体型に劣等感を持たないで! 「手作り服」ですべての人を美しく【前編】


「買った方が安いものもあるのに、なんで作ってしまうんだろう? と、ふと我に返る時があるんです。
だけど、結局『自分で作ってみたいから』『作るのが楽しいから』という答えに行きつくんですよね」――。

かつて「家庭科3だった」というイラストレーターの津田蘭子さんは、今、365日を自らの手による「手作り服」で過ごされています。とはいえ、津田さんの肩書は、けっして洋裁家ではありません。もともとは学校の家庭科以外、洋裁経験ゼロの“洋裁シロウト”である津田さん。
10年ほど前から洋裁の「沼」にハマり、今ではカットソーなどのインナーからアウター、ボトムスなどの普段着はもちろん、セレモニーやオケージョンまで、なんと、すべてが手作りなのだそう!

ここでは、『家庭科3だった私が365日、手作り服で暮らしています。』を出版された津田さんに、「手作り」への想いについて、特別にお話をうかがいます。


撮影:中島千絵美

――「家庭科3だった私がワードローブ100%手作り服になりました。」「家庭科3だった私がバッグも小物も100%自分サイズで手作りしました。」に続き、「家庭科3だった私が365日、手作り服で暮らしています。」の発売、おめでとうございます!

津田:まさか「家庭科3だった私が」というシリーズで、3冊も書くことになるとは、当初は想像していませんでした。また、自分の中に、こんなに書きたいことがあったんだな、ということにもちょっと驚いています。

今回の本は1作目に比べると、少しレベルアップした内容になっているので、1作目では物足りなかった方や、もう一歩階段を上がりたいと思っている方にも楽しんでいただけるのではないかと思っています。
レシピもページの許す限り詰め込んだので、本当にこの一冊で、一年中手作り服で過ごせてしまいますよ。


撮影:中島千絵美

――奇しくも、シリーズ1冊目となる「家庭科3だった私がワードローブ100%手作り服になりました。」の発売は2020年3月……。コロナ禍でステイホームを強いられるなか “手作り”に目覚めた人々のニーズと合致したかたちとなりました。

津田:私の場合は、仕事場が自宅ということや、もともとインドア派だったこともあり、ステイホームだからといって生活が大きく変わるということはなかったのですが、人に会う機会はかなり減ってしまいました。
服というのはそもそも、社会とつながるためのツールだと考えています。裸では外に出ていけないし、着ている服はその人のパーソナリティの一部だと思うからです。人に合わない生活になると、服の必要性が薄れてしまいますよね。なので、この状況の中で服作りの本はタイミングが悪かったな~と思っていたんです。だけど実際は、外に出られないことが、「作る」ための時間に当てられるようになって、洋裁にチャレンジされる方が増えました。

おそらく、作りたい欲求というのはもともとあったんですよね。洋服に限らず、何かを作るのが楽しいということは、人って潜在的に知っているのだと思います。子供の頃は、泥遊びや粘土遊びに夢中になりましたしね。時々、自分でも洋服や小物を作っていて「買ったほうが安いものもあるのに、なんで作ってしまうんだろう?」と、ふと我に返る時があるんです。だけど、結局「自分で作ってみたいから」「作るのが楽しいから」という答えに行きつくんですよね。


撮影:中島千絵美

 ※後編は5月2日更新予定です。

大好評発売中!
365日、手作り服で暮らしています。
津田 蘭子:著

◆津田蘭子(つだ・らんこ)
熊本市出身。武蔵野美術大学短期大学部卒。2001年からフリーのイラストレーターとして雑誌、書籍、広告、webなどのイラストを多数手がける。毎日着ている洋服は100%手作り服。年間100着以上の服を作っている。著書に「今日もネコをいただきます。」「家庭科3だった私がワードローブ100%手作り服になりました。」「家庭科3だった私がバッグも帽子も小物も100%自分サイズで手作りしました。」(すべて小社刊)「その服捨てるのちょっと待った! リメイクしたらオンリーワンができました。」(JTBパブリッシング)がある。ブログ「ねこもしゃくしも」では、ハンドメイドの服や小物の数々を発表し、人気を博している。
HP:https://blog.goo.ne.jp/t-ranko