ホルモンバランスを崩しやすい女性が、まずやるべきことは?

ホルモンバランスを崩しやすい女性が、まずやるべきことは?



植物療法士の南上夕佳さんに、女性が取り組むべき「からだづくり」について語っていただく新連載。
20代で若年性更年期障害と診断された南上さんが、
病気を克服し、30代で妊娠・出産・子育てを経験するまでに行っていたこと。

第1回はホルモンバラスを崩しやすい女性が、まずやるべきことについて。


はじめまして。
植物療法士の南上夕佳です。

私は今、第二子を出産したばかり。
約10年前に体験した若年性更年期障害を植物療法で乗り越えて、ありがたいことに妊娠、出産を2度迎えることができました。今は産まれたばかりの娘と、1歳になる長女の育児に追われています。

ホルモンバランスを崩してしまいやすい多くの女性に、私の体験をシェアすることで、自分と向き合う時間や、ケア方法の選択肢が一つでも増えるきっかけになればと思っています。

女性にとって大切なのは、ホルモンや自律神経といった繊細なバランスを整え、心身を内側から健康にしていくこと。妊娠できるからだづくりから、妊娠中、出産、産後、育児といったシーンで活用できる植物療法を「自然ぐすり」と呼んでこれからお伝えしていきます。


(イメージ:写真AC)

私が植物療法に出合ったきっかけとなった「若年性更年期障害」。
まずはその不調をどう乗り越えたかをお話します。

まだ20代の頃、当時仕事が終わるのが夜遅く、休みの日もほとんど仕事に費やし、充実していると思っていた矢先に、若年性更年期障害がじわりじわりと襲ってきました。

肌や粘膜が乾燥し、髪の毛が抜けはじめ、ほてりと極度の冷え、寝汗などの症状が徐々に表れ始めたのです。気づけば生理は3か月ほど来ていない。疲れのせいだろうと自己判断し、病院に行く時間もないという理由で、しばらくは若さと体力でカバーしていましたが、そのうちに人と会うことが億劫になり始め、しまいには電車にも乗りたくないというように精神へも影響が出始めました。

そんな異常事態が続いた頃、病院へ行って検査をしてみると‥‥婦人科の血液検査でなんと!閉経を表すような数値が出てしまったのです。血液検査の紙にはエストロゲン分泌の値を知るための数値が0.1以下とはっきり。

どうりで生理もなく、更年期特有の症状が起きているわけだ。と、しっくりきたのとともに、訳がわからず悩み続けた辛い諸症状の原因がわかって、少しほっとしたというのも事実でした。原因がわかれば対応策も見つけやすいからです。そこから植物療法と出合い、学びながら実践する日々が続きます。


(イメージ:写真AC)

私がホルモンバランスを整えるにあたって最初にトライしたのはストレス対策でした。仕事のストレスによってホルモンバランスを崩していたので、ストレスに対して効果の高い高麗人参を飲むことに。

韓国政府が公認している正官庄の高麗人参エキスはとっても苦いけれど、摂ると朝の目覚めが良くなったり、何より疲れにくくなるのがすぐにわかりました。しばらくは毎日飲み続け、ストレスに強いからだを作ります。

私の場合は、出かけるのもしんどかった程の疲れやすさから体力がどんどんとついていき、疲れにくく、たとえ疲れたとしても寝るとちゃんと体力が回復していくようになりました!

高麗人参は朝や日中に飲むことをおすすめします。中でも、6年根と呼ばれる高麗人参を選んでみてください。土の中で6年間過ごし栄養をたっぷり蓄えたものが、ストレスを予防したりケアしたりする効果が高いと言われています。もし高麗人参が手に入りにくい場合は、韓国料理屋で参鶏湯を食べてみましょう。丸鷄と高麗人参やなつめなどの生薬が入ったスープを飲むだけでも、効果を実感できますよ。


(イメージ:写真AC)

高麗人参の他にもおすすめのストレスケアハーブはエゾウコギ、別名シベリアンジンセン。高麗人参の仲間で、副腎疲労とよばれるストレス過多の方にぴったりなハーブです。ストレス耐性も強くしてくれるので、疲労がたまりやすい方は集中して摂るのがおすすめ。

高麗人参もエゾウコギもどちらも根を用いるので、お鍋でコトコト煮だして飲むか、すでにハーブ抽出液(タンチュメール)やサプリメントになっている形状のものを利用してみてくださいね!

ストレスは目に見えないけれど、私たちのホルモンバランスや免疫などへもダイレクトに影響を及ぼします。まずはからだの土台から少しづつ整えるこれらのハーブをぜひ生活に取り入れてみてください。

バナーイラスト/いいだあやか
>>https://ayaillustration.amebaownd.com

自然ぐすり生活
著:南上夕佳

身近にあるハーブティーやサプリを摂ったり、精油を使うなど、日々の生活に取り入れやすく、ゆっくりと体の調子をととのえていく植物療法。誰でも今すぐに実践できる、ライフスタイルや悩みに合わせた〝自然ぐすり〟を一挙公開!  どんなものを、どうやって取り入れたらいいのか、すぐにわかる本当に実用的な1冊。


Written by 南上夕佳(なんじょう・ゆか)
南上夕佳

植物療法士、ルボア フィトテラピースクール副代表。

ホルモンバランスを崩したことをきっかけに植物療法専門校「ルボア フィトテラピースクール」にてAMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定資格を取得。
日本における植物療法の第一人者 森田敦子に師事し、森田と共に啓蒙活動を行いながら、自身の体験を活かし女性のライフステージに合わせた健やかな美しさと幸せをテーマに、数々のセミナーやカウンセリングを行う。確かな知識と、実際の経験に基づいた説得力のある講義は、明解でわかりやすいと定評がある。著者に「自然ぐすり生活 」(小社刊 )。

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