休日に用もなくバイト先に顔出しに来るヤツの心理
参考資料②レジのお金が盗まれる事件
働き始めて半年あたりのことです。
ある日、店長が眉を潜めてこう言ってきました。
「最近、レジ締めの時2万円足りない日があるんだよね」
レジの金額に差異が出てしまうことは、お釣りの渡し間違いなどで珍しいことでもないのですがここで店長が私だけに言ってきた理由がありました。
それは、ある特定の日だけ2万円少ないというところです。
話を聞いていくとどうやらあのクロブチが出勤した日にだけ万単位で差異が出るとのこと。
しかし、私の働いていた焼き鳥屋は駅チカのこじんまりとした店舗だったため、セキュリティが甘いところも多く、自動釣り銭機なぞ持ってのほか、監視カメラの設置もないためただの憶測でした。
そこで、店長から「これからはレジ点検(データ上の金額と実際にレジにある金額に差異が出ていないか点検作業)と監視カメラの設置をしよう、クロブチには内緒で」と決まりました。
私は、レジ点検の仕事が増えてしまうのは少し面倒ではあると思いつつも身近なところで犯罪が行われているかと思うと恐怖していました。
レジ点検・監視カメラを導入して2週間後。
犯人が発覚。盗みが習慣化されていたからか、レジ点検の差異の出たタイミングとそのたびに監視カメラに写っていたことから簡単に突き止められました。
お金を盗んでいたのはクロブチだったのです。(やっぱり)
この事件で私が特に驚いていたのは、その2万円を何に使っていたのかというところ。
なんと、クロブチはレジからお金を盗んだその日に必ずとある社員にiTunesカードを献上していたのです。
その社員とクロブチの詳しい関係性は分かりませんが、側から見ていて仲の良い先輩後輩関係に見えていました。憶測ではありますが、社員がクロブチをパシリとして扱っていたのか、それともクロブチが気に入られたくて自発的に行動していたのか…私は後者なような気がすると思っていましたが真実は定かではありません。
その後、店長が直接注意をするとクロブチは翌日蒸発しました。
結論 生存戦略
以上の、彼のマウンティング行動・レジのお金が盗まれる事件を踏まえると「とても寂しい人間性」という風に感じてしまうかもしれません。
しかし私は「一つの行動を起こす時、前提として何を満たそうとしているか」を哲学していくと彼を他人事では感じられなくなりました。
「休みの日に用もなくバイト先に顔を出しにくる奴」は一体どういう心理なのか
私が辿りついた結論は、「彼らとってはもちろん用がある」から顔を出しに来ている。ということです。
ここまで書いておいてなんじゃそら!って感じですが、
顔を出しに『行く・行かない』の行動に置いて、その人が『得られるもの・失うもの』どちらを重視しているかで選択しているのだと気がつきました。
行く派の彼らは、バイト先に顔を出しに行くことで得られる多くのメリットを知っている(プライベートでも仲良くしておくことで仕事がスムーズにいく等)→生存戦略・自己顕示欲を満たすため
行かない派の私は、仕事の人とは仕事モードの自分で接しているから切り替えるのにカロリーが高い→精神的体力を削られないようにするため
それぞれが異なる前提条件を持っていて、どれを大事にするかはその人の好みなので、周りがとやかく言ったところでお門違いなわけです。
まぁ かといってこちらに迷惑をかけられるのは御免なので、お互いがお互い、価値観が違う物どうしで同じ地球にいるということを知って双方の間をとった行動をしようとすることが大事ですよね。なんて改めて思いました。
クロブチの前提条件はきっと…「安心したかった」んじゃないかなぁ。
以上、ゆとりフリーターでした!
文・イラスト/ ゆとりフリーター