第20回 パリの秋を徹底リポート! おすすめの美術館とアート展
3年ぶりに大好きな街、パリに行ってきました。16年間住んだこの街は自分にとっては特別でシャルルドゴール空港に着いた途端水を得た魚のような気持ちになりました。
着いたらなんと26℃の夏日和。秋は晴れることも多いですがここまで暖かいのは珍しいことです。バスチーユの友人宅に着いてすぐに着替えて街に飛び出しました。街を歩く人もお天気のおかげで幸せそうです。
町歩きの楽しいのがパリの魅力。ついついパッサージュを見つけると入って覗いてしまいます。ここはかつて友人がオフィスとして使っていた思い出の場所。
親友家族が経営しているブランドMaison de Vancance ( メゾンドバカンス)の新しいお店がレアルにオープンしました。パレロワイヤルのお店よりずいぶん広くて世界観が伝わってきます。うちの主人がカタログの写真を手がけ、私や娘たちもずっとモデルとして出演していました。もう20年くらいずっとこのブランドのクッション、カーテン、ベッドリネンを愛用しています。質が良くてデザインも飽きなくて本当に大好き。日本では「Maison de reefur」 で購入できます。
今回のパリ滞在の一番の目的は買い物ではなくてアートでした。この街は数え切れないくらいの美術館と催し物があるので事前に調べてリストをあげてきました。絶対見逃したくなかったのはMusee d’art moderneで行なわれている中国人アーティストのZao Wou Ki( ザオ ウォウ キ)。自国を離れフランスに長く住みフランスのアート集団の一員となって活躍し、のちにアメリカでも成功を収め、最後は自分のアイデンティーを求めて作品に中国独特の墨絵やカリグラフィーを用いたというエピソードも親近感があって惹かれた理由です。彼の描く世界はどこか寂しさと優美が重なり合い見る者を惹きつけます。大きなキャンパスに見入ってしまいました。実はこの美術館、パリに初めて来た時に訪れ、10日間の滞在で感じ始めた『パリに住みたい』という気持ちを確認するために滞在最終日にもう一度訪れ、Raoul Dufyの大きな壁画を見てそれを実行することを決めた思い出の美術館でもあるのです(そのちょうど1年後に留学しました)。今回その壁画の部屋は改装中で入ることができませんでしたが毎回パリに来るたびに初心に返る思いでここを訪れます。
この美術館からの眺めも好きです。
もう一つ友人にも勧められていたのがFondation Louis VuittonでのEgon Shiele(エゴンシーレ)とJean-Michele Basquiat(ジャンミッシェル バスキア)展です。 Egon Shieleの正面からとらわれない作風が昔から大好きだったので楽しみにしていました。Fondation Louis Vuitonは21世紀を代表する建築家Frank Gehryの手がけた素晴らしい建築物でそれ自体見る価値のあるものです。その中で鑑賞するアートはまさに格別。大きなサイズのバスキアの絵も、これでもかというほど揃えてあり圧巻でした。
その他は安藤忠雄展にも足を運びました。
ギャラリーが運営しているアート本のお店Yvon Lambert(イヴォン ランベー)も素晴らしいセレクションで何時間いても飽きない空間でした。アートといっても主に写真集で、テイストがとてもいい。
スタッフと話をしつつ秘蔵コレクションを見せてもらったりと楽しい時間を過ごしました。いつかまたパリのガイド本を書く機会があれば是非ここは入れたいリストです。
この時はたまたまDavid Horvitzが南カリフォルニアで撮った空の写真が展示されていました。ロスからGreetingが送られてきた気持ちになりました。
こういう偶然なのか必然なのかわからない状況も旅にはつきものでその度にその意味を探すのです。
アート鑑賞の後はひっそりとした夕方のパレロワイヤルへ。いつ来ても美しく、魅了されます。
今では高級ブティックが並んでいますがかつては個人経営のギャラリーがほとんどで学生時代からよく覗きに来ていました。ここでデートしたり子供と遊んだり思い出の場所です。
サンジェルマンの夕暮れ時。
たくさんアートを見た後はお腹が空きますよね。
次回はパリで食べた美味しいものについて書きます。