あなたなら、どんな決断をする?
「究極の思考実験」で、ワンランク上の思考力を手に入れる!


「究極の思考実験」と聞いて、「何かのスペシャリストのための問題?」「自分には難しそう……」などなど、尻込みしている方はいらっしゃいませんか――? いえ、安心してください。本書に掲載されている、一見「答えもないのに、なぜこんなことを考えるの?」と思うような「思考実験(問題)」の数々は、次々に選択していくことで、あくまで楽しみながら、私たちの考える力、決断力を鍛えることができる、嬉しいトレーニングとなるのです!

本書は、「思考実験」に関する著書も多く、著者累計24万部(!)を誇る人気パズル作家・北村良子さんの、待望の新刊。「思考」「命」「近未来」「倫理」の4つのテーマから、“27の究極の選択”に迫ります。

究極の思考実験 ―選択を迫られたとき、思考は深まる。―
1,200円+税
ワニブックス刊

そもそも「思考実験」って、なあに?

「思考実験」とは、自分で考え、自分の答えを導き出すための問題のこと。この「思考実験」に、正解不正解はありません。では、なぜこのような問題が存在すると思いますか? それは、「思考実験」に取り組むことで、自らの考えを確立し、自分を知り、思考をまとめる力を育むという、大きなメリットがあるため。

あの、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授による公開授業『白熱教室』でも、この「思考実験」(本書収録「暴走トロッコと6人の作業員」)が取り上げられています。

それでは、さっそく皆さんに、これら「思考実験」のひとつを、実際に体験していただきましょう!

あなたは「五億年ボタン」を押す? 押さない?

あなたはある日、こんなアルバイトを紹介されました。
「このボタンを押すだけで、100万円が貰えるアルバイトです」

そのボタンを押すと、何もない空間に飛ばされ、たった1人で5億年を過ごすことになりますその間はお腹もすきませんし、眠くもなりません。
常に意識はクリアで、病気になることも、死ぬこともありません。
ただ、何もない場所で1人、5億年生きるだけです。
5億年が経つと、その間の記憶がすべて消されて、体も記憶もボタンを押した直後に戻り、100万円を受け取れます。
つまり、ボタンを押したらすぐに100万円が貰えたと感じることになるのです。
あなたはこのボタンを押して、100万円を受け取りますか?

さて、あなたなら、次のどちらを選びますか?

――――――――――――――――――――
>> A 「五億年ボタン」を押す
>> B 「五億年ボタン」を押さない
――――――――――――――――――――

よく考えて、どちらか、選択してみましょう!

「経過」を重視するか、「結果」を重視するか?

みなさんは、5億年と聞いて、どれくらいの時間かを想像できますか? たとえば、100万年前は、現代人どころか、歴史の授業で習ったネアンデルタール人も誕生していません。恐竜が絶滅したのが、約6600万年前といわれていますから……。いずれにせよ、想像できないほど長い期間ということだけはわかりますね。

この「思考実験」では、「5億年を過ごした対価として100万円を受け取る」と捉えるのか、「ボタンを押すという行為に対して100万円を受け取る」と捉えるのかで、選択は変わってきます。つまり、経過を重視するのか、結果を重視するのかの2択といえます。

おそらく、多くの人は5億年という途方もない時間をたった1人で過ごすことに、恐怖を感じるでしょう。経過を重視する場合、「どのくらいの苦痛に対してどのくらいの対価を得ることができるか」という思考をします。一方で、結果を重視する人にとっては、20億年だろうが、100年だろうが、ボタンを押すという「一瞬」に変わりはありません――。

さて、皆さんは「どういう理由」で「A」「B」の、どちらを選択しましたか?

ちなみに、みんなはどう考えた!?

この「思考実験」にまつわるアンケートをとったところ、圧倒的に「ボタンを押さない」が89%と、多数派となりました。押す人は「100万円貰える」、押さない人は「5億年過ごすのは無理」と、注目するポイントが違うようです。

ちなみに、「押す」と答えた人は、どう“思考”したのでしょうか?

「単純にお金が欲しいから。5億年はとてつもなく長いと感じるだろうが、最終的にその記憶が消えることが確定しているならボタンを押す(34歳女性)」
「5億年を1人で過ごすのはきついだろうけど、ボタンを押す前に5億年後に元に戻ることができるとわかっていたら、耐えられると思う(67歳男性)」

そして、「押さない」と答えた人は、どう“思考”したのでしょうか?

「5億年ただ生きているだけなんて、精神がもたないと思う(55歳男性)」
「記憶がなくなるとはいえ、5億年過ごすのは怖い(26歳女性)」
「5億年という途方もない時間を、たったの100万円で過ごすと考えると、損しているとしか感じないから(24歳女性)」

いかがでしたか? 恐ろしいように感じられる5億年という時間も、思考によっては、まさに一瞬……。究極の選択をしたあとに、アンケート結果を見てほかの人の選択理由を知ることで、「こういう考えもあるのか!」と、少しずつ思考の幅が広がり、深まっていく自分に気づくはずです。

本書に掲載された、27のシチュエーションにおける究極の選択を終えたとき、きっと、あなたはワンランク上の思考力を手に入れていることでしょう!

\9月21日(土)発売!/
究極の思考実験 ―選択を迫られたとき、思考は深まる。―
北村良子:著

北村良子
パズル作家。1978年生まれ。企業のキャンペーンや、WEBで展開するイベント、書籍や雑誌、新聞、TV番組などに向けたパズルを作成している。著書に『論理的思考力を鍛える33の思考実験』(彩図社)、『考える力を鍛える論理的思考レッスン』(マガジンハウス)、『1日1問! 面白いほど地頭力がつく思考実験』(PHP研究所)など。