「だけサラダ」のすすめ

「だけサラダ」のすすめ


外食やこってりした肉料理が続くと無性に新鮮な野菜が食べたくなる。
「肉を食べるなら野菜はその三倍は食べるべし」という言葉を昔から信じていて、家でも肉料理のときにはたっぷりのサラダを用意している。暑さが厳しいこれからの季節にはほどよく冷たいパリっと食感のいい野菜たちは食欲を増してくれる。
しゃきっと歯ごたえのいいきゅうりや真っ赤なトマト、瑞々しいレタスやクレソン、最近東京でもよく見る水茄子やきれいなパープルのトレビスやアーリーレッドなど、夏場は新鮮な野菜がイキイキと元気に売り場に並んでいる。野菜が新鮮だから、シンプルがいちばん。手をかけなくても十分に美味しい。

色とりどりの野菜を何種類も取り合わせた華やかなサラダはそれだけでごちそうになるけれど、主菜に添えるサラダはきゅうりならきゅうり、トマトならトマトと潔く一種類だけで作る「だけサラダ」が最近の好みだ。

野菜の下ごしらえというのは意外に手間がかかるもの。レタスなどの葉物は一枚ずつはがして水に浸して水気をよく切って、キッチンペーパーに包んでから冷蔵庫に、きゅうりは皮をむいて塩でいたずりしてから切る。にんじんは皮をむいて細切りに、セロリは筋を取って…。ブロッコリーやアスパラガス、スナップエンドウなどは塩茹でにしなければならない。ひとつひとつは簡単なことでも何種類にもなるとめんどうくさい。一種類なら気軽に作れて献立にメリハリが出る。
我が家でよく食卓に上るシンプルな一種類野菜の「だけサラダ」をご紹介したいと思う。

まず始めはレタスとアンチョビのサラダ。
レタスはくし形に大きく切ってさっと水洗いしてから水気を切り、冷蔵庫で冷やしておく。ドレッシングはにんにくのみじん切りをオリーブオイルで炒めたところにアンチョビを加えてよく加熱して崩したものに赤ワインビネガーを少々。アンチョビに塩気があるので塩は控えめに。冷たいレタスにざっとかけて仕上げに黒胡椒をガリリと。
アンチョビとにんにくでパンチがあるので食べごたえがあり、おつまみにもなんならおかずにもなる一品だ。これを作ると我が家では家族三人でレタス一玉をぺろりとたいらげてしまう。

きゅうりもクセがないので「だけサラダ」にぴったり。切り方によってさまざまな食感で楽しめるのもうれしい。
いちばんシンプルなのは縞状に皮をむいて2~3㎝の輪切りにしたものに、レモン汁とオリーブオイルと塩胡椒、そしてあればディルをたっぷり合わせたもの。レモンの代わりにワインビネガーにニンニクのみじん切りを少々合わせたドレッシングも美味しいし、にんにくの代わりに粒マスタードにしても。醤油をちょっぴり加えてごま油にすれば和食や中華風の献立にもぴったり合う。

トマトにも醤油入りのドレッシングがよく合う。トマトと醤油のグルタミン酸が同じで旨みを補い合ってより美味しくなるようだ。
刻んだ玉ねぎやセロリ、パセリを入れた醤油ドレッシングで角切りにしたトマトを和えたサラダはしゃぶしゃぶの「ざくろ」やカレーの「トップス」で食べて感動して以来、よく作るようになった。少し砂糖を加えるとより美味しくなるような気がする。甘みをつけるとトマトはぐんと美味しくなる。
はちみつと酢に醤油少々と千切りにした生姜を加えた甘酢をかけたもののは食欲がぐんと落ちたときにも甘酸っぱくて食べやすく、すっとお腹に収まる。

ばりばりとちぎったキャベツは塩昆布と合わせて。あとは梅干しをたたいたものや梅酢、もしくは酢少々にだし醤油を合わせたものとお好きなオイルで手で揉むようにしてあえる。
このサラダもボウルいっぱいでもしゃきしゃきといくらでも食べられる。

オシャレなのが紫色のトレビス。ちょっぴりほろ苦い味わいは大人好みの味。同じ紫色のアンディーブと一緒に酸味の穏やかなバルサミコとオリーブオイルにローストしたナッツとフェタチーズ。野菜とチーズの組み合わせはコクが加わって味わいが増す。

ハワイで食べて気に入ったケールのサラダにはカッテージチーズ。同じくバルサミコとオリーブオイルにこちらはローストしたアーモンドとドライのクランベリーが入っていた。

こう考えるとシンプルな「だけサラダ」は無限にレパートリーが広がっていく。その日の献立に合わせてドレッシングを応用すれば気軽に楽しむことができる。
よくドレッシングは酢とオイルの割合が1:3といわれるが、酸っぱいのが好きなのでそれでは油っぽい。私は1:1で酢を勝たせたものが気に入っている。行きつけのイタリアンレストランのシェフに「イタリアではドレッシングなど作らない。サラダにはビネガーとオリーブオイルを直接かけてよく混ぜればOK」と教えてもらった。それ以来、ますます気軽にサラダを楽しめるようになった。

たっぷりのサラダは食べているだけで気分がいい。そしてメインの肉料理もより美味しく食べられる。今年の夏も猛暑なのは間違いないらしい。野菜をたっぷり摂って元気に乗り切りたいと思う。

 

*次回は7月8日(月)更新予定です。

 

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Written by ariko
ariko

CLASSY.、VERY、HERSなどの表紙やファッションページを担当する編集ライター。日々の食卓をポストしているInstagramが、センスあふれる美味しそうな写真と食いしん坊の心を掴む料理で話題に。現在、フォロワー数は98000人を突破。Instagram@ariko418

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