頑張って働いたから、週末は海外へ!2日で行ける街を紹介


◆願い事をランタンに託し、線路の上から空に飛ばしてみる!

――十分(平渓線)/台湾

台北の街中を離れて郊外へ向かうと、自然豊かな光景が広がり、その合間に穏やかな町が点在しています。そんな郊外を電車でぶらりと旅するのも、台湾旅の魅力の一つ。

近年、台湾屈指の観光地として名があがる九份(キュウフン)をはじめ、ランタンが空に浮かぶ十分(シーフェン)、世界中の猫好きが押し寄せる猴硐(ホウトン)など、渓流に沿って郊外の町を走る平渓(ピンシー)線に乗る電車旅が人気を博しています。平渓線は日本統治時代、炭鉱の町として台湾石灰が採掘できた菁桐(セイトウ)へ、専用鉄道を開通させたのが始まりです。

台北に近い始点の瑞芳(ルイファン)駅から小さな黄色い電車に乗って、人気スポットを巡るのも楽しいもの。素朴で、喧噪から離れた静かな時間を過ごせます。
かつて台湾を支え、栄華を誇った炭鉱の町は、今も当時の面影を残し、観光客を迎えています。

平渓線を降りて、小さな十分駅から人で賑わう方向へ線路沿いに少し歩くと、空にぷかぷかと浮かんで飛んでいくランタンの数々が頭上に見えます。観光客がランタンを飛ばしているのは、線路の上から。
十分は単線なので、平渓線が時間差で進行方向を変えて往来しています。電車が来るまでの間に、家族や
友人同士、恋人たちが、一緒に紙ランタンを持って嬉しそうな顔で記念撮影をしていました。
私も友人と一緒にランタンに願いごとを書き込み、単線の上で記念撮影。店のサービスなのか、スマホで大量の写真や動画を撮ってくれます。
 
その後、ランタンの中に着火。すると、ふわりと浮かび、手からすっと離れて空へとのぼっていきます。
大きく手を振り、どこまでも飛んでいけと願いました。ときとして、風向きのせいか、紙ランタンが燃え上がり、電線に引っかかるようなハプニングも。

また、電車接近の警笛がなると、みんな慌てて線路の外に出て、カメラを構えます。しばらくして、黄色い平渓線がのろのろとやって来ます。手を出せば触れるほどの距離で、カメラ小僧たちがこぞって撮影。これも十分名物の光景です。

◆ランタン上げ
新北市平渓区十分里十分街51号
営業時間:10:00~19:00頃
定休日:天候次第
※旧正月には平渓天燈節があり、無数のランタンが夜空にあがり、幻想的な光景に。
※クレジットカード不可

 

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折角の週末、たまには海外まで足を延ばしてみるというのはいかがでしょうか?

週末海外 ―頑張る自分に、ご褒美旅を―
小林希著
1300円+税

小林希(こばやし のぞみ)
1982年生まれ、東京都出身。旅作家。立教大学卒業。在学中から、インド、モロッコ、中国などをバックパックで旅する旅女。29歳のとき、勤めていた出版社を退社し、その日の夜から世界放浪の一人旅へ。著書に『恋する旅女、世界をゆく』『旅作家が本気で選ぶ! 週末島旅』(ともに幻冬舎刊)、共著に『女ふたり台湾、行ってきた。』(ダイヤモンド社刊)など。現在、訪れた国は60カ国以上。


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Written by tdr-member

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