ぶっちゃけ寺出演で話題!泰丘良玄流・しんどい感情との上手なつきあい方


みなさん、こんな経験したことありませんか?

忙しくて、連絡をくれなかった彼に「どうして連絡してこないの!」とキレたり。
共働きなのに、夫が家事や子育てに消極的で「なんで、私ばっかりこんな目に遭うのよ!」と、こぶしを握り締めて許せない気持ちになったり。

必死で仕事をしているのに「結果を出せ!」と上司に怒られて、「私って、会社のお荷物なのかな」と泣きそうになったり。反対に、「覚えてろよ!」と毒づいてみたり。その他にも、誰かに嫉妬したり、相手と自分を比べてみたり、誰かを恨んだり…。

「穏やかに幸せに暮らしたい!」という思いは、なかなか現実にはなりません。

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かくいう僕も、お坊さんのバラエティ番組『ぶっちゃけ寺』の収録のため、新幹線に乗ったときのこと。
隣のサラリーマンが座席のひじ掛けに腕を乗せたんです。新幹線の座席ってひじ掛けが一つしかないので、僕は使わないようにしています。でも、それは “マイルール”。隣の人が使うのは構わないのですが、そのサラリーマンは我がもの顔でドサっと腕を置いたうえに、ひじ掛けの十数センチを飛び越えて“僕の陣地”まで肘を伸ばしてきたのです。

ったく。デリカシーがないよなあ……。……イラっときました(笑)。
お坊さんだからって、常に穏やかでいられません。

生きていると、たくさんのしんどい感情ともつきあっていかなければなりません。
では、どうすればいいのか?

それは…
『見方を味方にすればいいのです』

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「何を言っているの?」と思っている方もいるかと思います。

たとえば、「彼氏が何もわかってくれない!」と思っている人がいるとします。(多くの女性はそう思っているのかもしれませんが・・・(笑))

「彼氏が何もわかってくれない!」という意識の中には、「彼氏なら分かってくれて当然!」という意識が働いています。

まず、この時点で彼氏に対して難しい要求をしていることに気づきますか?
それは、この言葉の裏には、「相手をコントロールする」という意味を含んでいるからです。

「こうしてくれて当然!」=「こうしろ!」と言えば分かりやすいでしょうか?
あえて命令口調で言ったのは、「わかってほしい」とお願いをしているわけではないからです。それは、言われた方からするといい気分にはなりませんよね?

そもそも、相手の意識は変えられません。というか、相手の意識を変える権利は、本人以外持っていません。これは「相手軸」で考えてしまっています。

そうではなく、まずは「自分軸」で物事を考えてみませんか?
「自分は相手のことをわかろうとしているのかな?」と一回立ち止まって考えると、案外冷静に相手と向き合うことができます。

 
これが「見方を味方につける」ということです。仏教では、まずは「自分自身に目を向ける」こと。
自分が、自分自身を探求することによって、自分を変えていく教えです。

相手ありきの自分ではなく、自分ありきの相手。だから、どんな感情が襲ってきても、まず自分のことを考えてほしいのです。

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その昔、人気アニメだった一休さんは私と同じ臨済宗の禅僧でした。
彼の決めセリフはこれでした。
あわてない、あわてない。ひと休み、ひと休み……。

人生でつまずいてしまったら、無理に立て直そうとしないでください。
あわてず、一旦立ち止まって自分を顧みる。そうすることで、人生は楽になれると思うのです。

 

『平成の一休さんのポジティブ・トンチのすすめ 人生はブレていい。』

[PROFILE]泰丘良玄(やすおか・りょうげん)
1983年生まれ。愛知県出身。慶應義塾大学理工学部情報工学科卒業、花園大学文学部国際禅学科卒業。2007年より愛知県の徳源寺専門道場にて参禅修行。現在、臨済宗妙心寺派泰岳寺の副住職。お坊さんとして社会に何ができるのかについて常に考え、ブログなどを通して「仏教の教えやお坊さんの生活」を発信している。一般の方に向けた坐禅会や写経会なども行っている。