Amazon Fashion Week TOKYO 華やかにトップを飾った「ACUOD by CHANU」


数々のコンテストで入賞し、ブランド設立からわずか半年でAmazon Fashion Week TOKYOへの出場を果たすなど、破竹の勢いで快進撃を続けるファッションデザイナー・李燦雨(イ・チャンウ)さん。華やかなモードの世界へと邁進する彼ですが、実際にお会いしてみると”チャヌ”の愛称で親しまれる人懐っこい笑顔の青年でした。今回はショーを目前に、そんな彼の原点や服作りへの熱い思いを伺いました。

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©Kimhaze

クリエイションの原動力は
飽くなき探究心と人の気持ち

―はじめまして。まず、チャヌさんの経歴を教えて頂けますか?

「僕は韓国で生まれ育ち、高校卒業後に兵役を終えてから、まずは日本語を学ぶために来日しました。日本語学校を卒業したあと、今後どうしようかと進路に迷っていたときに、両親からファッションの道を勧められて。

実は僕、小学生の頃からブレイクダンスをやっていて、ヒップホップカルチャーにどっぷりハマっていたんです。ヒップホップは音楽やダンスだけじゃなくて、ライフスタイルも含むカルチャーなので、ファッションでもすごく影響を受けていて。そこからファッションもすごく好きになったんです。

だから両親からファッションの道を勧められたときは、雷に打たれたような衝撃でしたね。『あ、僕やっぱりファッションが好きだったんだ! なんで仕事にすることに気づかなかったんだろう!』って。それから、24歳で東京モード学園に入学して今に至ります」

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―ご両親の一言が快進撃の始まりだったんですね。そして日本語がとてもお上手ですね。

「ありがとうございます。来日したときに入学した日本語学校で、かなり勉強したんです。在学中は一日のすべてを捧げるくらい、必死に勉強していました。東京じゃなくて山梨の学校を選んだんですが、それも集中するため。東京だと多分遊んでしまうと思って(笑)」

―なるほど(笑)。チャヌさんといえば、コンテストの受賞歴がスゴいともお伺いしたのですが。

「はい、実はまだ学生という身分なので、少しでも僕のクリエイションを見てもらうには賞を狙うのがいいかなと思いまして。学内の賞を頂いてから、外部のコンテストにもたくさん応募して、日本で一番大きい新人デザイナーファッション大賞や、光栄なことにイタリアのリネアペレミラノという世界的なコンテストで賞をとることもできたんです」

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―まだ在学中でコンテストに応募しながら、ブランドを立ち上げてそして東コレまで……。
多忙を極める毎日だと思いますが、その原動力は一体何でしょう?

「忙しいのが好き。僕、多分ドMなのかもしれない(笑)。大変だけど服作りがとにかく楽しいんです。その気持ちが原動力かな。それと一番大事なのは周りの協力してくれる人たち。僕の洋服を買ってくれるファンのみなさんはもちろん、ブランド立ち上げのときにクラウドファンディングで資金を提供してくれた方や、協賛になって資材を提供してくれるメーカーさん、そして服作りやショーの演出などをサポートしてくれるみなさんのおかげで色々できているわけなんです」

―なるほど、今の時代だからこそ人との繋がりなんですね。また、ブランドのクリエイションの原点は?

「まず基礎を大事にするということ。日本語を学んだときもそうですが、やっぱり基礎があってこそ、応用やアイディアというものが引き立つんじゃないかと思っていて。あとは、子供の頃にブレイクダンスをやっていたので、ヒップホップカルチャーからのインスピレーションはかなり大きいと思います」

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ショーは、本音で話して繋がった
多くの賛同者との共同作品

―今回発表するコレクションのテーマを教えて頂けますか?

“ASSIMILATE ALL INTO SHIRTS”、つまり“シャツへの同化”です。シャツにいろいろな要素を同化したコレクションになっています。というのも、僕にとってシャツは最も得意で自信のあるプロダクトなんです。ハイブランドにも負けない!と思うくらい。

だから、”はじめまして”という意味合いも込めて、シャツに特化したコレクションを発表することにしました。それと、ACUOD by CHANUの象徴とも言えるファスナーも、もちろんたくさん登場していますよ」

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©Kimhaze

―確かにファスナーはチャヌさんのクリエイションに欠かせない要素ですよね。

「はい。今年の春、合同展示会に参加したときにファスナーを多用した作品を展示していたんですが、たまたま通りがかったYKKの方がそれを見つけてくれて。本当に奇跡のような出逢いでした! 今回のコレクションでも協賛についていただいて、今ではYKKの中でも一番上等なファスナーを使えるようになったんです」

―今回それがショーで見られるわけですね。そのショーへ向けた思いは?

「初のショーですが、すべてを懸けています! 先程もお話しした通り、熱い思いで僕のクリエイトに賛同してくれるたくさんの方々に協力してもらっていて。とにかく妥協したくないし、だからこそみなさんに協力してもらえているのかなと思います。

予算がなかったからこそ、自分たちでできることを必死に考えて工夫したり、資材のメーカーの門戸をたたいて協力を仰いだりして、このショーを完成させることができたんです。だから、予算がなくて逆に良かったのかなとも思ったり(笑)」

―では最後に、これからの展望を教えてください。

「5年以内にパリかロンドンでコレクションを発表したいです。僕のモットーは”有言実行”。言ったからには必ず実現していきます!」

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