人気漢方家が教えるストレス処方箋 『気楽に、気うつ消し』で、人間関係も仕事もラクになる!
今のこの時代、先行きの見えない世の中に、ただ“生きているだけ”でも多くの人がそれぞれの不安を抱えていることでしょう。そんな日々のなかでも、電車に乗り、仕事をこなし、家事や育児をこなし、“これまで通りの生活”こなそうと頑張って、このストレス社会に慣れてしまっているのではないでしょうか?
多数のベストセラーを持ち、SNSで日々わかりやすい養生情報を提供し続けている人気漢方家・櫻井大典先生の新刊『こころの不調に効く! 気楽に、気うつ消し』では、私たちが陥りやすい“4つのストレス”を取り上げるとともに、その対処法がくわしく紹介されています。
ストレスの原因を「可視化」せよ!
私たちは日々の生活を送っているだけで、さまざまなストレスにさらされています。そして、そのストレスは意識的に解消しないかぎり、自然に消えることはありません。そこで、最初に大切なのは、ストレスの正体を正しく知ること。生理学者のハンス・セリエはストレスの種を「ストレッサー」と名付けて、次の4つに分類しました。
さあ、あなたの「ストレッサー」は、どれに該当しているでしょうか? おそらく複数にまたがる人が多いはずですが、それを“自覚”できていない人も少なくないでしょう。まずはここで、自分のストレス源をしっかりと認識しておきましょう!
◇物理的ストレス
気温や気圧等の気象条件、雑踏の喧騒や工事現場の騒音、ネオン看板の強い光、不快な匂い、放射線など、特に、都会に溢れているストレッサー。
◇化学的ストレス
食品添加物や洋服の化学繊維、化学薬品や薬など。化学繊維で肌荒れを起こす、薬を飲んで蕁麻疹が出るなどの症状となって現れます。光化学スモッグや排気ガス等の公害や、酸素が少ない場所に滞在することによる影響も含まれます。
◇生物的ストレス
ウイルスや病原菌がストレッサー。今は、世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされ、ストレスフルな状態にあるといえます。
◇心理的ストレス
主に人間関係や環境などから呼び起こされる、怒りや悲しみ、喪失感、緊張、不安といった感情がストレッサーになるケース。他人の言動や環境の変化に敏感な人ほど、強いストレスを感じる傾向があります。
これらの「ストレス」の傾向と対策をチェックするためには、自分が何にストレスを感じ、その都度、どんな行動をとったかを書き出す「ストレスノート」もおすすめ。具体的なノートの付け方は、本書内にくわしく説明がありますので、ぜひチェックを!
パーソナルスペースが狭い日本
不要不急の外出を控え、ソーシャルディスタンスを保つことが、すっかり「ニューノーマル」となりつつあります。多くの人が、この不自由な自体の収束を望む一方で、もともとコミュニケーションに苦手意識を抱いていた人たちのなかには、むしろストレスが少なくなったと感じている人もいることでしょう。
というのも、そもそも日本は、人間がプライバシーを守るのに欠かせない「パーソナルスペース」が非常に狭いからです。住居自体もさほどゆとりのある作りではないだけでなく、満員電車、渋谷のスクランブル交差点などは、外国人にとっては観光スポットになるほど! もしかすると、赤の他人とのすし詰め状態に耐えられるのは、世界中でも日本人くらいかもしれません……。
そんな物理的な距離の近さが、メンタル面にも影響していることに気づいている人は、いったいどれだけいるでしょうか。ファッションや身だしなみ、髪型など、必要以上に他人の様子が気になってしまうのは、パーソナルスペースが狭いからこそ。裏を返せば、「自分も人からの評価を気にしている」ということ。生きづらさを感じるのも仕方がないのかもしれませんが、そんな日本の環境を知っておくだけでも、自分のストレス源への認識が変わっていくことでしょう。
「気がつく」ことに弊害がある!?
「気を遣う」という言葉は、中医学的にいうと、まさに言葉の通り「気」を使っている状態。「気」は目に見えませんが、私たちの身体と心を健全に維持しているために欠かせないエネルギー。したがって、気を遣うたびに、あなたのエネルギーは減ってしまう、というわけです。
つまり、周囲からは「気遣い上手」「気が利く人」などと重宝され、好感度が高い人ほど、当の本人は四六時中気を遣い、気を配り、どんどん“消耗”しているのです。そして気が消耗すると、あなたのメンタルにも大きな影響を及ぼすことに……。最近よく耳にする「HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)」という気質を持つ人に顕著な傾向ですが、生まれつき感受性が強く繊細な性質な人は、普通の人が気がつかないところまでみえてしまい、社会の中では生きづらさを抱えてしまうことになります……。
もちろん、人の性質に正解も不正解もありません。ただし、社会での多数派は、どこか鈍感に見える人たちのほうであるということを認識するとともに、「自分は繊細なタイプである」と自覚しておくだけでも、あらゆる場面で柔軟な対応をすることができるはずです。
ストレス耐性のある、強い心を育む「睡眠」
メンタル面での修復に睡眠が不可欠であることは、多くの人がご存知でしょう。しかし、ただやみくもに眠ればいい、というわけではありません。
中医学では「子午流注」という考え方があり、これは五臓六腑のそれぞれが活発に働く時間帯に則って生活することをすすめるもの。それによれば、理想的な睡眠スタイルは、午後9時頃にベッドに入り、午後11時から午前3時まではしっかり眠ること。午後9時から11時までは、血や消化吸収した水分を体内でスムーズに運べる時間帯で、この働きが弱ると体内に不要物が溜まりやすくなってしまうからです。
もちろん、午後9時頃にベッドに入ることは難しいという人がほとんどでしょう。しかし、中医学の基本的な考え方では、「心と身体は同じもの」。ますは5分でも10分でも早くベッドに入ることを心がけてみてはいかがでしょうか?
『気楽に、気うつ消し』では、ここでご紹介した以外にも、人間関係や仕事のストレスを遠ざけ、心の不調を改善する方法や心がけが掲載されています。すぐにでも取り入れられる簡単なものばかりですので、ぜひ“気楽に”取り入れてみてください。日々の不安も、モヤモヤやイライラも、きっとラクになるはずですよ。
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