5年ぶりの新刊が話題沸騰!ファッションエディター三尋木奈保さんの 1年中使えるヘビロテアイテム


5年ぶりの新刊が話題沸騰!
ファッションエディター三尋木奈保さんの1年中使えるヘビロテアイテム

撮影/嶋野 旭
ヘア&メーク/室橋佑紀(ROI)
文/高橋香奈子

 2013年に発売した自身初のファッション本が多くの女性の共感を呼び、12万部のベストセラーとなったファッションエディターの三尋木奈保さん。つい先日、三尋木さんの待望の2冊目の著書、『My Basic Note Ⅱ“きちんと見える”大人の服の選び方』(小学館刊)が発売になりました。発売を記念して、この企画のためだけに撮りおろしたコーディネートと、新著からピックアップした写真で、三尋木さんのファッションルールをじっくりとご紹介します!

 コーディネートに欠かせないのは、
「グレーのストール」
「白のバッグ」
「グレーのフラットシューズ」

「2冊目の本の制作にあたり、改めて自分のワードローブをまるっと引っ張り出したり、コーディネートを組んだりして実感したのは、私の装いに欠かせないのは、グレーのストール、白のバッグ、グレーのフラットシューズだということです。なぜその3つのアイテムが必要なのか、アイテムの紹介とコーディネートで解説したいと思います」

上質な薄手素材で、大判の正方形のグレーストールが使える!
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「このグレーストールは、ストールの名門“ファリエロ サルティ”のもので、かれこれ9年間、しかも年中愛用しています。よい素材の黄金比といわれるカシミア70%、シルク30%だから、お値段はそれなり張りましたが、毎日のように使い続けているので、もう元は取ったかなと…(笑)。

おそらく、これからもずっと使い続けると断言できる、一生もののアイテムだと思っています。このストールがコーディネートに役立つ理由は、この素材と色にあります。向こう側が透けて見えるほど薄手なので、空気を含んだようなふんわり感があります。色は、白を含んだトップグレー。素材にシルクを含んでいるから、角度によっては、シルバーっぽい光沢感も感じます。

このように、素材も色も軽やかだから、洋服になじませやすく、全体の色味にまとまりがあるコーディネートになるんです。もちろん、洋服の色が暗いときに、このストールが明るさを足す役割も果たしてくれます。白いストールほどパッキリとコントラストがつきすぎない、この明るいグレーがちょうどいいんです」

 ストール/ファリエロ サルティ

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グレーのニットの首元にグレーのストールをコンパクトに巻いて(巻き方は新著P88で紹介)。コートを脱いだら、ニットとボトムだけ、というスタイルになりがちな今の時期。このストールが装いに奥行きを出してくれる。

ストール/ファリエロ サルティ
ニット/ドレステリア
スカート/ドゥロワー
バッグ/フリン
靴/ペリーコ

 

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ブラウスもスカートも白でワントーンにまとめた日。このワントーンのまろやかさをキープしたままほんのりメリハリを加えるには、トップグレーのストールがうってつけ。バッグ、タイツ、ブーツにもグレーをリフレインして。

ストール/ファリエロサルティ
ブラウス/アドーア
スカート/エストネーション
バッグ/サンローラン
靴/ペリーコ

かっちりとしたスクエアフォルムの白バッグにこだわり

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「白のバッグは、もっているだけで無条件におしゃれを格上げしてくれるスペシャルなアイテムだと思っていて、自著でもたくさん使っています。けれど、白バッグだったらなんでもよい訳ではなく、絶対に譲れないポイントがあるんです。それは、適度にエッジの効いた、スクエアなフォルムであるということ。

私にとって白バッグとは、おしゃれな人がカラフルな色味のバッグを活用するのと同じ意味があります。というのは、白バッグは、青や赤のバッグのようなクセの強さはないにしても、着こなしに特別感を加えてくれるもの。だから、その特別感を際立たせるカチッとしたフォルムが絶対。白でもカジュアルなエコバッグや、丸みのあるフォルムでは決してその役割を果たしてくれないと思っていて…。

白バッグって汚れそうという声も聞きますが、私の主観では最近のバッグは以前のものより汚れにくい気がしています。おろす前に防水スプレーをひと吹きすれば、よりきれいな白をキープできるので、ぜひ取り入れてみてくださいね」

バッグ[左]/フリン [右]/セリーヌ

 

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ジャケット×デニムのシンプルなコーディネートが印象的に見えるのは、真っ白のバッグを効かせているからこそ。白のバッグが唐突に見えないよう、タンクトップや靴、時計のベルトなどにも白をリフレインさせる工夫も。

バッグ/セリーヌ
ジャケット・ジーンズ/ウィム ガゼット
タンクトップ/ベイジ
ストール/ジョンストンズ
靴/J&M デビッドソン

 

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曖昧カラーであるグレーで全身をまとめた装い。真っ白のバッグが、パキッとしたメリハリを加えて。バッグは真っ白以外に、エクリュホワイトも活用している三尋木さん。(エクリュホワイトのバッグを使ったコーディネートは新著P19参照)。エクリュホワイトは、服になじませつつ効かせたいときに便利。

バッグ/フリン
ニット/ノット
スカート/マディソンブルー
靴/ペリーコ

グレー靴には、“なじみつつ引き締める”を叶える優秀さが!

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「この靴が気に入っているのは、グレージュ寄りの、やや赤みと濃度のあるグレーの色味。この色なら、グレー系、キャメル系、ネイビー系と、どんな色の洋服にも合うし、コーディネートをほんのりと引き締めてくれる効果もあるなと実感しています。ベージュの靴も、使いやすいと言われていますが、ベージュの場合はコーディネートになじむので、グレーのような、“引き締める”という効果は得られないと思っていて…。色に加えて、この素材も大きな役割を担ってくれています。

この靴は、アッパーはスエードでトウの部分だけがパテント素材。スエードの靴は、洋服になじみやすく、デイリーに使いやすいと言われていますよね。そこにほんの少し、ツヤのあるパテント素材がミックスしていることで、地味になりすぎるのを防いでくれると感じています。素材でもまさに、“なじみつつ引き締める”を叶えてくれる理想の一足ということで、サンダルが多くなる真夏以外はずーっと履いています」

靴/ペリーコ

 

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まさに“なじみつつ引き締める”を体現したコーディネート。グレージュと白だけでまとめたコーディネートから靴が浮かずに、でもしっかりと引き締め役も果たしてくれている。

靴/ペリーコ
ニット/プレインピープル
パンツ/マルティニーク
ストール/ファリエロ サルティ
バッグ/フリン

 

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赤みのあるグレーの靴は、キャメルのトップスと白のパンツのちょうど中間が取れる色。この場合、キャメルの靴でもアリだけれど、少し色味をずらしたほうがおしゃれに見える。

靴/ペリーコ
プルオーバー・パンツ/マルティニーク
バッグ/フリン

 


※全て著者私物


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5年前から変わらない三尋木流ファッション信念と、年齢に合わせて更新した装いが詰まった話題の新著。2018年1月23日に発売したばかり。
『My Basic Note Ⅱ“きちんと見える”大人の服の選び方』(小学館刊)

 

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12万部のベストセラーとなった1冊目の著書。発売から5年経った今も、古く見えない、丁寧な解説が役に立つと、いまだに売れ続けている稀有な一冊。
『My Basic Note「ふつうの服でおしゃれな感じ」のつくり方』(小学館刊)

 

後編は、2月20日(火)更新予定です。お楽しみに!

 

Profile
三尋木 奈保(みひろぎ・なほ)

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ファッション雑誌『Oggi』を中心に活躍するファッションエディター。大学卒業後の数年間、一般企業に勤務したのち、この仕事に。会社員経験を生かした“リアルで地に足のついた”装いが大人気。2013年に発売した初の著書『My Basic Note「ふつうの服でおしゃれな感じ」のつくり方』(小学館刊)は、発行部数12万部のベストセラーに。2018年1月23日に5年ぶりとなる第2弾の著書『My Basic Note Ⅱ“きちんと見える”大人の服の選び方』(小学館刊)を発売となったばかり。発売してすぐに重版がかかるほど大反響を巻き起こしている。