ふたごと帝王切開【出産編】

ふたごと帝王切開【出産編】


 

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舞台や雑誌などエンタメ業に携わる
YURIさんが、双子の子育てを
あったかくもちょっとコミカルに綴ります。
子育て1年生さんにも役立つ実用もお伝えします。

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こんにちわ。

今回は、また【出産編】と題しまして、ふたご出産のときのお話です。

管理入院から1ヵ月。いよいよ今日は、手術室の空き状況で安易に決められた帝王切開日(以前のブログ参照)。

妊娠悪阻から始まり、苦しくて自由がきかなかった日々、そして管理入院。妊娠してから私の身体は、自分のものではなく、ひたすらふたごを安全に生かしておくための、ただの赤子の器(うつわ)と化していたので、そんな苦しかったふたご妊娠生活も今日で終わり。

やっと2人に会えるという思いと、不安と緊張で、早くから来てスタンバイしていたパパさんが、この日のために新しく買ったビデオで病室などを撮りながら機能をいろいろと説明していましたが、何1つ頭に入ってきませんでした。

「朝一番の方が終わったら次なので声かけますから」という、なんとも曖昧な指示に、ドキドキしながら待っていると、看護婦さんが「そろそろなので、いきましょう!」と、お迎えにきてくれました。

お腹ははちきれんばかりのパンパンでしたが、看護婦さんが、「手術室まで歩いて行きます?それともストレッチャーに乗ります?」と聞いてくれ、「歩きます」と言おうかと思った途端、ビデオを手にしたパパさんが、「ストレッチャーの方が雰囲気でるのでストレッチャーで!」とお願いしていました。

結局、父親は他人事……

そんなこんなで、手術室までストレッチャーで運ばれていきました。まさにまな板の上の鯉。

そして、観音開きの扉を入り、手術室へ。

ふたごということで、執刀してくれる産婦人科の先生2人、低体重で生まれてくるであろうふたごを待ち構えてる小児科の先生2人、それに加え、私は傷口が膨れ上がってしまうケロイド体質なので、形成外科の先生が傷を縫ってくれるということになったため形成外科の先生1人、計5人のお医者さんに囲まれ、看護婦さんの数も多く、手術室はひしめき合っていました。

執刀の先生が笑顔で、「大丈夫、大丈夫」と言ってくれ、看護婦さんも「大丈夫ですよー」と手を握っていてくれましたが、頭上の医療ドラマで見るような円形のライトを涙目でみつめていました。

横になり、背中を丸めさせられ麻酔の注射をし、「ここ冷たいですか?」「いいえ、全然。」「じゃあ、ちゃんと麻酔効いてるので大丈夫ですよ」と言われ、先生が周りになにやら簡単に説明し、「じゃ、始めますね!」と、金属音がカチャカチャいいだしました。

胸から下はタオルで目隠しされていたので、まったく見えませんが、そのタオルがペラペラだったので、“不意にめくれたりしたらどうしよう。なんならもっと分厚い板でもいいのに”などと思っていると、先生の「はい、押して!」という声が聞こえ、圧迫感をお腹に感じていると、フッとお腹が軽くなり、「出たよ!」という先生の声に続き、手術室にいる全員の「おめでとうございま~す!」という声が聞こえました。

そして、「ホゲェ…ホゲェ~」と、ち~さな声が聞こえた矢先、「次いくよ!押して!」という先生の声と同時に、さっきよりもちょっと長めに圧迫感を感じていると、またさらにフッとお腹が軽くなり、再び「おめでとうございま~す!」と一斉に声をかけられました。

ちょっとして、子猫の鳴き声ような「ニィー…ニィー…」というち~~さな声が聞こえたので、“よかった、小さかったほうも生きてる!”とまず思いましたが、胸から下がどうなってるかわからない恐怖と、安堵と、頭の中がメチャクチャで、唇がカタカタと震えていました。

そして、低体重で生まれた2人は、無事かどうか一通りのチェックを受けるためバタバタと連れて行かれましたが、間もなく看護婦さんが、「赤ちゃんよく見えるようにしなきゃね!」と、私のメガネを持ってきてかけてくれ、「はい!一番目の子ですよ」と、顔の横にふにゃふにゃの長男を連れてきてくれたのですが、とりあえず放心状態なので、顔をよく見る余裕もなく、「わかりました。もういいです、もういいです!」と、ズレたメガネのままの顔を小さく振るのが精一杯でした。

「オギャー!オギャー!」「はい、元気な赤ちゃんですよ」→感動して見つめながら泣く。というような、想像していた出産とはまったく違いましたが、呆然自失の中、わずかに残る意識で、私の身体ってこんなに軽かったんだ…と、麻酔をしててもわかるお腹の爽快感に浸っていました。

そして、術後の夜を迎えるのですが、そのお話はまた次回!

先日の3歳児検診にて。フライング気味に裸になり、廊下でも裸のまま。裸族。

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おニューのヘルメットでツーリングを楽しむの図。

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Banner design&Illustration:CHALK BOY
http://chalkboy.me/

Written by YURI
YURI

YURI(ゆり)/ライター・舞台演出家 学生時代からストリートダンスをはじめ、ダンサーとして活動。ケガにより現役引退後、ダンサーとしての経験を活かし、演出・制作など、数多くのダンス公演に関わる。2005年からダンス舞台の演出家として活動。ダンス舞台のプロデュースなども手掛ける傍ら、ダンス専門誌の編集・ライターをはじめ、さまざまな分野の、書籍、web、などのライターとして活動中。 2014年3月。アラフォー真っ只中、二卵性の男子ツインズを36週で出産。

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