ふたごと転院生活【妊娠編】

ふたごと転院生活【妊娠編】


 

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舞台や雑誌などエンタメ業に携わる
YURIさんが、双子の子育てを
あったかくもちょっとコミカルに綴ります。
子育て1年生さんにも役立つ実用もお伝えします。

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こんにちわ。

今回は、前回の続き、管理入院していた病院の都合で、別の病院へ転院させられた妊娠34週目からのお話です。

転院先は、ハイリスク出産を得意とした都内でも有名なセレブ病院の個室。
キレイな個室でくつろぎながらも、出産費用がチラつきます。

しかも、転院早々、今までの病歴とか家族構成とかを書くアンケート用紙に、“入院費のことで心配はありますか?” という質問や、“緊急時は、お金に糸目はつけないからなんでもやって欲しい or 保険の範囲内を希望” という感じの選択をさせられたり、こちらの不安を見透かされてるような質問が並び、ムダに疑心暗鬼に。

しかし、そんな不安を一掃する一筋の光。

なんと、ご飯が…美味しい!

前の病院は、囚人気分になるプラ食器に、美味しくないご飯。ふりかけはマスト。しかし、今度の病院は、産科だけなぜか特別個室(通称・VIP病棟)と同じメニューだそうで、盛り付けも華やか。

すでに絶対安静を言い渡され、許可制のシャワー時以外は部屋から外出禁止になっていたので、楽しみは食べることのみ。そんな中、毎回の食事が美味しい幸せ…。

入院生活はとにかく、“熱々”、“こってり”、“のびてない麺”、に飢えるので、昼食にある程度温かい天ぷらそばが出たときは感動の嵐でした。

天ぷらそばを前に号泣。
妊婦の情緒不安定さは尋常ではありません。

そして、もうお腹ははち切れんばかり。

トイレに行くためベッドから降りるのも一苦労だったある日の夜中。廊下の向こうから女性の泣き叫ぶ声が聞こえました。それは、私が生まれて初めて聞く発狂したような人の絶叫。

何かがドアの向こうで起こっていることは明らかでした。廊下に出てみようか迷っていると、看護婦さんが入ってきて、「ごめんなさいね。寝れないわよね。でも、大丈夫なので、ゆっくり休んで下さいね。」とだけ言い足早に去っていきました。何も教えてくれず、ゆっくり休めと言われても…。

それからも嗚咽はなかなか止まず、小一時間続きました。

次の日の朝、やっぱり気になったので「昨日、なにがあったんですか?」と聞いてみると、どうやら、別の病院で入院中だった妊婦さんが、出産間際で胎盤が剥がれてしまい、緊急にこの病院に運ばれてきたけど間に合わず、赤ちゃんが残念なことになったと…。胎盤剥離というのだそうです。

その事実を告げられ、きっと正気じゃいられなくなったのでしょう。

その妊婦さんは高齢で、おそらく最後のチャンスの妊娠だったと…。

看護婦さん曰く、「この病院はハイリスクの方が多いから、こういうことは珍しいことではないんです…。赤ちゃんが無事に産まれるって、当たり前のことじゃないんですよ。奇跡なんですよ。」と、言いました。

私は今まで、皆、普通に妊娠して、普通に生んでいるんだと思っていました。と、いうより、当たり前と思いすぎて、そこに関してあまり深く思っていませんでした。浅はか。浅バカ。タイムマシーンに乗ってド突きにいきたい。

それからしばらくは、夜中の泣き声が頭から離れず、とっても悲しい気持ちで過ごしました。

そうこうしているうちに、心配されていたⅡ児(後の次男、おうちゃん)の成長具合も、様子見。という状態でなんとか36週目までひっぱることができ、ついに帝王切開の術日を決めることに。そして、先生から、「ボクの予定と、手術室の空きを見ると、○日か○日がイケそうなんだけど、どっちがいい?」と聞かれました。

え?そんなライトな感じ?

術日を決めるという事は、ふたごの誕生日が決まるということで、それはふたごが生きていく上で、星座とか誕生日占いとか四柱推命とか、そんなのも左右してしまう重要な日のはず。

それを、手術室の空きとかで決める!?

全国の占い師にどっちの日がいいか聞いて回りたいくらいなのに、「とりあえず、今日中に旦那さんと決めといて。ま、それまでになんかあったら出しちゃうけどね。」とこれまたライトな感じ。どこいったデリカシー。

そして、いよいよ出産となるのですが、そのお話はまたそのうちに~

先日、保育園のハロウィンパーティーで、大好きな獅子舞に扮する2人。
大型犬用の被りもので。年賀状用の使い回し。床に落ちたお菓子を拾って食べるの図。

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お菓子釣り用のプールに入るの図。温泉感覚。

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Banner design&Illustration:CHALK BOY
http://chalkboy.me/

 

Written by YURI
YURI

YURI(ゆり)/ライター・舞台演出家 学生時代からストリートダンスをはじめ、ダンサーとして活動。ケガにより現役引退後、ダンサーとしての経験を活かし、演出・制作など、数多くのダンス公演に関わる。2005年からダンス舞台の演出家として活動。ダンス舞台のプロデュースなども手掛ける傍ら、ダンス専門誌の編集・ライターをはじめ、さまざまな分野の、書籍、web、などのライターとして活動中。 2014年3月。アラフォー真っ只中、二卵性の男子ツインズを36週で出産。

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