身体も心も温まるベイクスイーツ

身体も心も温まるベイクスイーツ


仕事や家事がひと段落した午後三時、お茶を飲みながら楽しむおやつの時間はほっとひと息つけるひととき。
夏のあいだは冷たいものばかりを欲していたが、肌寒くなってくると温かなものが恋しくなる。なかでもオーブンでつくるお菓子は焼き上げているあいだもキッチンがバターと砂糖が混ざり合ったなんともいえない香ばしい匂い、季節のフルーツの甘酸っぱい匂いでいっぱいになって幸せな気持ちになる。

小さな頃、母が作ってくれたのはミキサーでガーッと材料を混ぜて焼いたバナナブレッド。ふんわりというより、どっしりとした食感の素朴な焼き上がりを切ってもらって、ミルクと一緒にかぶりつくのが大好きだった。

オーブンはおやつ作りの強い味方だ。とりあえず焼けばなんとかなる(笑)。
とはいえ、常々、料理とお菓子作りは違うものだとも思っている。素材に合わせて臨機応変も対応できる料理に比べて、ケーキ作りはきちんと分量を計って、完璧なレシピ通りに作らないと同じように出来ない。泡だてが足りなかったり、焼く温度が合っていないと上手に膨らまなかったり、ときには分離してしまったりと失敗してしまう。だからパティシエの職人さんは科学者みたいだと思っている。
お菓子作りが上手な友人に慣れればできるようになると言われるけれど、泡だてや型に流し込んで作るケーキ類は、普段バタバタと忙しく過ごしているとなかなかトライすることができない。私が作れるのは混ぜたり、切ったりするだけでなんとかできるものばかり。

例えば、グラノーラをクッキー生地で混ぜてスプーンで天板に並べて焼くだけでの素朴なクッキー、旬のりんごをスライスしてバターときび砂糖に余った洋酒をふりかけて焼いた焼きリンゴより簡単なスライスベイクドアップル、ちょっと手をかけて、卵液を季節のフルーツにかけて焼くクラフティなど。
卵に牛乳と砂糖を混ぜた卵液はそのまま焼けばプリンに、硬くなったパンにかけて焼けばパンプディングが出来上がる。小さなフライパンにバターとメープルシロップを入れてぶくぶくと泡立つまで火にかけたものをじゅっとかけるととても美味しい。
思い立って作り始めて1時間以内でできるものなら、気軽にホームメイドのお菓子を楽しむことができる。
先日作って、好評だったレシピをご紹介してみよう。

グラノーラクッキー

<材料>バター80g グラニュー糖(きび砂糖でも)40g お好みでメープルシロップ大さじ1 卵黄1個分 薄力粉100g グラノーラ100~120g 

<作り方>ボウルに室温に戻したバターと砂糖(メイプルシロップも)を入れてクリーム状になるまでよくすり混ぜたところに卵黄も加えて混ぜ、振るった薄力粉を加えて粉っぽくなくなるまで混ぜたところにグラノーラを加えて混ぜたものを、オーブンシートを敷いた天板に手で丸めて軽く平らにして並べて、180℃に予熱したオーブンで20分焼くだけで完成。
出来上がりはやわらかいので、網にのせて冷ませばざくざくと香ばしい食感に仕上がる。クッキーの生地でグラノーラをまとめている感じ。ドライフルーツがたっぷり入ったフルグラを使うのもおすすめ。

もうひとつは熱々が美味しい洋梨のクラフティを。

<材料>サワークリーム30g 卵黄2個分 卵2個 グラニュー糖50g 薄力粉30g 生クリーム150cc 牛乳100cc 溶かしバター15g 洋梨100g あればブルーベリー少々 

<作り方>ボウルにサワークリームを入れて、卵黄と卵を順に加えて泡だて器で滑らかになるまで混ぜる。グラニュー糖を加えてすり混ぜたところに振るった薄力粉を加えて混ぜる。生クリーム、牛乳、溶かしバターも加えて混ぜ、あればバニラエクストラも数滴加える。焼く容器にバター(分量外)を塗り、グラニュー糖(分量外)をふったところに皮をむいて刻んだ洋梨とブルーベリーを入れて卵液を流して、180℃に予熱したオーブンで30分焼く。
焼き上がったところに粉糖をふればおしゃれに。さらに刻んだ洋梨を洋梨のリキュールにからめておけばさらに香り高くなる。
クラフティに使うフルーツは季節のものならなんでも。この時季ならイチジクやみかん、もう少ししたらいちごなどもおすすめ。

最後にこの時季楽しみたいお店で食べるベイクスイーツもご紹介。
まず骨董通りのなかほどにあるパンケーキの名店、APOCの焼きリンゴ。スパイスをふんだんに使った大人の焼きリンゴで温めたものにバニラアイスクリームを添えてくれる。

りんごとバニラアイスの組み合わせなら、代官山のヒルサイドテラスにあるMATSUNOSUKE N.Y.のビッグ・アップルパイもこの時季だけのお楽しみ。紅玉が出回る3月までの限定メニューだ。

自由が丘に移転したル・スフレの焼きたてのスフレもやっぱりこの時季に食べたくなる逸品。ふわふわに焼き上がったスフレにスプーンを入れる瞬間は本当に幸せな気持ちになる。

お腹も心も温まるベイクスイーツを楽しんでみては?

 

*次回は12月10日(月)更新予定です。

 

『arikoの食卓』

 『arikoの食卓 -もっと食べたい-』

『arikoの黒革の便利帖』
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Written by ariko
ariko

CLASSY.、VERY、HERSなどの表紙やファッションページを担当する編集ライター。日々の食卓をポストしているInstagramが、センスあふれる美味しそうな写真と食いしん坊の心を掴む料理で話題に。現在、フォロワー数は98000人を突破。Instagram@ariko418

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