食いしん坊仲間と行く大分の旅

食いしん坊仲間と行く大分の旅


遅ればせながら今年初めての更新、今年もよろしくお願いします(もう三月ですが…)。
実は年明け早々、体調不良で休日診療の病院に運ばれた結果、なんと心臓にウィルスが入って心筋が炎症を起こしていると緊急入院になってしまった。幸いなことに重症化は免れ、一週間半で無事退院することができた。その後も経過観察しながら過ごしているが、もうすっかり体調は元通りになった。というわけで今年もどうぞお付き合いくださいませ。

昨年末、大晦日まで数日という年の瀬、ハワイに住む仲良しが大分に急きょ里帰りすると聞きつけて、仕事納めも済んだことだしと言い訳して、思いきって別府の温泉と冬の味覚を楽しみに大分行きの飛行機に乗った。
一時間ちょっとのフライトで大分に到着。空港には食いしん坊仲間が手ぐすねを引いて迎えに来てくれていた。

冬の大分の楽しみは何と言ってもふぐ! 東京では絶対に食べられないリーズナブルな価格で極上のふぐ料理の数々が食べられるという。一日目の夜はさっそく本丸に突入ということで、お勧めのお店を予約してくれていた。

夜に備えて、到着後のランチは軽めにしようと大分冷麺の名店、六盛へ。この日大分は雪がちらつくほどの寒さだったにもかかわらず、店の前には行列が。三年ほど前に来た時には町の小さなラーメン屋さんのような店構えだったのがすっかり立派に建て替わっていて驚く。冷麺と同じくらいラーメンも美味しいと聞き、心が揺らいだけれど、ここは初志貫徹でさっぱり冷麺を。
韓国冷麺よりも日本蕎麦に近い滑らかな食感に滋味あふれるスープが美味しい。あっという間に完食してしまう。

冷麺でお腹がいっぱいなのにそのままで終わらないのが大分女の心意気。これも食べてほしいと向かったのが、若鶏のから揚げ専門店丸福。文字通り鶏のから揚げのみの専門店で、店内に入ると驚くことに精肉店のようにショーケースにきれいにさばかれた新鮮な鶏肉が部位別にきちんと並べられている。それを注文が入るごとにその場で揚げてくれるというシステムだ。
今昼食を食べてきたばかりだからとほんのお味見程度でと尻ごみしていたら、揚げたてをつまんでひと口食べた瞬間、そのカリッと香ばしくジューシーな美味しさに驚愕。ひとつ、またひとつと手が伸びる。結局、塩味も醤油味もと追加に次ぐ追加で気が付くと大量に平らげていた。

そこからやっと今回のお宿、別府明礬温泉にある岡本屋さんに到着。
明礬温泉というと美しいミルキーブルーのお湯が特徴で硫黄の香り漂うトロリと柔らかなお湯は別名、美人の湯とも言われる名湯だ。乾燥が気になるアラフィフの肌もしっとり潤い身体の芯までぽかぽか温まる。

雪もちらつく寒さのなか、ざぼんが浮かんだ大きな露天風呂に浸かっていると一年の疲れが溶け出ていく。あー、思い切って来てよかったと実感。

大分に滞在中感じたのは、大分っこたちはほんとうに温泉が好きだということ。街じゅうの至るところに温泉が湯気を上げているし、お風呂屋さんがたくさんある。それぞれがお気に入りの場所があり、友人などは隙あれば一日に何度も温泉に浸かろうとするほどだ。クラシックな木造やレトロなタイル張り、はてはモダンなインフィニティプール仕様までどこも趣向をこらした造りで飽きることがない。さすがは温泉県。こんなに充実していたら大分の人は家にお風呂があってもはいらないのではと思ってしまう。
そんなことを考えながらじっくり温まって出てくる頃にはすっかり暮れて夕食の時間になっていた。

今夜は宿の夕食を断って別府のフグ割烹店味ふくへ。食いしん坊ご推薦の名店とのことで期待は膨らむばかり。
付きだしの煮ここごりをつまんで待っていると現れたのは華やかに盛りつけられた見事なふぐ刺し。鴨頭ねぎを巻いてポン酢(これがまた美味)に浸して口に運ぶといくらでも食べられる。たっぷりあるので遠慮なく頂いても心が痛まないのがなんとうれしいことか。
その後、白子焼き、から揚げ、珍しいグラタンなどをいただき、ちりはステップして旨みたっぷりの雑炊で締め。これだけ頂いて信じられないほどのお値打ち価格に大分おそるべし。大分の食の豊かさに驚かされるばかりだ。

他にも鶏天発祥のでポン酢とカラシで食す鶏天や大分っこが愛して止まない友永パンのバターフランス、お土産にと友人が注文してくれていた香蘭荘のブランデーケーキなど、大分のグルメはもちろん、大分別府の町はどこか昭和の香りがするのが懐かしく、それがなんだかとても心地よい。

今回は温泉と美食以外にも海を望むこの地でうつわ作りをしていらっしゃる作家の阿南維也さんと亀田大介・文さんご夫妻のアトリエを幸運なことにお邪魔する機会をいただき、ひとめぼれした作品を分けてもらうこともでき幸せな気持ちで大分滞在を締めくくることができた。

温泉と食、まさに求めているものがある大分は何度来ても飽きることがない。この春休みや10連休もゴールデンウィークに訪れてみてはいかがだろうか。

*次回は4月8日(月)更新予定です。

 

『arikoの食卓』

 『arikoの食卓 -もっと食べたい-』

『arikoの黒革の便利帖』
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Written by ariko
ariko

CLASSY.、VERY、HERSなどの表紙やファッションページを担当する編集ライター。日々の食卓をポストしているInstagramが、センスあふれる美味しそうな写真と食いしん坊の心を掴む料理で話題に。現在、フォロワー数は98000人を突破。Instagram@ariko418

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