皮の汗やむくみは自律神経の乱れのサイン?

イライラしやすい人は、頭に血がのぼり、頭皮の血流が停滞しやすくなることで、毛根へ栄養が行き届かなくなります。

イライラしやすい人や常に緊張が抜けない人は、頭皮に汗をかきやすいため、このことからも頭皮の環境が損なわれやすいといえます。できるだけ生活の中でリラックスをする時間を設けるように心がけましょう。

さらに、夏は冷房などによる「夏冷え」にも注意が必要です。中でも見落としがちなのが、プールや海水浴、入浴後に濡れた髪を自然乾燥しようと、長時間そのままの状態にすること。頭皮が「冷え」て筋肉が硬くなってしまいます。

特に後頭部を乾かし切れていない人が多いですが、後頭部の筋肉が硬くなると首肩こりへと発展しやすく、首肩こりは交感神経を優位にさせます。交感神経は血管を収縮させる働きがあるため、血行が悪くなります。

セルフケア:頭皮のマッサージ

①10本の手指の腹を適当な間隔を開けて頭皮に当てる。
② 頭皮だけをスライドするように、大きな円を描くイメージで優しくマッサージする。

頭皮が柔らかい人は、直径2cmほど頭皮が動きます。入浴中や入浴後に1~2分程度の頭皮マッサージを習慣にしましょう。

また、ストレスが溜まると頭皮が硬くなりますが、長年強いストレスを抱え続けると頭皮がむくみます。この頭皮のむくみは「ストレス:強」の要注意サインです。できるだけ「むくみ」の前段階である「硬さ」を感じた時点でケアを始めることが大切です。

頭皮のむくみがある人は、自分だけで解決しようとせずに、早めに医療機関や鍼灸院など、プロの手を借りましょう。

 

イライラやストレスに効くツボは?

自律神経を整えるために、まず知ってほしいのが「自分にあったツボ」を見つけること。
現在、WHO(世界保健機関)で公認されているツボの数は361種類あり、左右に一対ずつ存在するツボも合わせると全部で700個あります。

同じ症状でも、その時の状態や季節によって適切なツボが変わることも珍しくありません。ひとつだけでも自分に合うツボを見つけていきましょう。

ストレスを感じたら「百会」

おすすめの万能ツボの一つ「百会」は、頭痛や抜け毛、耳鳴り、めまい、不眠など、主にストレスが関わる不調に対して効果を発揮します。場所は、頭を左右に分ける縦のライン(正中線・せいちゅうせん)上で、左右の耳を結んだ交点です。

指圧でも効果的ですし、イライラしている時には、爪楊枝を15〜30本ほど束にして輪ゴムで縛る自家製の「爪楊枝鍼(ばり)」をぜひ試してみてください。爪楊枝の先端側で、百会を中心に周囲をトントンと1〜2分、頭皮を刺激すると気持ちがすっきりしますよ。

心を落ち着かせるお守りツボ「内関」

運動直後や急な不安に襲われた時、仕事や家事で働き過ぎてしまった時、イライラしている時に備えて、心を落ち着かせるお守りツボの「内関」を覚えておきましょう。内関は車酔いや二日酔いにも効くツボです。

探し方は、手のひら側の手首の横ジワ中央から肘に向かって指3本分(人差し指から薬指の幅)のところ。手を握って力を入れると浮き上がってくる腱のすぐ親指側で圧痛点を探します。

腱が浮き出てこない人は、指でコリコリと腱を探ってみましょう。2本の並列した腱があるので、その間にとります。押し方は、腱と腱が並列している細い間にあるため、親指を斜めにして、指先の側面を使って押しましょう。痛気持ちいい強さで押しながら、吐く息を長く2~3回深呼吸をすると精神が落ち着くはずですよ。

 

ツボ押しの「3の法則」

最後に、全身の幅広い不調に効く万能ツボ「合谷(ごうこく)」を例に、森田先生が推奨する正しいツボ押しの手順もご紹介。

①圧痛点を探し、皮膚に対して垂直に押す。
②3秒かけて徐々に押していく。
③痛気持ちいい強さで3秒キープする。
④3秒かけて徐々に力を抜いていく。
⑤これを3回ほどくり返す。

姿勢をできるだけ正し、ゆっくりと呼吸をしながら行いましょう。特に大切なポイントとしては、「圧痛点を正しく探すこと」「3秒間持続圧を入れること」の2つです。また、押す強さは「痛気持ちいい強さまで」を心がけましょう。

 

『自律神経にいいこと大全100』ではこのほかにも、「夏でも冷え性」「原因不明のイライラ」「生理・更年期の不調」「なかなか取れない疲れ」「睡眠トラブル」「しんどい低気圧不調」など、今ある不調を解消して、将来の病気リスクまで下げる健康のコツを100通りご紹介!

イラストや図を交えた丁寧な解説でわかりやすい1冊になっています。
あなたの体と心に本当に合ったセルフケアで、今日から養生生活を始めてみましょう!

イラスト/日江井香

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自律神経にいいこと大全100
著:森田遼介

森田遼介
TC鍼灸マッサージ院 院長

国家資格:はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師。鍼灸院などに勤めながら、勤務後や休日に個人で訪問治療を行う。予約1年待ちが続いたタイミングで2023年2月に独立し、4か月で予約満杯となる。現在は埼玉・東京エリアの訪問自費治療を中心に活動。
治療の特徴としては、全身の筋肉や内臓の調整をしつつ、不調の改善以降は再発の防止や他の大きな病気にかかるリスクを最小限にする、「未病」に対する治療で人生100年時代をできるだけQOL(生活の質)を落とさない目的の治療が需要として高い。
2021年2月NHK特番「東洋医学ホントのチカラ」・2021年4月NHK「あさイチ」・2024年4月フジテレビ「ホンマでっか!?TV」出演。
初の書籍『自律神経にいいこと大全100』(ワニブックス)のほか、『しんどい低気圧とのつきあいかた』(新潮社)ツボ監修。
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