【自律神経ケア】寒暖差による不調時に温めるべき「4首」とは?



不調の改善の近道は、自分に合ったセルフケアの方法に出会うこと。
『自律神経にいいこと大全100』の発売を記念したこの連載では、予約が取れない鍼灸師として大人気の森田遼介先生が、自律神経を整える簡単なセルフケアを毎週ご紹介します。
今回は「寒暖差による不調」について。


※本記事は、森田遼介:著『自律神経にいいこと大全100』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

 

自然に左右される人間の体

東洋哲学思想の中には、「天人合一(てんじんごういつ)思想」というものがあります。
「天」とは自然界を指し、天気と地中は互いに影響し合っています。その間はざまで生活している私たち人間は、この自然の影響に大きく左右されるのです。
近年、自然界の法則が大きく崩れています。気圧や気温の乱高下や激しさを増す台風・ゲリラ豪雨・積雪量など……。これだけ自然が乱れれば人間の体も乱れるのは当然なので、自分を責める必要はありません。

ただし、この自然の乱れは容易に止められるものではないため、これからは一人ひとりが今まで以上に自分の体と向き合う必要があります。
そして不調の改善と同じくらい大切な意識は、「予防(=養生)」をすること。治すよりも整えることの方が結果に結びつきやすいので、予防をして日頃の生活の質を落とさないように心がけていきましょう。

 

気象病の予防に翳風(えいふう)

気象病、寒暖差疲労、寒暖差アレルギーには「翳風(えいふう)」を使います。場所は、耳たぶの後ろに凹みがあるところの圧痛点。気候の影響を受けやすい方は、日頃から翳風を冷やさず、温めるようにしましょう。
注意する点としては、頭痛や耳鳴り、めまいなど、耳や頭の症状の発作時に温めてしまうと症状が悪化する危険があります。ですので、症状が出ている時ではなく、症状が落ち着いているタイミングで予防として行うことが効果的です。

翳風付近に細かい赤紫色の血管が数ミリ走っているのが見える場合がありますが、これは細絡(さいらく)といい、普段から体が冷え、血流が悪くなっているサイン。今の時点で頭痛や耳鳴り、めまい、難聴などの症状がない場合でも、将来発症するリスクが高いため、対策をしておきましょう。

 

「4首」の血流を温める

気圧の乱高下や気温差など外気に振りまわされないようにするためには、「首」がつく部分を冷やさず温めましょう。首や手首、足首は聞いたことがあるかと思いますが、私はそれらにプラスして「“くび”れ(お腹)」を追加したいと思います。

昔から「首・手首・足首」の「3首」を温めるとよいといわれるのは、血流の多い血管(動脈)がこの3首の皮膚の近くを走っているからです。
血流が多い部分を温めることで、効率良く全身の血液を温めることができます。指先やつま先などの冷えやすい末端や、気圧に関係の深い「耳」の血流を良い状態で維持できるので、不調を抑えられるのです。

また、自律神経の乱れには、内臓の働きの乱れが関わってくるため、内臓が入っているお腹を冷やさないことも大切な養生です。
特に季節の変わり目は天気が乱れますので気をつけましょう。

イラスト/日江井香

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自律神経にいいこと大全100
著:森田遼介

森田遼介
TC鍼灸マッサージ院 院長

国家資格:はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師。鍼灸院などに勤めながら、勤務後や休日に個人で訪問治療を行う。予約1年待ちが続いたタイミングで2023年2月に独立し、4か月で予約満杯となる。現在は埼玉・東京エリアの訪問自費治療を中心に活動。
治療の特徴としては、全身の筋肉や内臓の調整をしつつ、不調の改善以降は再発の防止や他の大きな病気にかかるリスクを最小限にする、「未病」に対する治療で、人生100年時代をできるだけQOL(生活の質)を落とさない目的の治療が需要として高い。
2021年2月NHK特番「東洋医学ホントのチカラ」・2021年4月NHK「あさイチ」出演。書籍『しんどい低気圧とのつきあいかた』(新潮社)ツボ監修。本書が初の著書となる。
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