【INTERVIEW】現在放送中のドラマ2作品で、奇しくも同じ明るい高校生役を演じている綱啓永。自身も明るい性格だという綱がいかに撮影に臨んでいるのか? また、彼の人柄にも迫る。

【INTERVIEW】現在放送中のドラマ2作品で、奇しくも同じ明るい高校生役を演じている綱啓永。自身も明るい性格だという綱がいかに撮影に臨んでいるのか? また、彼の人柄にも迫る。


今クールのドラマ『顔だけ先生』と『この初恋はフィクションです』に出演している綱啓永。どちらも明るい人柄の高校生役というキャラクターを演じているが、本人の性格もとても明るい。今回の取材から、役者を楽しんでやっているという彼の人柄がよく垣間見れた。

撮影/浦田大作 文/渡邊美樹

――『顔だけ先生』の坂本祐太役での出演が決まった時、どう思いましたか?

「めっちゃ嬉しかったのを憶えてます(笑)。最初にオファーを頂いて、監督への顔見せでそれぞれイメージにあった役に決まる、みたいな流れだったんです」

――では、最初は役が決まってなかったんですね。

「はい。だから、自分の素を見せたほうがいいんじゃない? ってアドバイスをもらって、素で顔見せに臨みました。僕、学園モノの出演がほとんど初めてで、決まった時点で嬉しかったんですけど、顔見せの時にどういう役やりたいですか? って質問があって、『イケイケで彼女とかいたりするキャラクターがいいです』っていう話をしたら、まさにそういう役を下さって」

――ご自身が希望していた役通りになれたっていうのは嬉しいですね。

「ほんとに嬉しいです」

――実際、撮影が始まってみて役を演じてみてどうですか?

「佑太を演じるのは凄く楽しいです。自分に近いので、ほぼ素に近いというか。ただ、凄い演じやすいなと思う反面、学園モノの雰囲気に最初はあんまり慣れなかったですね。大人数の中でお芝居する機会がそんなになかったので。クラス24人いて、1人不登校の人がいて先生達もいるから結構多くて。その中で芝居をやるのは最初はあまり慣れなかったです」

――同世代の方とのシーンが多いと思いますが、そういう時、自分から積極的に話しかけたりはされるほうですか?

「今回はめっちゃ頑張りましたね。それも、なぜかと言うと役が役なので。佑太はクラスの中心にいるような人だから、みんなと仲良くならないとダメだなっていう意識がありました。僕は、基本的にどの現場でも話す方だと思いますけど、今回はいつもの2~3倍頑張りました。でもそのおかげで今ではみんなと仲良くなりましたね」

――共演者の方達と仲良くなるということは、精神的にも結果的にいい効果がありそうですね。

「そうですね、僕は役のスイッチのオンオフがあんまり出来ないというか、普段の関係性を割と大事にしちゃうので。本当に仲良くないと演技がしづらいというのもあったので、早く仲良くなりたいと思いました」


――そうですか。逆に内気なタイプの役柄の場合、現場の立ち振る舞いの仕方変わりますか?

「多分、変わると思います。今の役は陽キャなキャラですけど、めっちゃ陰キャで誰とも喋らないみたいな役だったら、今よりはさすがに喋らないのかな? もちろん少しは喋ると思いますけど…。今に比べたらだいぶ抑えると思います」

――自分の素と役がグラデーションのように続いている部分があるタイプなのかもしれませんね。

「そうですね、もし、切り替えのポイントを強いて言うなら衣裳ですね。衣裳を着る、脱ぐでオンオフになりますね」

――では、撮影が終わった後は…。

「オフにするのはめっちゃ早いです。オフは秒でオフになります(笑)」

――なるほど(笑)。では、共演者の方についても、お伺いしたいんですが、『顔だけ先生』で共演されている、神尾楓珠さんは、綱さんと年齢が近いんですね?

「はい、同い年ですね」

――そんな神尾さんと、先生と生徒役で共演してみてどうですか? 

「元々友達でもあったし、同学年だったので、最初はちょっとどうなんだろう? っていうのはあったんですけど、いざ現場いったら全然違和感はなかったです。楓珠は、ちゃんと先生という感じでやっていて僕もそこに引っ張られたのか自然と生徒になれて、それはカメラが回っている時だけで、撮影以外でお話しする時は普通にいつも通りの友達同士の関係性でしたね」

――では、撮影現場はみなさん和気あいあいとした感じなのでしょうか?

「そうですね、自然に楽しいから明るくなっちゃうって言い方のほうがあってますね。みんな仲良いし、最近より仲良くなってきているから、基本みんな誰かしらとは喋ってるみたいな状況ですね。それこそ席が近い人と仲良くなりますね」


――じゃあ学園モノの醍醐味というか、楽しさを今実感していますね。

「めっちゃ実感してます。本当にこの作品に参加出来てよかったなって思います。それこそこの前、都内から離れた遠い場所で撮影があって、バス移動が2時間くらいあったんですよ。5~6人くらいのキャストで色んな話しして、『修学旅行みたいだね』って言ってました。なんかリア友みたいな感じでした」

――そういう一緒に移動する時間も楽しめる仲間がいるのは、いいですね。

「大体、長い移動中は寝ることが多いんですけど、ずっと喋っていたので、ちゃんと仲良くなってるなって感じました」

――いい現場ですね。では、『この初恋はフィクションです』についてもお伺いします。本当に同時期に明るい高校生役を演じられてますね。同クールなのは偶然なんですか?

「そうですね、びっくりですよね」

――逆に、キャラクターを演じるにあたって、差別化しにくそうな印象もありますが。

「あー、演じ分けはしにくいです。んー、でも、そんなこともないか? 『この初恋はフィクションです』で演じている早川修哉のほうが明らかにテンションが高いです。やっぱり、現場の色が全然違うので、自然に切り替えは出来ていると思います。『顔だけ先生』も『この初恋はフィクションです』も、どの現場もですけど。『顔だけ先生』の現場に行ったら自然と佑太になれるし、『この初恋はフィクションです』のほうも、修哉の衣裳を着て、その現場入ったらその色になって修哉に染まっていくみたいな。何に意識したかって言われると、そんなにしてないのかもしれないですね。この場に馴染もうという意識だけというか」

――一緒にいる相手の会話で変わったりもしますよね。

「ほんとそうですね。僕っていうかみんなそうですね。相手次第って言ったらあれですけど相手によって変わってきますよね」

――『この初恋はフィクションです』は、ヒロインを演じる飯沼愛さんが初出演で主演だったり、夜の帯枠というチャレンジをされている作品ですが、撮影に参加してみて、ほかの作品と違うと感じることはありますか?

「んー、現場そのもので変わっているって感じることはないですかね。違うことと言ったら、『この初恋はフィクションです』のほうは、女の子のキャストの年齢がみんな若いです! シンプルに彼女役の武山瑠香ちゃんが8個下なんですよ」


――ええ! そんなに年齢差があるんですか!

「僕の妹が7個下で、瑠香ちゃんが8個下だから妹より年下の子と恋人役って…」

――凄く変な感じですね(笑)。

「最初、大丈夫かなと思ったんですけど、瑠香ちゃんがとても中身が大人っぽいので、見てるとあんまり年齢差は感じないですよね」

――そうですね。そして、綱さんのビジュアルについてお伺いしたかったのですが、今回の役柄で、金髪にされていて、綱さんのアーティスト写真とのギャップが凄いなと思ったんです。以前はずっと黒髪だったと思うのですが、ご自身的には髪型とか髪色とかってどうですか? 派手な色に抵抗はないですか?

「めっちゃ好きです! 好きな理由のひとつとしては、僕の年齢だと周りの人は、社会人一年目の歳なんです。だから、もし自分が会社員だったら、あまり髪を染めたり出来ないから、僕はこの仕事で役によって染められるっていうことが得だなっていう意味で嬉しいです。あと、そもそも僕は染めたりするのが好きなんです。高校生の時も、夏休みの間だけ染めたりしてました。でも、多分、僕は黒髪のほうが似合うんですけどね(笑)。ファンの方も多分黒髪のほうが好きなんだと思います」

――黒髪だと、爽やかなイメージが強くなるかもしれませんね。

「そうですね。でも、僕は意外と派手な色の髪のほうが好きだから、今の髪型は気に入っています」

――では、最後の質問になりますが、俳優をやられている今、どうですか? 役者という仕事の面白さや、大変さなど色々感じているのではないかなと思いました。

「そうですね。演技で人に影響を与えられるっていう、凄い素敵なことだなって思っています。その気持を軸に僕は俳優をやっているんですけど、もうひとつ軸があって…。実は父親も芸能界に入りたかった人だから、僕が代わりに芸能界に入って、僕が作品に出ると僕よりも喜んでくれる。母親とか妹もそうですけど特に喜んでくれるのが父親なんです。おばあちゃんも喜んでくれているので、とにかく家族を喜ばせたくてやってるっていうのがど真ん中にあります。そして、その周りにファンの方とかがいて。僕、元々頭がよくなかったから、きっと就活をしてたら大変だったと思うんですけど、役者をやってると色んな職業につけるから本当に色んな経験が出来て、それが醍醐味だなって思うんです。だから、そういうところを楽しんでますね。あと、僕、かっこいい人とか見るのが凄く好きで(笑)。共演した人とか、“あー、かっこいいなこの人”ってみて、その人のいいところを吸収したりしてます。良い人も多いので、現場ごとに友達が増えるし、色んな面で僕は凄い楽しみながら俳優をやってますね」


――いいですね。家族という軸がちゃんとあるからしっかりブレずに俳優をやっていけそうですね。

「そうですね。そこだけは一生ぶれないと思います。自分のためだけに俳優をやってたら、僕の性格上、いつか折れちゃいそうって思います。でも、家族や応援して下さるファンのためにやってるという気持ちが強いので、これからもぶれずにやっていけると思います」

――今後の出演作品も楽しみにしています。

「頑張ります!」


  ●プロフィール

綱啓永/つな・けいと
1998年12月24日生まれ、千葉県出身。2017年、第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞し、18年に俳優デビュー。ドラマ『文学処女』『騎士竜戦隊リュウソウジャー』『ホームルーム』などに出演。現在、よるおびドラマ『この初恋はフィクションです』(TBSにて毎週月曜~木曜 深夜0:40~放送中)、『顔だけ先生』(東海テレビ・フジテレビ系にて毎週土曜日23時40分~24時35分放送)に出演中。