6/21日頃のテーマ:「夏至」の過ごしかた

6/21日頃のテーマ:「夏至」の過ごしかた


人気の漢方専門家・櫻井大典先生に、季節「二十四節気」に合わせた中医学について学ぶ、心と身体のための「かんぽう歳時記」がスタートします。

「二十四節気」とは、立春、夏至など、太陽の動きをもとに一年を二十四分割し、それぞれの季節の特徴を表す、古代中国で生まれた“こよみ”のこと。
中医学は「季節の養生」と言われるほど“こよみ”を大切にしています。
そこで、この二十四節気ごとに、おすすめの食材(パワーフード)や養生法などを、たっぷりとご紹介!

数千年という歴史に裏づけられた、中医学の“知恵”を学びながら、日本の美しい四季おりおりを、もっと元気に、もっとたのしく、過ごしてみませんか――?

第1回は、「夏至(6/21頃)」です。

 

「夏至」って、どんな季節なの?

大気中の陽気がもっとも高まり、頂点に達する時期と言われます。
月にたとえるなら、まさに満月。梅雨でジメジメしつつも、内なるテンションの盛り上がりを感じる人も少なくないかもしれません。
とはいえ、気候的には「夏至」以降どんどん暑くなっていきますから、「清暑(せいしょ)」といって暑さを清め、体内にこもった湿気や熱を取り除くことが大切になっていきます。


(イメージ:写真AC)

 

「夏至」のパワーフードは?

「夏至」の頃におすすめの食材(パワーフード)は、ズバリ、緑豆
中医学では寒性といって、身体を冷やし、熱を取り除く効果があります。緑豆になじみのない人は、緑豆もやしや、緑豆春雨でもいいですよ。ただし、春雨の場合、緑豆で作られたものと、じゃがいもで作られたものの2種類がありますので、かならず緑豆の春雨を買うようにしてください。また、緑豆そのものが手に入ったら、コトコト煮て、ぜんざいにしてもいいですね。

また、涼性セロリ、それから意外なところで湯葉もおすすめ。
湯葉には熱を取り除く力があり、かつ、精神を落ち着けてくれる働きのある食材です。

(※)「五行論」に基づく、食べ物が持つ5つの性質「寒、涼、温、熱、平」を、「五性(五気)」といいます。その食べ物を食べたときに、体内で身体を温めるか、冷ますか、あるいは寒熱のかたよりが起こらないかによって分類され、いずれにも属さず、かたよりのないものが「平性」となります。


(イメージ:写真AC)

 

「夏至」の頃の、心と身体の状態は?

熱がこもり、かつ、湿気がたまりやすいので、肌荒れやアトピー性皮膚炎などが悪化しやすい時期。
ほかにも、湿疹や水疱などの肌トラブルに悩まされている人も多いことでしょう。

また、湿度が高まるのでお腹も弱りやすく、軟便や下痢などを起こしやすい時期です。そして、胃腸が湿度にやられると、いろいろなものがたまりやすくなり、そこから、メンタル面でも、気分の落ち込みや思い悩みなどの症状にもつながっていきます。

 

「夏至」の過ごしかた(養生)は?

陽気が盛んになり、テンションの上がる時期なので、ぜひそれに合わせて行動してほしいのですが、一方で、食事や養生で熱をこもらせないよう、しっかりブレーキをかけておいてほしいと思います。

熱がこもると、潤いが足りずコントロールが出来なくなります。熱がこもったまま秋になり乾燥すると、身体中の潤いを消耗。次に来る秋は乾燥のシーズンですから、咳が出るなど呼吸器系のトラブルが出やすくなります。また、熱を冷ますための潤いが足りないので、熱が出やすくなったりします。

そこで、夏場は外で汗をかく活動をしたり、お風呂でもしっかり染み出るような汗をかくことが大切。足湯や半身浴もいいですね。とにかく、汗を出して体の中にジュクジュクとした湿気をため込まないようにすること、そして、冷えに気を付けることを心がけてみてください。

また、湿度対策としては、冷たいものを摂り過ぎないことや、水分を摂り過ぎないことをベースに、除湿剤や除湿器を活用してもいいでしょう。ちなみに、この時期に快適とされる湿度は、45~50%くらいです。ぜひ、参考にしてみてくださいね。


(イメージ:写真AC)

 

「夏至」の中医学的・たのしみごと

この時期は、とにかく気分を高揚させる、つまり、テンションを上げることが大切です。そこで、ぜひ皆さんの“テンションが上がる“ことを見つけ、トライしてみましょう。
今は感染症予防の問題も関わってきますが、基本的には気持ちが高まるコンサートやお祭りなどをたのしんでほしいところ。そういったイベントで気持ちを高揚させて、身体の中の気や血(けつ)をしっかりとめぐらせてほしいのです。

今の梅雨の時期は家にジッとこもる日も多いかと思いますが、梅雨の晴れ間には外に出て、思いっきり活動し、しっかりと汗をかいてみてください!

6月下旬は、まだ梅雨が明けないということもあり、「陽気がもっとも高まり、頂点に達する時期」ということに、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、私たちの心と身体はしっかりと“こよみ”通りに動いています。

ぜひ、テンションUP↑でたのしく汗をかき、「夏至」の頃を過ごしてみてくださいね!

*次回は7月6日(火)更新予定です。

構成・文/国実マヤコ
バナーイラスト/Sunny

『櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活』

『気楽に、気うつ消し』

Written by sakurai_daisuke
櫻井大典

アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国・首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格取得。日本中医薬研究会に所属し、同志と共に定期的に漢方セミナーを開催。中医学の振興に努めている。
SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず新たな漢方ユーザーを増やしている。
主な著書に『こころとからだに効く! 櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活』(当社)、『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方食材帖』(ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)。監修に『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』ほか多数。
Twitter: @PandaKanpo
HP:https://yurukampo.jp/

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