【年賀状や寒中見舞いにも!】人気の「ペン習字」で心穏やかな年の瀬を――


昨今、大人の趣味・手習いとして注目の「ペン習字」を、みなさんご存知ですか?
文字を書く機会が減ってきたとはいえ、まだまだ手書きを求められるシーンは多いもの。普段の生活で役立つボールペン字はもちろん、いざという時に堂々と書けるようにと、筆ペン字も人気を集めているんです。特にこの時期、年賀状や寒中見舞いなど、久しぶりに筆ペンを手に取る人は多いのではないでしょうか。


(イメージ:写真AC)

この年末年始、筆者も“おうち時間”を使って気軽に美文字を目指そうと、見つけたのは『自律神経を整える 名句なぞり書き帳』という書き込み式の1冊。
いかにもドリルといった堅苦しさがないばかりか、自律神経研究の第一人者として有名な小林弘幸先生の監修であること、なにより松尾芭蕉、種田山頭火、石川啄木、夏目漱石など、錚々たる面々による季節の句がテキストとなっているため、楽しみながら続けられそうなことが決め手に……!

それでは、さっそくはじめてみましょう!

 

「なぞり書き」が自律神経を整える4つのワケ

筆ペン1本あればスタートできるペン習字ですが、その心身への影響は目覚ましいものがあり、なんと自律神経を整える効果があるのだとか! 心が落ち着いてリラックスできる、免疫力アップ、脳が活性化する、さらには認知症予防まで、たくさんの嬉しい“効果”があるとのこと。小林先生曰く、筆ペンを手にとったときの懐かしさ、文字を書くときの呼吸、自然と整う姿勢、そして何より手軽さが、私たちの自律神経を整えてくれる4つの根拠になるといいます。

ちなみに、筆者がドリルとともに用意したのは、2種類の筆ペン。毛筆に近い書き心地のナイロン人工毛タイプ(写真上)と、ペン先が固めのサインペンタイプ(写真下)です。
通常、私たちが筆ペンと聞き思い浮かべるのは前者のタイプですが、筆者のようにペン習字どころか、ふだんはもっぱらパソコンばかりで、エンピツすら手にとらないといった方には、後者のサインペンタイプがおすすめ! 実際、前者では力の入れ具合がおぼつかなかった筆者も、サインペンタイプの書きやすさには驚かされました。初心者は、ぜひ、サインペンタイプを用意してみてくださいね。

 

 

季節にピッタリの句で、いざスタート!

「冬の句」から、年の瀬にピッタリな松尾芭蕉の句をみつけ、いざスタート! 『自律神経を整える 名句なぞり書き帳』は、春夏秋冬の句、新年&無季の句と盛り沢山なので、そのときの気分にあわせた句から始めることができるのも、うれしいポイント。

ゆっくりとペン先を落とし、美文字をなぞっていくと、まるで自分の字が瞬時に美しくなったかのような錯覚にとらわれ、なんともいい気分&充実感! しかも、気づくと背筋が伸び、集中していたのか、あっという間になぞり終えているんです。ほどよい緊張感と達成感、そして思いがけぬ心の静けさには、筆者もびっくり。

 

思いがけぬ「なぞり書き」の効能とは?

そして、面白いことに、「お、この文字は家族の名前に入っている字だからラッキー!」などと、ふと別のことが頭をよぎった途端、なぜか線が短くなったり、払いが雑になったりと、字が乱れるんです……。

そこで、筆者が考えた「なぞり書き」の使い方は、毎朝、仕事を始める前など“その日の自分の調子”を知るために一句なぞるというもの。不思議なことに、「今日は仕事が立て込んでいる!」「午前中にアレを終わらせないと……」など、心が焦っている日は、なぞり書きも焦った線になるんですね。

そんな日は、もう1〜2句なぞることで心を落ち着かせてみたり、「今日は焦りがちだから、仕事では気をつけよう」と、自分に言い聞かせるようにしているのですが、これを日課にしてからというもの、仕事への集中力が増したり、トラブルが起きても心を穏やかに対処できるようになったのですから、「なぞり書き」効果、おそるべしです――! 

 

本書のお手本の文字は、ペン字教本がミリオンセラー(!)の和田康子先生の手によるものということで、その美しさは折り紙付き。習得した美文字を年賀状や寒中見舞いで披露するのもよいですが、「間に合わない!」という方は、新年の句として収録されている「目出度さもちう位也 おらが春(小林一茶)」「初日の出 しだいに見ゆる 雲静か(夏目漱石)」などを気分に合わせてチョイスし、そのまま葉書にしたためてはいかがでしょう? 句を使った“粋”な演出は、先方の心に強い印象を残すはずですよ。

忙しない年の瀬ですが、そんな今こそ、はじめての「ペン習字」で、心穏やかな時間を過ごしてみませんか? 

文/国実マヤコ

\好評発売中!/
『自律神経を整える 名句なぞり書き帳

著:和田 康子/監修:小林 弘幸

監修 小林弘幸

順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。順天堂大学医学部卒。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。主な著書に『なぜ「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)、『聞くだけで自律神経が整うCDブック』、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(ともにアスコム)、『便活ダイエット』(小社)など。

著 和田康子

書家。藤田金治氏に師事。毛筆・硬筆指導を中心に題字揮毫など幅広く活動中。数々のペン字テキストを手がけ、ていねいでわかりやすい指導に定評がある。主な著書に『美しく正しい字が書けるペン字練習帳』シリーズ(新星出版社)、『美しい字で脳を鍛える百人一首』、『美しい字で心やすらぐ枕草子』(ともに幻冬舎)、『心やすらぐ般若心経なぞり書きノート』(永岡書店)など。