普段着のピザ

普段着のピザ



イタリア在住のイラストレーター・マンガ家のワダシノブさんが、
イタリアの暮らし・文化・人などの情報をお届け!
ワダさんが思う、本場イタリアのピザ事情とは?



(イラスト:ワダシノブ)

イタリアで何年か暮らすうちに気付いたことの1つに、イタリアにおけるピザのポジションは日本でのうどんとほぼ同じだということがある。
原材料が小麦粉だということもあるが、実はそれ以外にも共通点がたくさんある。

・どこにでも店がある。街のコーナーごとにお店がある。
・シェアしない。1人で食べることも、大人数で食べることもあるが、基本的にはシェアして食べない。1人1枚が基本。
・メニューで悩まない。みんな、自分の定番がある。
・安い。切売りなら3~5ユーロ(日本円で約400~650円)、1枚丸ごとなら6ユーロ~(約800円~)。
・トッピングの選択肢が多い。
・注文してから出てくるまでが早い。

子どもはだいたい好きだということも、ピザ=うどんといえる理由の1つかもしれない。

香川県がうどん県なら、ピザ県はピザ発祥の地であり、イタリアで一番美味しいピザが食べられるナポリだろう。もちろん、福岡うどんや稲庭うどんを最高だと考える人がいるように、ローマピザを最高だと考える人もいるし、フォカッチャこそが最高のピザという人もいる。どこのうどんもどこのピザもだいたい美味しい。
ピザ濃度が高い国で、さらにピザ県ナポリ出身者のパートナーと暮らしている私は、なんだかんだで週に1度はピザを食べている。

ピザをうどんだと思えば、イタリア人のピザに対するテンションが「今日は(みんなでパーティ!な)ピザ!」ばかりでなく、「今日は(疲れて家から出たくないから)ピザ」と、かなりが低い日があることも納得できる。外で友達と食べるピザは気分が上がるけど、家で食べるピザはそうでもない。それでもピザはピザだ。

買いに行くか、宅配するか、冷凍のものを食べるか、作るか。わが家では昼はスーパーかパン屋、ピザ屋のいずれかで買うことが多い。

問題は夜だ。宅配をとるのはもったいない。冷蔵庫が小さいため、冷凍食品の買い置きはできない。かといって、わざわざスーパーまで買いに行くのもめんどくさい。
これらの3つの理由から、家ピザはパートナーが作る。材料は小麦粉・オリーブ油・水・塩・イースト。いつからかこれだけは家に常備してあるようになった。

ここ数年は友人から譲りうけたパン焼き器のおかげで、1時間くらいで生地ができる。できたピザ生地にトマトの水煮を塗って、オリーブオイルと塩をふる。あとはオーブンの最高温度で焼いたら完成。
大騒ぎするほどでもない普通のピザ。それを「たまにはうどんが食べたいな」と思いながら、週に1回食べている。

Written by wadashinobu
wadashinobu

イラストレーター・マンガ家。広島県生まれ、イタリアのトリノ在住。 日本で出会ったイタリア人パートナーの帰国に付いて、2007年からイタリア生活を始める。 イラストのほか、noteやPodcastでイタリア生活や趣味について発信している。 Twitter @shinoburun https://note.com/shinobuwada https://www.youtube.com/channel/UCqLFGJZJN5htqGIdhSCD3Vg

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