新しい時代のしなやかな生き方が話題、人気「Celvoke」ディレクター田上陽子さんインタビュー【前編】

新しい時代のしなやかな生き方が話題、人気「Celvoke」ディレクター田上陽子さんインタビュー【前編】



BOOKOUTジャーナルとは

知られざる想いを知る―。
いまいちばん会いたい人に、
いちばん聞きたいことを聞く、
ヒューマンインタビュー。



撮影/イマキイレカオリ
文/安倍 佐和子

軽やかなライフスタイルをおくる女性たちの間で人気のビューティブランド「Celvoke」のディレクターとして活躍しながら、フリーランスとして活動の場を広げる田上陽子さん。
コロナ禍で結婚、遠距離でのデュアルライフをスタートさせた田上さんに、新しい時代をしなやかに生きる視点を伺いました。全編・後編の2回にわたってお届けします。

 

これまでの経歴を伺えますか?

学生時代から、将来は編集関係かカルチャー系の分野で仕事をしたいと思っていて、卒業後に大手企業に就職。でも、なかなか希望どおりの担当につけず、知人がクリエイター集団を立ち上げるタイミングであっさり転職(笑) 再びゼロからのスタートでしたが、後悔はありませんでした。その後、アッシュ・ペー・フランスとPR会社に在籍し、PRのノウハウをひと通り身につけました。

オーガニック系コスメブランドをPRサポートすることが増え、美容全般の知識を身につけると共に、オーガニックコスメの素晴らしさと可能性に魅了され、「Cosme Kitchen」の展開をしていたマッシュビューティーラボへ。ディレクターとして自社ブランドの「F organics」「Celvoke」を立ち上げ、現在は「Celvoke」を監修しながら、ジュエリーブランド「ENEY」のディレクションに関わるなど、フリーランスとしても活動しています。

華やかな経歴ですが、挫折したことはなかったのでしょうか?

いえいえ、挫折だらけです。20代はずっと“自分って何者? いったいなにができるの?”と、もがいていました。職場を転々としたのもその表れですよね。やっとPRという仕事と出会って、これなら自分を活かすことができるかも、と、そこから軌道修正していった感じです。でも、根底にはいつも、何かを成し遂げたいという野心がありました。自信は微塵もなかったんですが(笑)

ディレクターとして活躍するようになったきっかけは?

目の前にあるものをPRすることから、PRするモノそのものを手掛けたいと思うように。しばらく封印していた野心がムクムク(笑)。そんなタイミングでマッシュビューティーラボに移籍し、会社初のオリジナルブランド「F organics」を立ち上げたのが30代前半です。
ようやく、“なにかを成し遂げようとしている自分”に、自信が持てるようになりました。

30代は思い描いていた通りの日々でしたか?

とにかく仕事にどっぷりハマっていましたね。自分の好きな仕事だから、公私混同でした、むしろ公私混同したかったんですね(笑)。仕事中心で生きていました。
同時に旅することにもハマって。行き先はほとんどがパワースポットと言われる大自然ばかり。仕事で抜け殻になった心と身体を旅先でリセット&エナジーチャージすることで、自分自身を取り戻そうとしていたのかもしれません。
30代のはじめにヒーリングスポットとして有名なセドナに訪れたことをきっかけに、リトリートや瞑想にも多くの時間を費やすようになりました。

ライフイベントの多い30代、全速力で駆け抜けてきた印象ですね。

コンクリートに囲まれた都会の真ん中で寝起きして、平日は仕事三昧。エネルギーが枯渇しそうになると癒やしを求めて大自然に旅して、の繰り返し。結婚願望も独立願望もあったのですが、すべて後回しに。でも、そんな生活が祟ってか、婦人科系でトラブルがみつかって。
オーガニックでエシカルなブランドをプロデュースしているのに、ウエルネスの理想から遠のいていく自分…。今思えば、迷いもあったんだと思います、ますます瞑想やホリスティックな生活に傾倒していきました。瞑想はプロのプログラムに参加、山に籠る修行にも。占いや風水なども積極的に取り入れていましたね。瞑想を続けたこともあってカームダウン、そしてこの頃から、真のインナーケアへの理解を深めていきました。

迷走から出口が見えたタイミングとは?

コロナ禍にあった2020年11月、星の動き的にまもなく時代が大きく変わると聞いていたタイミングで、友人3人と北海道旅行に行ったのですが、そこで現在のパートナーと出会いました。つきあいはじめが12月で、住んでいるところが北海道と東京と離れているにも関わらず、心身共に遮るものもなく、春に入籍に至りました。ここから二拠点生活がはじまります。

→後編はこちら

田上陽子(たがみ ようこ)

プロフィール PR会社に勤務し、数多くの美容系クライアントを担当した後、2013年にオーガニックビューティーブランド「エッフェ オーガニック」を立ち上げ、商品開発からPRまで幅広く手掛ける。2016年には、天然由来成分をベースに、先進テクノロジーを用いたスキンケアラインと、洗練モードを追求したメイクアップラインを揃える新ブランド「セルヴォーク」をスタート。現在は、2つのブランドディレクターの他、フリーランスとして活動の幅を広げている。
Instagram  @yokotagami628