
冬の楽しみは鍋
今年の冬は暖冬とのニュースの通り、木枯らし1号も吹かず、12月に入っても20℃を超える日も多く、なかなか寒くならない。屋外でロケする身にとってはありがたいがやっぱり冬は寒くないとしまらない。
冬の楽しみはなんといっても鍋。気温がぐんと下がると身体が芯から温まる熱々の鍋はなによりのごちそうだ。贅沢なふぐちり、辛旨な火鍋、エスニックなトムヤムクン鍋などお店でしか食べられない絶品鍋ももちろん楽しみだが、簡単にできて献立の主役になってくれる鍋は台所を預かる主婦にとっても助かるメニューだ。
今回は我が家で好評の鍋をいくつか紹介してみたいと思う。どの鍋も冬だけでなく一年を通して楽しめる自慢のラインナップだ。
まず、30年来作り続けているのが、ザーサイ鶏団子鍋。細かく刻んだザーサイ入りの鶏肉団子は軟骨入りのようなコリコリとした歯触りと発酵食品ならではの深みのある味わいがなんともいえない美味しさ。スープにも旨みがにじみ出て〆の麺まで味わい尽くすことができる。一緒に合わせるのは水菜とニラの青菜にエノキダケ。肉団子はそのままでも美味しいが、豆板醤やラー油で辛みを足してもいいし、ポン酢ならさっぱり食べられる。
鶏挽肉600gに刻んだザーサイを大さじ6程度、そこに長ねぎのみじん切り1/2本分、おろししょうがひとかけ分、卵1個、片栗粉大さじ2を加えてよく混ぜるだけ。
ザーサイに塩気があるので味付けはしなくても大丈夫。それを沸かした湯にスプーンでぽとん、ぽとんと落とすだけ。浮き上がってきたら、野菜を加えて。仕上げにごま油をひと垂らししてもいい。〆はやわやわのうどんか細めの中華麺がおすすめだ。
ふたつめは白だしベースの豚しゃぶ鍋。豚しゃぶはどのお宅でもヘビロテメニューだと思うが、我が家では白だしでスープに味をつけている。
水に白だしをお吸い物よりちょっと濃い目に加えて沸かしたところに、にんにくをひとかけそのままと生姜の薄切りを数枚。そこに湯通しした油揚げを加えて、しゃぶしゃぶ用の豚バラとほうれん草をさっとくぐらせて各自で食べるだけだが、薬味でひと工夫。刻んだキムチにポン酢を少々たらすといくらでも食べられる。白ごはんにも合うので育ちざかりの子供たちにも喜んでもらえること間違いなしだ。〆はやっぱりうどんが合う。
そして最後はピェンロー。言わずと知れた妹尾河童氏が広めたと言われるレジェンド鍋。
冬の美味しい白菜をたっぷり使い、そこに豚バラの薄切りと鶏モモ肉、春雨を組み合わせる。味の決め手はなんといっても干し椎茸だ。戻し汁もすべて加えることで、だしなど使わなくても驚くほど深い味わいに仕上がる。たっぷり加えるごま油もしつこいどころかまろやかでいい香りに。詳しい作り方はネットなどを検索すれば簡単に出てくるのでおまかせする。
こちらも我が家流に変化をしている。本来は味をつけず、各自で取り分けたところに塩で味付けするのだが、我が家では始めから塩味をつけてしまう。そのほうがわしわし食べられると家族には好評だ。息子はそこにポン酢を少したらすのがお気に入りだ。
この三品が揺るぎのない我が家のラインナップだ。
他にも、キムチと白菜をダブル使いするキムチ鍋や大晦日に食べることにしている年越し蕎麦を兼ねた鴨鍋も欠かせない。
最後に今年教えてもらってすっかり気に入ってしまった鍋情報をひとつ。
五反田にある鶏肉専門店信濃屋さんとその信濃屋さんがこの夏に近所に出店した鶏スープ専門店の信濃屋+(プラス)の両店で買い求めた新鮮で美味しい鶏肉と濃いスープで作る鶏鍋。
鶏モモ肉に挽肉で作るつくねも入る。野菜はばりばりとちぎったキャベツとニラというモツ鍋のようなコンビがなぜか合う。簡単でお店に負けない絶品鍋を家で食べられる究極の手抜き鍋としてこの冬、人気急上昇中だ。
*次回は1月14日(月)更新予定です。