7/7日頃のテーマ:「小暑」の過ごしかた

7/7日頃のテーマ:「小暑」の過ごしかた


人気の漢方専門家・櫻井大典先生に、季節「二十四節気」に合わせた中医学について学ぶ、心と身体のための「かんぽう歳時記」。

中医学は「季節の養生」と言われるほど“こよみ”を大切にしています。
そこで二十四節気ごとに、おすすめの食材(パワーフード)や養生法などをたっぷりとご紹介!

数千年という歴史に裏づけられた、中医学の“知恵”を学びながら、日本の美しい四季おりおりを、もっと元気に、もっとたのしく、過ごしてみませんか――?

第2回は、「小暑(7/7頃)」です。

 

「小暑(しょうしょ)」って、どんな季節なの?

そろそろ梅雨明けを迎え、暑さがピークへと向かう時期。ちょうど、七夕の頃ですね!
高温多湿で身体に湿気が溜まりやすくなるため、しっかりと除湿を心がけることがポイントです。
また、季節の変わり目となる夏の「土用(7/19~8/6頃)」が近づいてくる頃なので、夏の暑さでダメージを受けた身体(心)が、そろそろ息切れし始めることも……。
したがって、「養心(ようしん)」といい、心を養い、気を補充することが大切になります。

(※)「五行論」に基づく、「肝、心、脾、肺、腎」の5つを「五臓」といいます。いわゆる「五臓六腑」の五臓にあたり、肝は春、心は夏、脾は長夏(梅雨)、肺は秋、腎は冬に活発に動くとされています。

(イメージ:写真AC)

 

「小暑」のパワーフードは?

「小暑」の頃におすすめの食材(パワーフード)は、ズバリ、冬瓜
涼性で身体を冷やし、身体にこもった熱を取って水はけをよくする瓜類は、この時期に必須の食べ物です。
おすすめは、冬瓜とスペアリブのスープ。熱を取るので夏場に食べたい豚肉と、同じく熱を取って必要な潤いを補給し、要らない水を出す作用のある冬瓜でつくるスープは、見た目も美しく、夏場の食養生に、ぜひとも取り入れたい一品。
台湾では風呂上がりに温かいスープを飲みますが、不要な湿気(汗)が出るので夏バテ防止にうってつけなんです。

(イメージ:写真AC)

【冬瓜とスペアリブのスープ】
〈材料(4人分)〉
冬瓜(大きなぶつ切り)…1/2個
スペアリブ(大きなぶつ切り)…350~400g
生姜(スライス)…1片
塩…小さじ1/2

〈作り方〉
鍋にすべての材料を入れて、水を浸るぐらいまで加え、極弱火で20分以上煮る。

ほかにも、同じくこもった熱を取り除く寒性のレンコン、そして、バテそうな身体にはエネルギーを補給し、気を補充するウナギがおすすめです。

(※)「五行論」に基づく、食べ物が持つ5つの性質「寒、涼、温、熱、平」を、「五性(五気)」といいます。その食べ物を食べたときに、体内で身体を温めるか、冷ますか、あるいは寒熱のかたよりが起こらないかによって分類され、いずれにも属さず、かたよりのないものが「平性」となります。

 

「小暑」の頃の、心と身体の状態は?

高温多湿ということもあり、身体の中にジュクジュクとした湿度のある熱がこもるため、一年を通じ、もっとも胃腸が弱りやすい時期。
そのため、食欲不振や消化不良などに悩まされる人も多いでしょう。ほかにも、肌が敏感になったり、顔などがむくみやすいといった症状が起こりやすいかもしれません。

したがって、「夏至」の頃に増して、こもった熱を取り除く必要があります。
そして、どんどん暑くなっていきますが、冷たい食事はひかえめにして、温かい食事でのエネルギー補給を心掛けるとよいでしょう。メンタル面では、高まる陽気に合わせ、活動的で朗らかに過ごしましょう。
人と接することが苦手な人も、頭の外に意識を向け、ハマれるものを探してみてください。

 

「小暑」の過ごしかた(養生)は?

梅雨の間は、どうしても外に出る機会が減るので、ちょうどこの時期、少し筋力が低下している方が多い傾向にあります。
人間は、数日動かないだけでも足の筋肉が退化していきますから、来る猛暑の日々に向けて、少しずつ身体を動かすこと、ストレッチなどを心がけてみてください。

また、この時期は、お風呂上がりにダラダラと汗をかくため、エアコンや扇風機で汗を止めようとする方も多いと思いますが、できれば汗を出し切り、身体を拭いてからパジャマを着るようにしましょう。ベタベタとした汗がサラッとするまで、きちんと汗を出し切ることが大切です。

そして、しっかりと汗をかいて身体の水はけをよくしつつ、夏の「土用」に向けた養生として、この時期から“脂っこいもの、味の濃いもの、冷たいもの”を、意識して避けるようにしておいてください。

先ほど、台湾では夏バテ防止に風呂上がりに温かいスープを飲むという話をしましたが、逆に、風呂上がりにキンキンに冷えたビールなど、冷たいものを飲むのは厳禁……。
喉から下には感覚神経がないので鈍感になりがちですが、熱すぎるものや冷たすぎるものを飲み下すと、内臓は大きくダメージを受けます。
例えていうなら、氷をぎゅっと握ったあと、手がかじかんで動かしづらくなるのと同じこと。内臓の動きを低下させてしまいますので、“風呂上がりの冷たい飲み物”が習慣になっている人は、ぜひ、見直してください。

(イメージ:写真AC)

 

「小暑」の中医学的・たのしみごと

暑さを避けた、早朝や夕方のスポーツがおすすめです。
趣味のスポーツがない人は、雨上がりの美しい小径をウォーキング(ランニング)するなど、外に出て活動する時間を増やしてみてはいかがでしょう?

くり返しになりますが、梅雨の間に動かなくなって筋肉が落ちている人も多い時期ですので、来るべき夏の猛暑に対応する体力をつけるためにも、屋外での楽しい運動・スポーツには、最高のタイミング。
楽しみながら養生ができるとは、まさに、一石二鳥ですね!

 

七夕には「五色の短冊」を笹の枝に飾りますが、じつは、あの「五色」、中医学でもっとも大切な理論とされる「五行論」に基づいたものだとか!
何気なく願い事を書いてきた紙切れの“色”にそれぞれ意味があるということからも、古代中国の歴史、そして中医学の奥深さを感じませんか――?

*次回は7月21日(水)更新予定です。

構成・文/国実マヤコ
バナーイラスト/Sunny

Written by sakurai_daisuke
櫻井大典

アメリカ・カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後、イスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国・首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格取得。日本中医薬研究会に所属し、同志と共に定期的に漢方セミナーを開催。中医学の振興に努めている。 SNSにて日々発信される優しくわかりやすい養生情報は、これまでの漢方のイメージを払拭し、老若男女を問わず新たな漢方ユーザーを増やしている。 主な著書に『こころとからだに効く! 櫻井大典先生のゆるゆる漢方生活』(当社)、『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ』『ミドリ薬品漢方堂のまいにち漢方食材帖』(ナツメ社)、『つぶやき養生』(幻冬舎)。監修に『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』ほか多数。 Twitter: @PandaKanpo HP:https://yurukampo.jp/

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